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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/10/18
- 出版社: 白水社
- サイズ:20cm/234p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-560-09042-8
紙の本
ムシェ 小さな英雄の物語 (エクス・リブリス)
スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。それから70年近くを経て、バスクの作...
ムシェ 小さな英雄の物語 (エクス・リブリス)
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商品説明
スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。【「BOOK」データベースの商品解説】
スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。戦争に奪われた記憶の破片を継ぎ合わせ、喪失を乗り越えていく希望の道筋を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
バスク文学の旗手による待望の最新作
スペイン内戦下、ゲルニカ爆撃の直後に、約二万人のバスクの子供たちが欧州各地へ疎開した。八歳の少女カルメンチュは、ベルギーの文学青年ロベール・ムシェとその一家に引き取られ、深い絆を結ぶ。ムシェは戦争特派員として前線を取材し、ヘミングウェイや芸術家たちと親交をもつ。やがて第二次世界大戦の勃発とともに、カルメンチュたち児童は荒廃したバスクへの帰還を余儀なくされる。
その後、ムシェは進歩的な女性ヴィックと出会い、結婚。バスクの少女にちなんでカルメンと名付けた娘とともに、幸福な日々を送る。しかしまもなく、反ナチ抵抗運動に加わったムシェは、悪名高いノイエンガンメ強制収容所に移送される……。
ヴィックは愛する夫の帰還を待つが、なかなか消息は得られず、戦後、カルメンと二人で生きていく決意をする。父の記憶を持たないカルメンは、ノイエンガンメ収容所の解放五〇周年式典をきっかけに、父の足跡をたどり始める。
ノンフィクション的な記述と小説的な語りとのあいだを行き来して、ムシェとその周辺の人々を鮮やかに蘇らせてみせる。好評の『ビルバオ‐ニューヨーク‐ビルバオ』の異才による傑作長篇!【商品解説】
第二次大戦下、反ナチ抵抗運動の作家ムシェとバスクの疎開少女の悲運。愛する人の喪失とその克服、戦争の記憶の回復を試みる感動作!【本の内容】
著者紹介
キルメン・ウリベ
- 略歴
- 〈キルメン・ウリベ〉1970年スペイン・バスク自治州生まれ。処女詩集でスペイン批評家賞、「ビルバオ−ニューヨーク−ビルバオ」でスペイン国民小説賞を受賞。
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紙の本
「英雄」の重み。
2016/10/31 19:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:390 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バスクから疎開した少女を引き取り、反ナチ抵抗運動に尽力。強制収容所で命を落としたムシェとその足跡をたどる。原文は現在では話者の限られるバスク語。訳文もその趣を汲み取っているのか、静かで美しい。対する戦争の描写が胸に迫る。
ムシェのやましさは「英雄的であるということ」「英雄であるということが裏の、陰の側面をもっている」ムシェの行為は正しく尊い。そのぶん、残される者の悲しみは深い。生きて欲しかったと願うことは、正義に背くことなのか…。タイトルに「小さな英雄」とあるように、ムシェのような人物はたくさんあったのだろう。名もなき「英雄」たちと残された者のことを思うと、また胸が痛む。
本書をバスク語からの直訳で読めるのは、スペイン語版と日本語版のみだという。「世界一難解」とも言われる稀少言語に取り組む、翻訳者・金子奈美さんの存在が何とも嬉しい。金子さんの訳、バスク文学を楽しむ、という面からも味わい深い1冊だ。
紙の本
20世紀の歴史
2023/05/28 14:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
国境は恣意的なものだ。バスクの人々はそれに翻弄された人々であり、20世紀の歴史はさらに過酷な運命を用意していた。同時にこういった物語を日本語で読めるということは、過酷な歴史への抵抗ともなる。
紙の本
良かったです。
2018/06/16 02:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから、シンドラーとか杉原千畝のような話かと思ったが、そういう「英雄」ではなかった。ロベール・ムシェという実在の人物の半生を描いているが、その偉大さではなく、誠実さをもって「英雄」とした物語。スペイン内戦で孤児となった少女と実の娘、カルメンチュとカルメンを気遣いながらも、政治犯として収容所に入れられ、終戦まで生き残ったにも関わらず、悲劇に見舞われたロベール。なんでもない情景描写が印象的で、収容所でベートーヴェンを聴くシーンは、淡々と描かれているが衝撃的だった。
親友を亡くして小説が書けなくなっていた作者キルメン・ウリベとカルメンの運命的な出会いがなければ生まれなかった物語。運命は人を翻弄し、たいてい悲劇を与えるけれど、たまにこういう優しい波を寄越してくるんだな。
特に前半、若い頃のロベールと親友、恋人、友人らのやりとりを読むのに、久しぶりにページをめくる手が止められない、って感覚を味わった。面白かった。
紙の本
バスク語で書かれた小説が日本語で読める幸せ
2019/01/30 17:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、話せる人が100万人もいないのではないかとされるバスク語で書かれていて、そのような本が日本語で読めるということに日本に生まれた幸せを感じないではいられない。主人公のムシェの一家はスペイン内戦で疎開することになったカルメンチェを里子として育てた。その内戦をしかけたフランコ将軍はバスク語の使用を禁止していたらしい。ムシェはやがて結婚し、子供も誕生するのだが、ヒトラーを倒すためレジスタンスになるのだが終戦直前に亡くなる。ムシェの友人、ヘルマンという男は作者は悪く書かないがあまり好きになれない。ムシェが戦っている間、お前は何をしていたのかと小一時間どころが一昼夜問い詰めたい