紙の本
脳学者による脳のクセを知り、よりよく生きる方法を教えてくれます!
2018/12/14 15:33
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人間の脳がもつクセを理解して、そのクセを有効に使うことで生活をより豊かにしてはどうかという目的で編まれたものです。同書では、例えば、笑顔は非常に他者への印象をよいものにしてくれ、「楽しい」と感じている表現と思われていますが、実は、笑顔を作ると、脳が「楽しい」と感じるようになるという逆因果だというのです。こうした脳のクセを知ることで、私たちの生活はよりよいものに変わっていくかもしれません。
紙の本
毎日読みたくなります
2018/09/20 00:11
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投稿者:まあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつの区切りが数ページでできるので、寝る前に読んでも、毎日数ページからでも読むことができます。わかりやすい内容で、面白く、興味を持って読んでいます。
紙の本
脳の事は知りたいけれど、難しいものならば読まないと感じる読者にオススメ
2022/12/02 02:04
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投稿者:ぶたにく - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても分かりやすい文章で高度なお話をしています。脳科学、神経科学のお話から心理学、栄養という部分まで、人間の脳に密接した国内外論文を、どういう実験で(時には使用した図の例まで見せて)どういう人たちを対象にどういう結果が出たのか、端的にかつ易しく丁寧に書かれています。
とても分かりやすい文章で構成されている故に、読む手が止まらない本でした。脳の部位も挿し絵として描かれているので、「ここらへんにあるのか」と確認しながら読み進める事ができます。
知的好奇心から始まり今、脳について調べている方にとって、分厚い本だと感じ文庫化された故に文章メインで比較的に絵も少ない為に難解に思えてしまうと思いますが、ネットで脳について調べる事を少ししていて興味はあるが、論文を読み漁る程理解できるか不安な方に、とても最適な本だと思います。
紙の本
出典は良いですが。。。
2018/09/02 16:50
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投稿者:ひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
扱う内容や出典は良いものだと思いますが、著者のまとめ方がごちゃごちゃです。特に致命的なのは、タイトルに「行きつけの店にしか通わない理由」とあるのですが、「理由」ではなく、脳の仕組みの紹介でしかありません。どうして脳の仕組みが、行きつけの店にしか通わないようにするのか?という説明はされていません。勉強法についての記事になぜか「センスキャム」の広告があったりと、まとめ方が稚拙な印象を受けました。
話が脱線したり、内容が表面的で薄い印象を受けたので、ファスト&スローなど、行動経済学などの本を読んだことのある方にとっては、物足りないと思います。
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池谷裕二氏(1970年~)は、東大・大学院薬学系研究科教授で、『進化しすぎた脳』、『ココロの盲点』などのベストセラーほか、脳科学に関する一般向けの著作も多数発表している、現在最もポピュラーな脳研究者のひとり。
本書は、雑誌やネットに掲載した多数のエッセイを大幅に編集して26のテーマにまとめ、2012年に単行本で出版され、2013年に新書化、2018年に文庫化されたもの。
本書の特徴は、脳科学などの最新かつ幅広い知見を、多くの研究者の実験・研究結果を引用しつつ、専門外の一般読者にも、興味が持てるように、かつ理解しやすく紹介していることであろう。
著者が「小ネタ集」というように、◆手の人差し指が薬指より短い人は、生まれる前に浴びた男性ホルモンの量が多い、◆ヒトの認知傾向には右視野より左視野を重要視する「シェードネグレクト」という性質がある、◆コーヒー豆のような心地よい香りを嗅ぐと、相手に対して良い印象を抱いたり、手助けをしたいという心理になる、◆赤色は相手を精神的にひるませて相対的に優位に立てるため、スポーツでの勝機が高まる、◆ネアンデルタール人との混血が認められるのは白人と黄色人であり、「ヒト」として純血なのはアフリカ系黒人である、◆FOXP2という遺伝子のわずか2ヶ所の変異が、ヒトが言葉を操ることを可能にした、◆深い睡眠中にバラなどの香りを嗅がせて刺激を与えると、記憶が強化される、◆脳の右側の頭頂葉を刺激すると、心と体が分離して他人の視点から自分を観察している幽体離脱の現象が起きる、等々、面白い話のネタが随所に散りばめられている。
