史上最悪の英語政策 ウソだらけの「４技能」看板

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これから受験で英語を使う学生。僕のように大人で英語を真剣に学んでいる人間。英語を指導する立場の人間。これらに当てはまる人は一通り目を通しておく価値がある本。

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大学入試英語を民間移行し「4技能」化することへの警鐘。

上っ面の言葉に惑わされることなく、正しいリテラシーを身につけることの重要性が説かれる。


文科省管轄の悪しき教育政策には、いい加減辟易させられる。

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　2020年の「大学入試英語４技能化」に対する徹底的な批判。世間の英語学習に対する無知や誤解をそのまま文科省の偉い人たちも受け継ぎ、そこに「有識者」とされる安河内先生、松本茂先生が加わり、さらに楽天の三木谷社長も同調して、訳の分からない状態に突き進んでいく様子を描いた物語（実話）。言語習得や英語教育の専門家不在のまま強引に、見切り発車で進んでいく様子がよく分かって、恐ろしくなる。端的に言えば、「（１）受験生は無駄な出費を強いられ、格差も生まれます（２）試験は不適切です（３）「英語能力」は落ちます」(p.46)ということ。
　表紙にデカデカと「最悪」と書いてあるのも笑えるし、著者の書きっぷりが軽快で、ものの１時間ちょっとで読めてしまう本ではあるが、形式の軽快さとは裏腹に、というかそれだけに内容の暗さが助長される感じで、怖かった。ある有識者会議での一場面を紹介した部分。「なるほどぉ。指導要領というのはこういうときに役に立つのですね、という瞬間です。（中略）例の『英語の授業は英語』という部分を、文部科学省の圓入室長がうやうやしく持ち出して読み上げる、その瞬間の何と演劇的なことか。まるでドラマのようです。でも、肝心の『英語の授業は英語で』説には何の根拠もないから、誰もその理由は説明できない。」(p.84)とか、笑えるけど笑えない。
　と言っても、現場の教員としては右往左往させられるばっかりで、むしろこの流れが止められない以上、どう折り合いをつけて授業していくのかということを考えている。私塾の先生じゃないし、教えたいことだけ教えたいように教えたい生徒にだけ教えるということなんか出来ないことくらいは分かっているので、もう４技能化云々で議論している場合でもなく、ただただ目の前の生徒の「英語能力」を上げるということを考えるだけなのだけれども。
　ただこうやってメディアで騒がれ、クラスに１人くらいは保護者がやたら深刻な顔で「全部何から何まで英語で授業をやっている〇〇という学校の生徒たちはセンター試験でも結果を出しているそうで…」なんて言ってくるので、本当やれやれと思う。「『４技能』にはとりたてた実態などないのです。『４技能』は巨大なブラックホール。英語教育をめぐる日本人のコンプレックスと不安を最大限に利用し、英語バブルをあおろうとする方々の思惑の産物にすぎません。」(p.107)というのが言い得て妙だ。そして「４技能ビジネス」という言葉があるように、実際に単にスピーキングを導入、外部試験を活用、業者が儲かる、という構図が見えるとほんとなんだかなあと思ってしまう。浅田真央の某英会話学校のCMで「CLIL?」とかやってるのを見ると、違和感とか嫌悪感とかを通り越して何かのコントを見ているようで、むしろ何回も見てやりたいCMだ。（特に４技能化の話だけでなく、例えばポートフォリオでの評価の導入、なんてベネッセとかとの癒着でしょ、と誰しもが思うように。）
　あと直接は関係ないが面白かった部分は、TOEICの話で「TOEIC対策本の著者の中でももっとも有名な方の一人に関西学院大学の塚田幸光さんがいます」(p.67)ということで、この塚田先生という人をおれは知らなかったが、塚田先生の「TOEIC���策」というのがとても面白かった。そして最後に「ちなみに塚田さんは関西学院大学で教えているアメリカ文学の研究者です。」(p.72)という部分で驚く。「文学研究者は文章を徹底的に読みこみ、分析し、その仕掛けをあばいたり、パターンを見抜いたりする練習を積み重ねた文章読みのプロです。そうしたプロの目からすれば、TOEICの問題文程度の英語の構造や、その出題パターンなどはいともたやすく見抜くことができます。」(同）という部分で納得した。
　あとそれからマーク・ピーターセンの『日本人の英語』について、「高学歴者ほど、『オレの英語はちょっとしたものだと思っていたけど、ああ、まだまだだなぁ。さすがピーターセン先生』と思う仕組みがこの本には備わっているのです。私たちは『ああ、あたしはまだまだだなあ』と思うのがとても好きです。そして、そう思う人ほど、勉強する」(pp.88-9)のあたりが、別におれは高学歴ではないけどまさにその通りで、おれのレビューなんか、「オレまだまだコメント」のオンパレードだ。そうそう、オレ好きなんです、とか思った。
　あとはとにかく安河内先生と松本先生への批判がすごい。安河内先生のYoutubeの「英語が得意になる３つの教え」なんて見てみたが、痛々しい。安河内先生には「是非、どんどんカリスマ化していただければいい。」(p.111)と著者は述べるが、もはやこれがカリスマなのかどうかもよく分からない。松本先生なんか、一応学者の身として、これだけ批判されたら反論しないと致命的だろと思ってしまう。むしろ松本先生が専門にする「コミュニケーション論」という学問自体への懐疑も深まり、他の研究者にも迷惑がかかるんじゃないのか、とか思ってしまった。
　という訳で、英語教育に関心のある人は、時事的なことを知るのに役立つ本。ただ、批判して嘆いて終わるのでなく、そうなった以上は腹をくくって、どう日々の授業をして、生徒の英語力を伸ばそうとするのか、を考えることの方が、今のおれにはやっぱり重要だなあと思った。（18/01/28）

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英語「改革」について真っ向から否定している。
推進派の安河内哲也さんと松本茂さんの反論を聞きたいですね。

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進めらるている英語４技能誠作を真っ向から否定した本。個人的にも試験の外部委託の良し悪しや運営は気になっているところ。

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英語会話の推進および民間業者テストの導入での、それぞれの推進者の意見について反論しているところが、他の本にはない特徴である。

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前提としてる話が、そうじゃないよね？ということが多く、論理性の成り立っていない文章が多い。煽って煽ってプロパガンダ的要素のある内容。ちゃんと主張を展開するなら、データが必要なのに、一切ない。揚げ足を取った形の悪口に終始していて残念な内容。

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ネットで見かけて気になって、表紙の画像をスクショしてたもの。やっと手に入れて読みました。
私が学校で英語習ってた時はどんなことやったかな…と思い出しつつ、今このような問題があったのかぁと少し驚き。英語教育に携わってるわけではないけど、今後どうなってしまうのか気になります。

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スピーキング力ってそもそもどうやって測るのか

業者が儲かるのも納得
群がるのも当たり前だろう

聞けないと話せないのも同意