紙の本
シュリンク
2018/12/19 23:01
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少社会というものをテーマにした本が最近、増えつつあると思います。
本書もその一つ。様々な著者による論説集です。小田嶋隆さんのパートなど面白く読みました。
ちなみに、構成は次のとおり。
-序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測(内田樹)
-ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略(池田清彦)
-頭脳資本主義の到来 - AI時代における少子化よりも深刻な問題(井上智洋)
-日本の“人口減少”の実相と、その先の希望 - シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する(藻谷浩介)
-人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美)
-縮小社会は楽しくなんかない(ブレイディみかこ)
-武士よさらば - あったかくてぐちゃぐちゃと、街をイジル(隈 研吾)
-若い女性に好まれない自治体は滅びる -「文化による社会包摂」のすすめ(平田オリザ)
-都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する(高橋博之)
-少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」(小田嶋 隆)
-「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン(姜尚中)
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【日本の叡智を結集した、目からウロコの処方箋】21世紀末、日本の人口は約半数に――。人類史上かつてない急激な人口減少を迎える先進国・日本の苦悩に挑む11人の論考集。
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池内了の記事がいちばんストンと落ちた。高齢化は、いずれそれらの人々が他界する中で落ち着いてき、いずれは日本人全体が縮小する中で人口ピラミッドはいまほどいびつではなくなる。問題は高齢化ではなく少子化だという。そこまでも射程に入れた議論が大切とのこと。
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<目次>
序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測
第1章 ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略
第2章 頭脳資本主義の到来~AIじだいにおける少子化よりも深刻な問題
第3章 日本の”人口減少”の実相と、その先の希望~シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する
第4章 人口減少がもたらすモラル大転換の時代
第5章 縮小社会は楽しくなんかない
第6章 武士よさらば~あったかくてぐちゃぐちゃに、街をいじる
第7章 若い女性に好まれない自治体は滅びる~「文化による社会包摂」のすすめ
第8章 都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する
第9章 少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」
第10章 「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン
<内容>
人口減少の社会をどう生きていくのか?欧米はどこもそういう流れが訪れている(東アジアでは韓国も)。それは悲惨なことなのではなく、人類の必然であり、それに対処することが必要。それは「拡大志向」や「経営者目線」ではなく、地域に根付き、自分の身の程だけ稼ぎ、楽しく生きていくことが必要なようだ。日本社会が栄えたのは、戦後のしばらくだけなのだから(それもアメリカの保護のもとで)、その夢はもう忘れる必要があることを教えてくれる本。
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日本の将来として、人口が減少する社会が
どのようなことになるのか?
どうすればいいのか?
どうとらえればいいのかについて
11名の提言。
それぞれ賛同できるもの、くびをかしげるものが
ありましたが。総じて面白く読みました。
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人口減少することはわかってる。でもその対策が子供を作る環境っていうのも芸がない。
むしろ何かを手放し諦めるべきなんだろうと思う
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現実に起こっていることを、正しく把握することは難しい。
人口減少は、今の日本で確かに起こっています。
しかし、自分達はまるで台風の目にいるかのように感じます。
実際、中心以外の外は、凄まじい混乱と今までと違う異質な問題が、
火山が噴火したかのように、日本のあちこちで発生しています。
現に、今日も、どこかで起こっている、もしくは、起こり続けている重大な問題は、
もしかしたら人口減少によるものかもしれません。
しかし、○○なのは、○○だと考えること自体が、
人口減少を考える上で大きな障壁かもしれません。
以前とは、違う質の問題が、今、日本で確実に起こっていることは、
少なくない人が感じているはずです。
いったい、何が起こっているんだ?
以前とは違う、何かおかしいと?