また、著者は冒頭で「私のアウトリーチ活動のテーマは一貫して、脳科学の視点から見て「よりよく生きるとは何か」を考えること」と述べているが、全体を通したメッセージとしては、①人間は、自分の脳から生じた自由意志によって行動していると考えているが、それは錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激や習慣に基づく反射によるのであり、より的確な反射を得るためには「良い経験をする(=よく生きる)」ことが大事である、②ヒトは大脳新皮質を発達させたことにより、他の動物にはない、身体感覚(情報の入力)と身体運動(情報の出力)を省略した脳内だけで完結させる情報ループ(所謂「考える」という行為)を可能にしたが、脳は元来は身体と共に機能するようにできており、今こそローマの詩人ユウェナリスの「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉に立ち返り、身体・運動の重要性を認識するべきである、と語っている。
池谷氏の脳に関する思いが、硬軟幅広い視点から網羅された良書と思う。
(2018年4月21日了)
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「へー!」っていいながら読みました。
読み物としても読みやすいです。文章も親しみやすく、短編といった感じですね。著者の人柄が出ていて、とても楽しく読みすすめることができました。
読みやすさも考えて作られた本だと思いました。
しばらく手元に置いて、各トピックについて考えてみたいと思います。
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池谷さんの本は、難しい話を簡単にわかりやすく説明してくれるので、読みやすい。
脳については、誰もが興味ある内容だと思うが、自分で文献を読むなんてとてもできないし、こんな風に書いてもらえると理解しやすい。
この本の中で一番印象に残ったのは、脳(大脳皮質)は身体を省略してしまうということ。
身体→脳→身体の流れだったものを、脳の中だけで完結できるようになってしまったこと。
でも、脳内を見ると身体からの入力がなくても、想像だけで、脳内の同じ場所が働いてるなんて!
あと、入力よりも出力を繰り返すほうが、成果・結果が出やすいとのこと。これは、経験的にわかるな。
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多数の研究結果から導いているので信頼性が高い。日頃の自分、生活を見直す契機になる。引用『「よく生きる」ことは「よい経験をする」ことだと考えています。すると「よい癖」が出ます。』2018.4.2
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脳の仕組みを知れば、ささいなイライラやストレスが減りそう。今、自分の脳のこの部分が働いてるからこんな気分なんだとか、脳にはこういう特性があるからそれをうまく利用してみようとか。うまく付き合っていきたいな。
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有酸素運動で集中力が高まる!
妬みや劣等感は、社会的感情と呼ばれるカテゴリーに属します。
他者との比較が「不安」の脳回路を活性化させる
他人の不幸を気持ちよく感じてしまう脳
シャーデンフロイデという言葉があります。他人の不幸を喜ぶ感情のことです。(略)シャーデンフロイデが紛れもなく脳回路に組み込まれた感情
(略)シャーデンフロイデは女性よりも男性に強いとされます。
嬉しい気分のときには、表層的な手がかりを頼りに、安易に状況を判断する傾向がある
男性は悪人の行った不正に対して強い制裁の気持ちが表れるのに対し、女性は、相手の善人悪人にかかわらず、罰を受けてつらい思いをしている人に感情移入する傾向が強い
脳には「所持効果」という奇妙な現象があります。一言でいえば「所有することにより、そのモノへのしゅかんてきな価値が決まる心理的傾向」です。
自己制御が困難になると、ヒトは意味や因果関係を倒錯的に知覚してしまいます。(略)動揺すると足元をすjくわれるーなぜか私たちの脳はそうプログラムされています。
私たちの脳はそもそも「ブランド」に反応するように作られている。脳がそうデザインされている以上、真正面から認めなければいけません。ヒトの性癖なのです。否定することは、ヒトそのものを否定することと同じです。
母親がよい経験をすると子どもの海馬に「遺伝」する
(略)染色体やDNAへの後天的な化学修飾は、精子ではリセットされるのですが、卵子では子孫に引き継がれる (ネズミの実験結果)
We shall never know all the good that a simple smile can do.
