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商品説明
大学病院から、在宅で「最期」を迎える患者専門のクリニックへの“左遷”を命じられた水戸倫子。いくつもの死と、そこに秘められた“謎”を通して、人生の最後の日々を穏やかに送る手助けをする医療の大切さに気づき…。【「TRC MARC」の商品解説】
「死んでいく患者も、愛してあげてよ」
命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。
現代の終末期医療の在り方を問う、渾身の書き下ろし。
大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、静かな決断を下す――。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか……?
「サイレント・ブレス」とは
静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉です。多くの方の死を見届けてきた私は、患者や家族に寄り添う医療とは何か、自分が受けたい医療とはどんなものかを考え続けてきました。人生の最終末を大切にするための医療は、ひとりひとりのサイレント・ブレスを守る医療だと思うのです。 著者
6人の患者に秘められた、切なすぎる謎とは―—?
ブレス1 スピリチュアル・ペイン 知守綾子(45歳) 乳癌末期
延命治療を頑に拒否する綾子の元を頻繁に訪れる謎のスキンヘッドの男。家族が誰も知らないその男に綾子が託した思いが、彼女が死を迎えるとき明らかになる。
ブレス2 イノバン 天野保(22歳) 筋ジストロフィー
介護が必要な息子を置いて、母親は家を出てしまった。自分で介護のボランティアを募り、楽しく生活していた保だが、なぜ、最期の夜だけ誰も呼ばなかったのか?
ブレス3 エンバーミング 古賀芙美江(84歳) 老衰
一度は胃瘻を拒否し、穏やかな最期を選んだ芙美江だが、息子の懇願で翻意する。しかしその胃瘻がもとで苦しんで逝ってしまう。そして、彼女の遺体が消えたが、それは息子の企みだった。
ブレス4 ケシャンビョウ 高尾花子(推定10歳) 言語障害
高尾山に捨てられていた美少女・花子。土産物店の初老夫妻が面倒を見るが、一切、言葉を話さない。ある日、花子は突然卓上の料理を投げ捨て逃げ出し、妻はその後、急激に体調を崩し緊急搬送されてしまう。
ブレス5 ロングターム・サバイバー 権藤勲(72歳) 膵臓癌
消化器癌の権威・権藤教授が末期の膵臓癌に侵されたが、積極的な延命治療を拒絶した。そして、競馬場、巣鴨、動物園……と謎の外出を繰り返す。癌治療の名医が人生の最期に知りたかったこととは?
ブレス6 サイレント・ブレス 水戸慎一(78歳) 脳梗塞
倫子の父・慎一は、8年前に脳梗塞で寝たきりになり、今は一切意思の疎通が図れない。父はこの状況を望んでいたのか? 几帳面な父が、なぜ「遺志」を残していなかったのか疑問に思う倫子は、母の行動に疑いを持つ。【本の内容】
著者紹介
南 杏子
- 略歴
- 〈南杏子〉1961年徳島県生まれ。東海大学医学部卒業。終末期医療専門病院に内科医として勤務。
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紙の本
「死に方」を考える。
2017/01/09 19:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
在宅医療の現場から終末を考えさせられるお話でした。
死ぬ場所、死に方を選べるというのは、人間の尊厳みたいなものだな・・・と、感じました。
治療ができない医師の存在理由など、医療従事者の葛藤などもよく分かる。
看取る家族、看取られる患者の気持ちとかもね。
作者さん、お医者さんなんですね。難しい事は簡潔に、すごく分かりやすい本でした。けっこう泣けたぁ。
紙の本
ミステリー風味のまじめな話
2016/10/25 09:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケシの実 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の宿命の死とまじめに向き合うことは、いろんなアプローチがあることを教えてくれた。エンターテインンメントの要素をふんだんに盛り込んで、ほろっとさせるエピソードもあって、読み応えがありました。
電子書籍
ドクターが書いた終末医療の話。
2017/05/11 22:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑誌のインタビューで知ってから 読んでみたいと思っていた話。 現役の医師が書いた終末医療の話。 主人公は父親が脳梗塞で寝たきり状態にいる30代後半くらいの女性医師。 大学病院で頑張っていたのだけど 最初は本人は左遷された。。。という気になってみたいだけど 前任者の引退を受けて自宅療養の患者をみる その大学系列の診療所に移る。 だいたいはもうこれといって病院でできることはないと病院が判断したとか 本人が自宅で死にたいと 思ったとかそういう患者を診療する医師となったわけ。それでいくつかのエピソードがあって 最後は自分の父親とか母親との関係の話にも及ぶ。 明るい話題ではないけど なかなかいい小説だと思った。