「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
戦略的思考の虚妄 なぜ従属国家から抜け出せないのか (筑摩選書)
著者 東谷暁 (著)
いま注目の地政学も、あの戦略論も、デタラメばかり。ベストセラーとなった戦略論を俎上に載せ、その誤謬を明らかにする。その上で、アメリカ、中国、日本など主要国の戦略を概観し、...
戦略的思考の虚妄 なぜ従属国家から抜け出せないのか (筑摩選書)
戦略的思考の虚妄 ──なぜ従属国家から抜け出せないのか
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
いま注目の地政学も、あの戦略論も、デタラメばかり。ベストセラーとなった戦略論を俎上に載せ、その誤謬を明らかにする。その上で、アメリカ、中国、日本など主要国の戦略を概観し、戦略とは何かを指し示す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
東谷暁
- 略歴
- 〈東谷暁〉1953年山形県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。雑誌編集者を経てフリーのジャーナリスト。著書に「民営化という虚妄」「間違いだらけのTPP」「経済学者の栄光と敗北」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
数ある戦略論を切りまくるが自己矛盾も・・・
2017/02/19 17:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、地政学がブームだ、と著者は言う。これは1980年代の戦略論ブームのリバイバル(焼き直し)らしい。ブームは隆盛するがいずれ下火になる。地政学ブームもその轍を踏む可能性は高い。しかもあれほど戦略的な思考法がもてはやされながら、結局日本人に戦略的思考が定着していないのはなぜか。これが本書執筆の動機だそうだ。そこで過去に出版された数々の戦略論本、例えば岡崎久彦「戦略的思考とは何か」、野中郁次郎ほか「失敗の本質」、永井陽之助「現代と戦略」、マッキンダー「地政学」、ケーガン「ネオコンの論理」、ナイ「不滅の大国アメリカ」、桃井真「戦略なき国家は挫折する」等の書が俎上に乗り、切りまくられる。若干の歴史的事実誤認がちらほら見られるものの、大きな瑕疵というほどでもなく、その論評はほぼ的確である、というのが私の感想である。いずれの原著も未読だが、本書を読んでしまった後は、短い人生大きな労力をかけてこれらの本を自ら読む必要はない、との結論に達した。この意味で本書は大いに役立った。
利害衝突があるもの同士の間(個人間、組織間、2か国以上の国家間等を含む)で、各々の目的を達成しようとする時、争いが生じる。その争いの手段としては、広義の武力を用いるものもあれば、理性的な話し合いもありうる。過去百年の間に世界大戦と名付けられた悲惨な戦争を2回も繰り返し、その後も規模は変われども大小の戦争が絶え間なく続く現代にあり、一部の人類の中に人道的見地から戦争以外の民主的な方法で問題解決を図ろうという厭戦的な意識の萌芽もみられるのも事実。にもかかわらず、相変わらずホッブス流の国家観に縛られ、「武力的解決」が究極的な手段であることを肯定し、「戦略論」を語ることに何の後ろめたさもいらないし、安全保障の美名の下に却って戦争を常態化させているこの世をサバイバルすることは当然、というのが世の趨勢でもある。立派な保守論客と思われる本著者をして、今あるすべての戦略論にある欺瞞や虚妄や矛盾を突かしめているにも関わらず、である。
しかし、これだけ既存の世界中の戦略論を切りまくりながら、今の日本人に「戦略的な思考」が身についていないことについて著者はご不満のようで、そこは多くの読者が戸惑う点であろう。推測するに、戦略論を考える目的意識までは賛同できるが、結論の部分がいただけない、ということらしい。しかし既存理論にありがちな現状追認的なモデル思考であれば、そのモデルに想定していない事態が生じれば、如何に精緻に構築してもあっという間に陳腐化するのだ。優れて独創的かつ具体的な戦略、戦術、政治理論というのは、枠組みとしての戦略論や地政学からは生まれえないものであろう。その「キーワード」が万人の口に上るようになる頃には、戦略的価値の低下は必定である。そこに戦略的思考自体の限界があるのだが、その自己撞着には本著者は不思議なことに無関心である。
著者は、国際関係政治或いは軍事力学において、やはり先般流行の「オフショアバランシング」に戦略思考上の希望を抱いているようでもあるが、これすら同じ運命を辿らないとも限らない。翻ってみれば、核均衡論は既に破綻しているものの、核抑止力は未だに有効だ、と考えている人は多い。軍事ゲームに興じている人たち皆が、それを絶対的ルールと思い込んでいる間は有効であるのも確かなようだし、軍事のプロですらそれに基づいた戦略プランを立てるようだ。その「ためにする」戦略論の寿命は、結局ゲームプレイヤー全体に「共通ルール」としての幻想を与え続けられるかどうかに依存している、と見るのが妥当なようだ。
紙の本
わかりにくい
2016/11/15 00:01
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章が長く、全部読み通すのは骨が折れるだろう。地政学の誤りなどを指摘しており、その意味では面白い書籍である。