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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/07/12
- 出版社: 祥伝社
- サイズ:20cm/304p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-396-63502-2
紙の本
落陽
著者 朝井 まかて (著)
明治天皇崩御後、東京から巻き起こった神宮造営の巨大なうねり。帝国大学農科大学講師の本郷高徳は「風土の適さぬ地に、神宮林にふさわしい森厳崇高な森を造るのは不可能」と反論する...
落陽
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商品説明
明治天皇崩御後、東京から巻き起こった神宮造営の巨大なうねり。帝国大学農科大学講師の本郷高徳は「風土の適さぬ地に、神宮林にふさわしい森厳崇高な森を造るのは不可能」と反論するが…。明治神宮創建を描いた作品。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
朝井 まかて
- 略歴
- 〈朝井まかて〉1959年大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。作家。「恋歌」で直木賞、「阿蘭陀西鶴」で織田作之助賞を受賞。
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書店員レビュー
明治とはどういう時代だったのか。そして明治天皇とは・・・
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
好奇心を刺激され、気概ある人々の生きざまに胸あつくなる。
朝井まかての『落陽』は明治神宮造営をめぐる物語であり、明治を生きた人々、そして明治天皇の物語だ。
明治天皇崩御後つくられた明治神宮。
90年前そこは荒れ地だった。
鎮守の杜の完成までは150年。それほどの歳月をかけつくり上げるのだと、未来を見すえて明治神宮造営にかかわった人々の熱意、エネルギーにはただただ圧倒されてしまう。
いまだ途上の姿だという鎮守の杜への興味も尽きない。
けれどなによりも惹きつけられるのは明治天皇その人。
作中で語られる明治天皇にまつわるエピソードはどれも印象的で、明治天皇ご本人はどういった方だったのだろうとぐいぐい物語にひきこまれてしまう。
一気読み必至の作品。
紙の本
明治神宮をつくった人の熱意
2016/11/22 23:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治神宮のある場所は荒れ地だった。それを150年かけてつくった人々の熱意が伝わる作品。明治天皇の人柄にも触れている。
紙の本
日本人にとって天皇とは何か
2016/08/18 10:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治、大正の新聞記者の目を通して、「日本人にとって天皇とはどういう存在なのか」を明治神宮造営という一大事業を通して描いた作品。
このような作品はあまりないので大変興味深く読んだ。
主人公の瀬尾の心が段々と明治天皇の真の気持ちに迫っていくところは、なかなかの読み応えがあると思う。そしてやっとわかった東京都心のあの代々木にあんな広大な森が今ある意味が。
紙の本
朝井まかての「坂の上の雲」
2017/02/11 08:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治神宮に参拝すると、その沿革を記した掲示がある。そこにはこの地が井伊家の下屋敷址ということが記されているが、じっくりと読む人はあまりいないのではないかと思う。
ましてや本殿を囲む森閑とした神宮の杜について、ここが大正期に造営されたと知る人も少ないのではないだろうか。
その事実を知ると、壮大な計画や造営に驚くばかりだ。
ではそれはどのように作られていったのか。
直木賞作家の朝井まかてさんはその過程を実に丹念に描いていく。
これは小説であるが、そこには多くの事実が描かれている。だから、巻末につけられた「参考文献」の数々を今回はじっくり見た。
それらの中から何を描き、何を省略し、何を描かなかったか。
明治神宮がどのようにして造営されていったという記録というより、その周辺で蠢く訳ありな新聞記者亮一を配することで、朝井さんは明治天皇という幕末から近代国家を成立させた帝の思いとその思いのもとに生きた明治の人たちの姿を描いていったと読める。
つまり、この作品は朝井さんの「坂の上の雲」ともいえる。
幕府の崩壊、明治という国家の誕生、日清・日露の戦争、それらを経て、日本は「帝の国」を作り上げた。
そのことを主人公の思いに託して、「明治という時代はやはり「奇跡」」であったと、朝井さんは書く。
明治神宮の造営はそういう「奇跡」が成し遂げたものだし、朝井さんがこの作品を書きあがたのもまた「奇跡」といえば大げさになるが、心のこもった一作になった。