紙の本
全然知らなかった
2018/05/28 11:29
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投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
俵屋宗達の名前は有名だが、どういった歴史があったのかまでは全く知りませんでした
まして角倉了以の息子と幼馴染でそのグループがやがて本阿光悦と出会って
共に歴史的遺産をのこすことになるなんて、すごく興味が湧き、面白かったです。
紙の本
円熟した後半生
2017/10/01 20:24
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宗達の後半生。人生の円熟期に入ります。お店を継ぎ、妻帯し、商売も広がります。
新たな人物の登場で様々な名画に触れ、新たなステージへと進みます。
泰平の世へ向かいながらも、日本経済の中心が京から離れる直前のバブル期を華麗に生き抜きます。
最後まで天才にありがちな欠けた人間性を持ちながらも、何とも魅力的で愛嬌のある人物で読者を魅了します。
紙の本
ついに風神雷神に
2020/03/23 22:57
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
醍醐寺の桜会から始まった宗達の物語は、
時を経て同じ舞台で幕を下ろします。
風神雷神に映された
宗達の天才ぶりと人間らしさに
引き込まれました。
紙の本
絵が見たい !!
2017/11/04 11:35
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投稿者:AKR1703 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸幕府の勢力が確立するなか、京の町にも変化が…。(この辺り作者が顔を出す、解説を加えるのが、気になった。同時代人の視点で描いてほしいと思う。)醍醐寺で始まり、醍醐寺で終わる構成、勢いのある文章で、長い作品も一気に読んだ。現代では美術品として鑑賞する屏風だが、本来の役割から考えると、あり得ない絵柄なのだと初めて知った。やはり図版をのせて欲しかった!
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図書館で借りたため、表紙の装画が見られなくて残念。
宗達の人生を描きながらも、邪魔にならないように、時代背景などを説明されており、読みやすい。
以前、若冲が題材になったのを読んだが、一介の絵師として名を残すには、本人の才能はもちろんだが、それを支える財力がないとならなかったのだなと思った。
俵屋宗達の絵が見たくなった。
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なるほどなあ……風神雷神は、宗達さんの自画像であると同時に、大恩人2人の肖像なのかもしれない。
激動の時代にもへこたれず、自らのセンスを貫き通した京の文化人たちのたくましさよ。まさに、風と雷鳴に乗って駆け抜けたというかね。
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絵師ものの本の中で、等伯が一番良かったが次に良かったと思える宗達本。結構宗達の一生を描いた本だが、あのジョーカーゲームの作者が結構上手くまとめて、書いている。
絵画のうまさ表現を文章で書いている。ああ、風神雷神が見たくなった! 来月京都を行きたくなった! 10/3〜29まで京都国立美術館で公開されている。
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★2017年9月23日読了『風神雷神 雷の章』柳広司著 評価A
後半の雷の章は、俵屋伊年(宗達)が、本阿弥光悦とは距離を置き、家業の扇屋に専念するところから始まる。そして、公家にもかかわらず、誰とでも話しができて、人間関係を作ってしまう異能の才人、烏丸光広が俵屋を訪ねてくる。彼は朝廷からみれば、裏切り者。徳川のイヌ、宮廷にあだなすぬえと呼ばれていた。なぜならば、彼は、将軍と天皇の間をとりもつ役割を担っているのだった。彼は、京都中の商人、寺社仏閣、もちろん宮中に人脈を持ち、その伝手をたどって、俵屋宗達を伴って相手を訪れ、その門外不出のお宝絵画を見せてもらい、模写もさせてもらう。あらゆる作品を目の当たりにして学び、模写する機会を宗達に与え、さらにはそれをきっかけに屏風絵などの注文を集めることとなる。とうとう、烏丸は後水尾天皇を説得して、絵師としては栄誉ある法橋(ほうきょう)という地位まで俵屋に与えることまで実行する。
話の中では俵屋の画家としての成長、烏丸のディレクターとしての不思議な才覚を中心に描かれる。それと対比して、禁中並公家諸法度の発布、天皇の専権事項であった紫衣着衣許可を取り消させた紫衣事件、春日の局が前例を無視して、天皇に拝謁した春日の局事件、島原の乱に端を発するキリシタン禁教問題から鎖国へ進む暗い徳川長期政権の地盤固めの時代背景も描かれる。
しかし、何と言っても、良いのは最後に描かれる風神雷神図をめぐる俵屋宗達と彼を取り巻く女たちの絵に対する感想が微笑ましい。最後も彼らしく明るく終わっているところが特に良い。それは読んでのお楽しみ。