(マザー・テレサ)
笑顔は感染する
「怒れる拳、笑顔に当たらず」
笑顔はコミュニケーションにおける最強の武器
ミュンテ博士らは、笑顔に似た表情を作ると、ドーパミン系の神経活動が変化することを見いだしています。「ドーパミン」は脳の報酬系、つまり「快楽」に関係した神経伝達物質であることを考えると、楽しいから笑顔を作るというより、笑顔を作ると楽しくなるという逆因果が、私たちの脳になることがわかります。
笑顔は楽しいものを見いだす能力を高めてくれる
さりげなく相手の行動を真似すると、相手からの好感度が増すことが知られています
入力を繰り返すよりも、出力を繰り返す方が、脳回路への定着がよい
「参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できる」 入力よりも出力を
赤色や黄色などの長波長の光は「幸福感」と関連しています。幸福感は一種の充足感であり、充足感は学習欲を、ひいては認知機能を低下させます。
「人の老うるをおそれず、只心の老うるをおそれる」 中国の諺
「メタファー(喩え表現)」が会話の主導権を変える
自閉症や統合失調症、あるいはアルツハイマー認知症の初期症状では、メタファーが理解できず、言葉を額面通りに解釈する傾向が強まるため、日常会話に��障が生じます。
「メタファーを利用すれば受け手の脳を強く活性化できる」
(略)
表現技法のレパートリーを増やすことは、相手の心を揺るがすことにつながります。「受けて主導」という対人関係の大原則が逆転するかもしれないということに、私は強い魅力を感じます。
同じジョークを楽しんでいるように見えたとしても、そのヒトの性格によって脳の反応が異なっています。ジョークへの脳の反応が、性格診断に使えそうなくらいです。
ヒトは自分のことを自分では決して知りえない
80%以上はお決まりの習慣に従っている
「ヒトには変化や自発性への強い願望があるが、現実の生活は強い規則性に支配されている」
意識と無意識はしばしば乖離しています。そして、無意識の自分こそが真の姿です。
(略)
だからこそ私は、よい経験を積んで、よい「反射」をすることに専念する生き方を提案しているのです。これが脳を最大限に活用するための一番の近道なのだと確信しているからです。よい経験をしたら、あとは脳の自動的な反射に任せておくだけーこれほど前向きで、健全な生き方はほかにあるでしょうか。
就寝前は記憶のゴールデンアワー
睡眠中は記憶の整理と定着が交互に行われている
「心」は脳回路における身体性の省略
ヒトの脳は、身体の省略という美味しい「芸当」を覚えたがゆえに、身体性を軽視しがちです。身体を動かさずに、頭の中だけで済ませたほうが楽なのはよく理解できます。しかし脳は、元来は身体とともに機能するように生まれたものです。
精神と身体は切り離して考えることはできません。心は脳にあるのではありません。心は身体や環境に散在するのです。
身体運動を伴うとニューロンが10倍近く活動する
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なんだろ、これまで読んできた脳や身体に関する米国発の本と内容的にはかぶる部分が当然ながらあって、新鮮には感じなかった。
『進化しすぎた脳』を読んだときは、脳と身体の間の密接な関係に興味を掻き立てられたのだが、この本は、各種の論文で発表された内容に池谷氏が肉付けをしていく形で展開。
この本でも、脳と身体の関係性については論じられていて、この一点からみて、現在のAIに関する異常な期待値についての解があるように思える。強いAIの為には、身体(大量なセンサーや入力装置)が必要不可欠と言っても良いのかもしれない。
個人的は、この本は、読みやすくてさらっと読めてしまうが、ちとテーマが広がりすぎていて、もっとじっくりかみごたえがある仕上がりが好きかも。
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シャーデンフロイデ 他人の不幸を喜ぶ感情
左視野の大事!右側に気合い!
