- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/09/28
- 出版社: 亜紀書房
- サイズ:20cm/509,5p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7505-1442-0
紙の本
ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)
モンタナ州・ミズーラにある名門大学のアメフトチームが引き起こしたレイプ事件。被害者への誹謗中傷、理解のない警察、加害者の特権意識…。詳細なインタビューと取材から、レイプス...
ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)
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- 税込価格:43,670円(397pt)
- 発送可能日:1~3日
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商品説明
モンタナ州・ミズーラにある名門大学のアメフトチームが引き起こしたレイプ事件。被害者への誹謗中傷、理解のない警察、加害者の特権意識…。詳細なインタビューと取材から、レイプスキャンダルの真相と司法制度の矛盾を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
レイプ犯の8割以上が、顔見知りである。
モンタナ州第2の都市、ミズーラ。
この町のシンボルは、15,000人の学生が通い、800人以上の教員が勤めるモンタナ大学である。
同大学のアメフトチーム「グリズリーズ」は、市民たちの誇りでもあった。だが、2010年から2012年にかけてグリズリーズの選手たちが引き起こした複数のレイプ事件が明るみに出ると、静かな大学町の空気は一変する。
被害者への誹謗中傷、理解を示さない警察、事件を不起訴にする検察、加害者の特権意識、世間の偏見……なぜ加害者は町ぐるみで守られるのか。なぜ被害者たちが、捜査と裁判の過程でセカンドレイプに苦しまねばならないのか。
詳細なインタビューと丹念な取材を通して、レイプスキャンダルの真相と司法制度の矛盾に斬り込む、全米ベストセラーノンフィクション。【商品解説】
著者紹介
ジョン・クラカワー
- 略歴
- 〈ジョン・クラカワー〉1954年生まれ。ジャーナリスト、作家、登山家。著書に「荒野へ」「空へ」「信仰が人を殺すとき」など。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年11月号より
書標(ほんのしるべ)さん
米国では今、キャンパスレイプが社会的問題として取り上げられている。この書籍は、2010年から2012年に、北西部モンタナ州の大学都市ミズーラにて多発したレイプ事件を、詳細な取材を通して纏めた作品である。レイプは日常的にありふれた犯罪であるにも関わらず、実情があまり知られていない。8割以上が顔見知りの犯行であるという驚きの事実や、被害者が事件後にも受ける様々な苦痛、被害者への中傷的偏見、加害者の罪の意識の欠如、司法制度の矛盾など、数多くの問題点を浮き彫りにする。
紙の本
直視し取り組まねばならな問題
2023/05/28 14:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
つい欧米は進んでいる、それに引き換え日本では、としてしまいがちになるのだが、むしろおぞましい現実の共通点にともに向き合うべきだろう。性加害とそれが隠蔽されるメカニズムはどの国も似たようなものであり、だからこそこの問題を直視し取り組まねばならない。
紙の本
筋肉馬事は、本当に怖い
2022/12/06 09:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンタナ大学のアメリカンフットボール部の部員たちが起こした複数のレイプ事件を取材した作品、決定的な証拠(私が彼女をレイプしましたと警察官に告発したことが録音されている)がない限り、ほとんどのケースが無罪放免になっているという事実は重い、そこにはミズーラという町がアメフトで成り立っていて、住民が彼ら部員が「彼らがそんなこと(レイプ)するわけがない」と神格化されているということ、それに忖度した検察官が被害者が訴え出ても起訴しようとしないこと、地方検事は公選で選ばれるということ(つまり人気がないと勝てないということ)といった要因があると思われる。読書中は、「もっと被害者の気持ちにたってやれなかったのか」というやるせなさだけを感じていたのが、読後は、さすがに作者は被害者に心情が傾きすぎているのではとも感じている
紙の本
ハードカバー500ページ越えでも一気読み。
2020/05/31 03:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ、モンタナ州で第二の都市ミズーラにはモンタナ大学があり、そのアメフトチーム「グリズリーズ」(愛称グリズ)は市民の誇り。だが2010年から2012年にかけてグリズの選手たちが起こした複数の性暴力事件が明らかになった。
巻き起こったのは被害者への誹謗中傷。何故被害者は告発することをためらうのか、何故被害者はセカンドレイプに苦しめられなければならないのか、何故加害者は守られてしまうのか。
インタビューと取材を通して、著者はレイプ事件の真相と司法制度の矛盾に迫る。
いやー、つらい。
ノンフィクションだからこそ、物語的着地点がない。
罪に問える場合がある一方で無罪判決が出るものもあり、だとしても被害者の苦しみはなくならないわけで、ただただやりきれない。その事件の前に戻れないか、とひたすら思う。
「レイプ犯の、八割以上が顔見知りである。」と帯にあるように、本書で描かれている事件の被害者と加害者は顔見知りどころか家族ぐるみでの長い付き合いであったりもする。だから被害者側の衝撃は大きい、自分のよく知っているはずの人がそんなことをするなんて信じられない気持ちや信じたくない気持ちにも押しつぶされるから。
しかも加害者側は市民が応援するアメリカンフットボールチームのスター選手だったりするわけで、「チーム優勝のために有力選手が逮捕なんてとんでもない。そもそも彼らは普段からモテモテなんだから女性をレイプする必要なんかない。女に陥れられている!」とオヤジ概念に固まった方々から擁護されてしまうという・・・ある都市のある時期を切り取っただけだけど、それは全世界のこういう問題にそのまま置き換えられるわけで。
加害者側の言い分を聞きたいような、聞きたくないような。他者を尊重しない言動がいかにして培われたのか、迫るのは本書の趣旨とははずれる気がするが。『彼女は頭が悪いから』とセットにして考えたい。
日本でもここ最近だけでセクハラ → 性暴力の件がどれだけ騒がれたことか。
だいぶ変わっては来たけれど、それでもやはり被害者側が叩かれ、加害者側が責任を取らないことは多いので。
誹謗中傷は恐ろしい。何事においても「自分だったらそんなことはしない」 → 「そんなことをするやつがおかしい」という発想が「自分が正義」になってしまう危険、それが人を追い込むこともあると誰もが自覚しなければ。