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紙の本
今ひとたびの、和泉式部
著者 諸田玲子 (著)
【親鸞賞(第10回)】優れた歌人として、また藤原道長から「うかれ女」と呼ばれ、恋多き女として語られる和泉式部。しかし、そこには切ないわけが…。謎多き和泉式部の生涯を、新た...
今ひとたびの、和泉式部
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商品説明
【親鸞賞(第10回)】優れた歌人として、また藤原道長から「うかれ女」と呼ばれ、恋多き女として語られる和泉式部。しかし、そこには切ないわけが…。謎多き和泉式部の生涯を、新たな視点から描いた長篇歴史小説。『小説すばる』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
優れた歌人として、また藤原道長から「浮かれ女」と呼ばれ、恋多き女として語られる和泉式部。恋をしたのは次々と恋を失ったから、不運な出来事が続いたから……。和泉式部の実像に迫る、歴史小説。
【商品解説】
「わたくしは恋をしようと思います。たとえ浮かれ女と蔑まされようとも」
謎多き和泉式部の生涯を、新たな視点から描いた長編歴史小説!
恋愛遍歴を重ね、恋多き女と言われた和泉式部だが、それには切ないわけがあり……。
最初の夫との理不尽な別れと、幾人かとの恋愛。そして政の政略による二度目の結婚。謎に包まれた死――。
和泉式部の養父である大江匡衡と赤染衛門の娘・江侍従は式部に魅せられ、「和泉式部物語」からあえて省かれてしまった真実を探ろうと奔走し、そして辿りついた、恐ろしくも悲しいその生涯とは――。【本の内容】
著者紹介
諸田玲子
- 略歴
- 〈諸田玲子〉静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。ノベライズや翻訳を手がけた後、作家活動に入る。1996年「眩惑」でデビュー。「四十八人目の忠臣」で歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。
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紙の本
和泉式部と呼ばれた女。
2019/08/23 17:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
和泉式部の死後、縁者が彼の女を偲ぶ会を催す。
和泉式部の姪の語りと、和泉式部をリアルタイムで辿る語りが交互に記されていく。世慣れぬ若い女性が愛し合う男性との別れに泣き、世の無常にもてあそばれながらもしたたかさを身に付けながら生きていく。和歌を詠むのが唯一のよすがとなる。
和泉式部を巡る男性たちを成程そう持ってきたかと、感心。
これも一つの物語世界。
紙の本
冥府へと引きずり込む魔性の女。
2017/12/25 23:16
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
> 冥きより 冥き道にぞ 入りぬべき
> 遥かに照らせ 山の端の月
あまたの男をもてあそび、恋の歌で翻弄します。
贈答歌、返歌、相聞歌。
才能あふれる和歌を武器に、この小説にあるだけでも二人の夫と
四人の愛人を掴んだ恋多き女です。身分は決して高くないのに、
尋常ではないモテ具合です。
自分の身に不幸が起こるたびに嘆き悲しみ、その姿を見た男たちが
そっと寄り添うという、無限の恋ループに人生のすべてをささげた
和泉式部。
>あたしなんて あたしなんて
>あの人が去ってしまって
>もう誰もあたしのことなんか
冷静に考えると、どぐされビッチです。
一条天皇の妻となった彰子に仕えましたが、同じ立場にいた
紫式部がディスったのは周知の事実とのこと。
かたや夫に先立たれて隠遁生活に入り、妄想の恋におぼれて
源氏物語を記します。人気が出るのはお話ばかり、当の作者に
浮いた話がないとなれば水と油になるのは必然でしょう。
しかも和泉式部に関わった人たちは、高い確率で早死しています。
それでも誘い歌が毎日のように押し寄せるのです。
よほどの美人だったのでしょう。
早死の中には毒を盛られたっぽい人もいて、きな臭いのです。
妖艶で甘え上手、いつも瞳をうるうるさせている姿を想像して
しまいます。知りませんでした。
和泉式部はこんなにも危険な女だったのですね。
冒頭の代表歌が真実をうたっています。冥き道を行く女なのです。
惜しむらくは、この小説が短歌を引用しすぎていることと、
登場人物が多すぎるということです。
調べた生涯を全部書いてしまったのでしょう。とても理解しきれません。
消化不良になりますので、小説の出来はいまいちなのですが、
逆に題材の大きさと妖しい光を充分に感じることができました。
三分割ぐらいにして、それぞれ独立して完結した物語にできるくらい、
濃い生涯を送ったといえるでしょう。
書き直してくれたら、ぜひ読んでみたいです。
それくらい魅力を感じる題材でした。
紙の本
和泉式部を偲ぶ会
2017/05/07 19:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
式部亡き後、所縁のある人たちが集まって式部を偲び、どの恋が本当の恋だったのか談義します。
生前と今と時間が行きつ戻りつしながら権力に翻弄され悲しい別れをたくさん経験し素晴らしい和歌をたくさん残した恋多き女流歌人の生涯が描かれてます。
古典の教科書でも日本史の教科書でも必ず出てくる名前だけどよく知りませんよね。
こうして小説で読むと興味がわきます。
単に和泉式部のお話しかと思いきや、いつの間にかミステリーの要素が入って来ます。
諸田マジックって感じの終わり方。