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山本周五郎名品館 2 裏の木戸はあいている (文春文庫)
膨大な山本周五郎の作品群から、名品を選びに選んだ短編傑作選第2弾。大火で焼けた家を自力で再建し、孤児たちを引き取り奮闘する大工と娘を描く「ちいさこべ」のほか、「榎物語」「...
山本周五郎名品館 2 裏の木戸はあいている (文春文庫)
裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II
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商品説明
膨大な山本周五郎の作品群から、名品を選びに選んだ短編傑作選第2弾。大火で焼けた家を自力で再建し、孤児たちを引き取り奮闘する大工と娘を描く「ちいさこべ」のほか、「榎物語」「橋の下」など全9編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
生涯、膨大な数の短編を遺した山本周五郎。
没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、選びに選ばれた名品。短編選集決定版の第二巻(全四巻)
大火で焼けた家を自力で再建し、孤児を引き取り奮闘する大工と健気な少女を描く「ちいさこべ」。
将来を誓った男をひたすら待ち続ける女が迎える、無残だがどこか美しい結末「榎物語」。
生きるために暗愚を装い続けた若殿の悲劇「若き日の摂津守」。
ほか、「法師川八景」、「よじょう」、「裏の木戸はあいている」、「こんち午の日」、「橋の下」、「ひとでなし」など、全九篇を収録。
巻末に沢木耕太郎氏による解説エッセイ「彼らを輝かせるもの」を掲載。【商品解説】
膨大な山本周五郎の短編群から選びに選ばれた名品——「ちいさこべ」「法師川八景」「榎物語」「こんち午の日」「橋の下」等9編。【本の内容】
収録作品一覧
ちいさこべ | 7−76 | |
---|---|---|
法師川八景 | 77−116 | |
よじょう | 117−170 |
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この巻もまたいい短編ぞろい
2018/08/16 15:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクション作家沢木耕太郎さんによる山本周五郎の短編選集の、文春文庫オリジナルの2巻め。(全部で4巻になります)
この巻の巻末に収められた沢木さんの「解説エッセイ」で、沢木さんは自身と山本周五郎の縁について書いていて、それは沢木さんが30代になったばかりの頃、新潮社から出た全集の山本周五郎の巻に「解説」を書いたという。
当時沢木さんは新進気鋭の書き手ではあったが、解説に沢木さんをあてた選抜はかなり勇気がいったのではないだろうか、それにしても当時の新潮社の編集者は先見の明があったといえる。
それからたくさんの水が橋の下を流れ、沢木さんはこうして山本の幾多の短編小説から名品といわれる作品を選んでくれているのだから、読者にとってありがたいかぎりだ。
この2巻めでは、掲載順に「ちいさこべ」「法師川八景」「よじょう」「榎物語」「裏の木戸はあいている」「こんち午の日」「橋の下」「若き日の摂津守」の9篇の短編が収められている。
よく知られた作品としては「ちいさこべ」や「よじょう」、表題となった「裏の木戸はあいている」があるが、沢木さんはこれらの9つの短編が「意地を貫いた」作品群として括られるのではないかとまとめたようだ。
もちろん、男女の愛の機微として「法師川八景」や「榎物語」などは読むことができるし、「よじょう」はよく言われているように作品の完成度がとても高い。
私はこの巻の中では「法師川八景」が好きだ。突然の男の死で婚家にも入れず、幼児を抱え生きていくことを決意した女、そして彼女を密かに支えるかつての婚約者。
仕合せの予感を残して作品が終わるところがいい。