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商品説明
昭和46年、新館への建て替えを経た東京會舘。緊張で肩を震わす舞台女優、東日本大震災の日、直木賞授賞を知らされた父子…。東京會舘の歴史を下敷きとした、優しさと慈しみに満ちた物語。『サンデー毎日』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
辻村深月
- 略歴
- 〈辻村深月〉1980年山梨県生まれ。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年8月号より
書標(ほんのしるべ)さん
登場人物それぞれの思い出話を慈しむかのように大切に紡いでいる物語。
長きにわたってあり続ける東京會舘にはそれなりの理由があり、働く人も訪れる人も、みんなが愛しているからこその存在なのだと思うと物語に深みが増し、百年の歴史に納得を感じずにはいられない。時代の変遷とともに外観は変われども、受け継がれる精神は同じ。一本筋の通ったロングセラー商品を作るとはこういうことなのだと、東京會舘の静かで強い意思を感じ取れて、この一大叙事詩はきっと多くの人の心を震わせることができるはずだ。
まるで著者とともに歩んでいるかのように進化し、発表されてきた物語の数々。だからこそ、物語の一つ一つから発信されるメッセージを強く受け止めることができるように思う。今まで辻村深月という作家に出会えていなかった読者にも、この物語はきっと届くだろう。
紙の本
人の思いが重ねられる場所
2016/11/30 23:47
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投稿者:ヒトコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻は、昭和40年代に新館に建直されてから、更にまた建直しの為休業に入った昨年までの物語。旧館での亡き夫との思い出を新館に見出す女性。會舘でディナーショウを行う越路吹雪と従業員のふれあい。東日本大震災の日と會舘クッキングスクールの生徒たちの人生。直木賞作家の親子関係と會舘、そして作家が東京會舘を題材に小説を書こうと取材に訪れるエピローグにつながる。歴史は人の思いの積重ね、それがしみじみと伝わってくる作品でした。
紙の本
ラストが、美しい
2016/10/26 14:04
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投稿者:スカイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻を読み終わり、数日開けて、下巻を読みましたが、これは、一気に、上下巻読んだ方が良いですよ。
ラストが、美しい。
作風が艶やか。
辻村深月さんの、益々のファンになりました。
紙の本
見るべき程のことは見つ
2019/05/11 13:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京會館を巡る人生模様も終幕。
旧館は暗い時代も激動の時も人生の転機も見つめてきた。
新館も市井の夫婦たちの機微を、大スターの素顔も見た。
大震災も見届けた。親子の断絶と再会、4代に渡っての結婚式も。
読み終えて平家物語の「見るべき程のことは見つ」という言葉を思い出した。
旧館と同じく様々な人生を見届けた東京會館の新館は立て替えの時もその事を誇りに思って傲然と取り壊されていくのだろう。
紙の本
想いを紡ぐ人々
2017/01/25 20:21
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京會舘のお客様の想いも、そこで働く人たちの想いも、連綿と受け継がれ今に至る。
人々の想いが受け継がれる事の幸せがたっぷり描かれている。
少しいい話が多すぎるきらいもあるけれど、それだけ東京會舘に魅せられている作家の想い出があるんでしょう。
東京會舘へ行った事がない事が残念。
けれども、同じような想いを大切にしながら今の時間を過ごし、子供達へ受け継ぐ事が出来たら、本作と同じような想いが再現されると願いたい。
時代とともに、東京會舘のような場所は少なくなっているのでしょうが、それは私達の生き方に責任があるのでしょう。
大切な事を思って過ごしていますか。
大切な人に想いを伝えていますか。
大切な人を思って言葉をかけていますか。
今の時間を大切に過ごしていますか。
そんな事を考えさせられる東京會舘の奇跡の物語を心に残しておきたい。
紙の本
素敵な終わり方
2019/06/04 19:26
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな人がこの建物に関わっていく。作家の話と、最後のつながりがとってもよかったです!東京會舘、行ってみたくなります。