私は、文中に出てくる宗達の作品をインターネットでググって確認しておくこととしよう。
養源院の唐獅子図・白象図、相国寺の蔦の細道図屏風、国宝・関屋澪標図屏風、重要文化財・舞楽図屏風、国宝・風神雷神図屏風
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本阿弥光悦との別れを直感的に選ぶところからの下巻。烏丸光広という公家との出会いから過去の名作を模写するというチャンスを得て、それがまた新しい表現のベースになるという様が加速度的に描かれます。養源院の唐獅子図・白象図、蔦の細道図屏風、関谷澪漂図屏風、舞楽図屏風、宗達芸術の進化が物語を駆動します。そして、風神雷神図屏風へ。小説の中の補助線も最終的に絡み合ってクライマックス。その大団円感が整い過ぎて、逆にあっさり終わっちゃたな、もっと風神雷神という後からの芸術家に影響を与えた作品の物語化がズシンと来るといいな、と勝手な感想。下巻では公家と武家、京都と江戸、俵屋宗達と狩野派という対比構造が物語の骨格を作っていて芸術が時代にシンクロし、そして時代をつくる政治にコントロールされることを描いていますが、逆に主人公のそういうことに全く無関係であることが彼をアート天使にしているのだと思いました。この無邪気さは作品の無邪気さから思い至った作者の創作なのでしょう。ところで個人の無心芸術、宗達と集団の野望芸術、狩野派は本当に絵屋と絵師ということで棲み分けられていたのだろうか、と疑問を持ちました。と、いうのはちょっと前のEテレの日曜美術館で狩野元信率いる狩野派は扇のデザインにも手を広げて顧客を増やしていた、との放送があったから…法橋宗達ってカチンとこないのかな?
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図書館に予約したら、なぜか先に雷の章が手許に届き、読んでみたら後半部分でしたが支障無く読めました。作品を作成する宗達や取り巻く人々の様子が興味深かったです。ネットで物語に出てくる屏風図を検索しながら読み進めました。俵屋宗達が身近に感じました。どんな天才も山あり谷あり迷いの人生なんだと思います。日本画、好きです。
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図書館で借りた本。風神雷神の雷の章になる。公家の烏丸光広との新たな出会いから公家・寺院からの屏風絵の注文も増える。宗達の結婚、養父の死など時は流れ、最後の風神雷神の屏風絵完成までの内容。江戸時代の絵師の派閥は狩野派・土佐派・長谷川一門と有名処がある中、どこにも属さない俵屋宗達の野心が無い愚直な人柄が最後に完成させたユーモラスな風神雷神屏風絵に表現されているんだろうなと思った。
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下巻。本阿弥光悦が京から去り、宗達は俵屋を継いで扇屋の主人として歩み始めたが、そこへ公家の烏丸光広が現れ、その人脈でまた新たにステップアップしてゆく後半生が描かれている。
宗達のセンスはもともと卓越したものがあったのだろうが、本阿弥光悦や烏丸光広のおかげで既存の作品から学ぶことができ、また彼らのディレクターとしての才能がなければここまで花開かなかったのだろう。芸術にはやはりパトロンが必要なのか。
絵の技法に関してや時代背景(確立してゆく江戸幕府と京の対立、鎖国の経緯など)も丁寧に説明されており、それも面白かった。
宗達の作品に関しては「風神雷神」しか知らなかったので、読了後に作中に登場した代表作をいくつかググってみたところ、想像以上にユーモラスなものもあって驚いた。養源院の白象図なんてよくこの時代に受け入れられたものだと思う。日本画面白いかも。
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法橋の位を与えられ禁中の名品を模写し、古今東西のあらゆる技法を学んだ宗達。盟友が次々に逝くなか、天皇までが惚れた天才絵師は、国宝・風神雷神図屛風で何を描いたのか。
俵屋宗達という天才の人物伝であるとともに、美術書でもあり歴史書でもあった。結末の寂しさも作品の魅力かもと思わせる。京都の醍醐寺に行ってみたくなった。ところで、どうでもいいことかもしれないが、上巻(風の章)の装丁が雷神、雷神図屏風の雷神、下巻(雷の章)の装丁が風神だったのはなぜだろう?
(B)
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扇だけではなく、屏風まで扱い、従来の六連一双のものだけではなく、二連のものまで作成し売り出した俵屋。
宗達は商売にも力を発揮していきます。
結婚して二人の子供を授かり、支店も増え、順風満帆。
その間、烏丸光広の手引きで養源院や相国寺の屏風を完成させ、その後、関屋澪標図屏風、舞楽図屏風、風神雷神図屏風を完成。
日本の絵画界に革命的な作品を残した俵屋宗達の、晩年から死までを描きます。
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烏丸光広と知り合ってさらに腕を磨き、最後死んで風神雷神の屏風絵をみつと冴と阿国の3人で眺めるという。ちょっとこの時代の日本のアート見たいと思わせられる。家康が江戸から動かなかったのは、臆病者が世界から離れたかったからという説は面白い。