瞑想でガンマ波 集中力
良い経験を積んで、良い反射をすることに専念する生き方
脳を最大限に活用するための近道。
良い経験したら、あとは脳の自動的な反射に任せておくだけ。
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『脳には妙なクセがある』(著:池谷裕二)
付箋部分を抜粋します
・生きる意味を問うというヒトに固有な能力
泣いても悲しんでもヒトとして生きることが定められている命でしたら、せっかくなら楽しくごきげんに問い続けたい(p5)
・ブランド、オーラ、ムード、カリスマ そんな見えざる力に動いてしまうのがヒトの脳です(p101)
・一般に、自分の「行動」と「感情」が一致しないとき、この矛盾を無意識のうちに解決します。つまり、行動か感情のどちらかを
変更して、両者を一致させようと試みます。この二つでは、どちらが変えやすいでしょうか。言うまでもありません。
「感情」のほうです。「行動」は既成事実として厳として存在しています(p107)
・認知症とうつ病を見分けるヒントは、認知症は年単位でゆっくりと進行するのに対して、老人性うつは経過が早いことが
挙げられます。数ヶ月単位でボケが進行したり、性格が変化したりしたら、まずは老人性うつを疑ってみるのもよいかも
しれません(p226)
・無意識に形成された「わけがわからないけど」や「ただなんとなく」と感じる生理的な好悪傾向こそが、人格や性格の
圧倒的な部分を占めているだろうと想像しています(p240)
・「健全な精神は健康な胃腸に宿る」(p251)
・コミュニケーションの主導権は基本的に情報の受け手にあります(p279)
・ひらめきを「知的な推論」、直感を「動物的な勘」と説明しています(p292)
・どんなに不規則な生活パターンをしている人でさえ、80%を下回ることはありません。つまり、私たちの行動は
93%はおきまりの習慣に従っているというわけです(p301)
・意識と無意識はしばしば乖離しています。そんなときは、無意識の自分こそが真の姿であるというわけです(p310)
・自動判定装置が正しい反射をしてくれるか否かは、本人が過去にどれほどよい経験をしてきているかに依存しています(p311)
・ヒトという生き物は自分のことを自分では決して知りえない作りになっているようです(p322)」
・アイデアを要する仕事をこなすためには、十分な余裕を持って手をつける必要があるともいえます。たとえば書類。
「〆切が先だから」よ封も開けずに放置するのではなく、とりあえず一度目を通してから放置するほうが、思いつくチャンスが
高いと信じて、私は実行しています(p328)
・ヒトの脳は、身体の省略という美味しい「芸当」を覚えたがゆえに、身体性を軽視しがちです。身体を動かさずに、頭の中だけで
済ませたほうが楽なのはよく理解できます。しかし脳は、元来は身体とともに機能するように生まれたものです(p382)
・精神と身体は切り離して考えることはできません。心は脳になるのではありません。心は身体や環境に散在するのです(p384)
・ヒトの心がどれほど身体や環境に支配されているかに、私たちは普段、鈍感になりがちです。身体性の議論を抜きにして
人間の行動心理を語ることはむずかしいと私は考えます(p385)
・笑顔という表情の出力を通じて、その行動結果に見合った心理状態を脳が生み出すのです。やはり出力が先です(p386)
・「何事も始めた時点で、もう半分終わったようなもの」とはよく言ったものです。私たちの脳が「出力を重要視する」ように
設計されている以上、出力を心がけた生き方を、私は大切にしたいと思っています(p388)
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脳の癖を攻略すれば、いつまででも若く行動できそう。
頭が働かないのは、身体が衰えているから。これから筋トレしていこう。
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脳の特性について26のテーマに集約し、わかりやすい事例と論調を意識して書かれた文庫本です。
読みやすいのですぐに読めますが、実用的な脳科学というよりかはコラムよりでした。ただ、成功脳を作る方法などといったありふれた自己啓発書(⇔好きだけどw)とはぜんぜん違った切り口から脳科学を説いていたので真新しさがあって最後まで楽しく読むことが出来ました。
日常で感じているふとした反応の謎が解けたり、はたまた人種について衝撃てきな解説があったりと飽きないエッセンスがちょうどよく盛り込まれています。