しかし、問題の中心にいる私たちには、いったい何が一体起こっているのか、
また、起こるであろうか、よくわかっていません。
私たちは、問題に対して、知っていることや、わかることしか、認識できず、
そして、対応できないからです。
この著作では、人口減少社会をキーワードに、日本を代表する識者が、
学際的見方、俯瞰的見方、経済的見方、統計的見方、文化人類学的見方、
生物学的見方、ポスト近代的見方、国際比較的見方、建築都市的見方など、
様々な見地から、この人類があまり経験したことのないこれからの社会を考察していっています。
今まで、ありそうでなかった著作です。
問題は、基本はないことになっている国、日本、
そして、問題が発生・発覚したら、対応するのに莫大な時間がかかる国、日本
問題が起こる前に、防止策をこうじたり、変化をする動きが全くない国、日本
現状では、人口減少の問題に関して、
今残されている貴重な資源、人、モノ、金を有効利用するという動きや、
また、優先順位をつけて、問題を解決していこうという社会的雰囲気もなく、
ただただ、「こんな社会に誰がした!その敵を見つける」ことに、
多大なる資源を投入していっています。
これからも、この行為が日本の「問題解決」の王道として、破滅するまで、行われるはずです。
日本は、もう政治的には国際的に没落しています。
また、この20年で経済的にも没落していっています。
多くの人は、その原因を社会の誰かやシステムに求めますが、
それは、あまりにも幼稚なやり方です。
答えがない問題に対して、誰も動こうとしないのは、今の社会の病気です。
また、動いたとしても、その理由は、全て自己利益になるかどうかになっています。
いくら嘆いても、批判しても、怒っても、現実は全く変わりません。
また、行動を起こしても、私たちは、もはや、自己利益を感じことができないと、
物事を続けられなくなっています。
畢竟、日本は、これから、ほぼ確実に、この30年と同様に、
衰退、没落していきます。
残念ながら、今現在、すがるものが、多くの日本人には、ありません。
今も進行している社会変化に対して、
多くの人は、不安と怒りしかありません。
どこまで衰退するかわかりませんが、その衰退をどう受け止めるのかは、
個人、個人の、これからの生き方に強く反映されると思います。
もし、国、企業、組織に対して、これまで同様に期待と安定を求めるなら、
恐らくは、手痛いしっぺ返しをうけるかもしれません。
また、それらを自己利益のためだけに利用しても、同じことになるかもしれません。
日本は、今もなお、経済成長を追い求めています。
企業でいうならば、企業利益の増大、
個人でいうならば、賃金の増加です。
ただ、この数十年の日本を見ても、全体として、
それらが、実現できていないことは明白です。
経済成長の因子は無数にあります。
その中で労働者数(正確には労働生産人口)と
その増加率は一国の経済成長を決める上できわめて強く影響します。
日本は今も毎年80万人ほど労働者の数が減少しています。
この数は愛知県の人口に匹敵しています。
日本は経済成長を決定する上での絶対数のプレイヤーが、
この先半世紀に渡り減り続けていきます。
日本は戦後40年で4000万人生産性人口が増えましたが、
今後、日本は3000万に減ります。
その状況下で、生産性向上に期待する動きがあります。
しかし、この20年、私が知る限り日本企業は、
労働者の生産性を上昇させるために、
多くの改革を国や企業は率先して、労働者に対して行ってきました。
海外のマネジメントも多く取り入れました。
人事制度も大幅に、生産性が向上するように変更されました。
また、容赦ないリストラを行い、正規・非正規社員と分けたり、
制度的にも、労働者に対して発破を与え続けてきました。
結果は、残念ながら、先進国で最も低い生産性の成長となっています。
AI等の先端技術に生産性向上を期待する動きがありますが、
IT技術も他の先進国と比べて、現在の労働生産性向上には寄与されていません。
いまだにFAXとメール、膨大な紙資料を使用している国は日本ぐらいでしょう。
またIT産業ひとつとっても、世界的な企業は、アメリカ、中国、韓国になっています。
20年前とフォーブスの世界500企業と今の企業を比べてみるとはっきりします。
ランクを維持している企業の方が圧倒的に少ないか、以前、更盛を極めていた企業がなくなっています。
日本は既に先進国の中で、「マイナス成長国」になっていると考えます。
マイナス成長国とは、経済成長に絡む付加価値の増大を行えば行うほど、
既存の制度・社会システムが機能不全に追われ、結果、経済が停滞する国のことをいいます。
言い換えれば、今までの価値観で、ことを進めると、
すべて、マイナスに寄与してしまう国になってしまっているということです。
これは、悲劇だろうと思います。
なぜなら、既存の多くの価値観で、付加価値の増大に励んだとしても、
もう二度と日本は豊かになれません。
多くの人は、もう知っているはずです。
「あんな���、働いたのに、なんで、豊かさや余裕を、あまり感じられないんだろうと」。
そんなことを思っても、頑張ろうとします。
しかし、その努力や頑張りが、さらなる悲劇を生みます。
また、経済成長を重視する価値観が、まだあるのなら、
そして、企業規模の拡大と利益の増大も同一の価値観として、
多くの日本人の行動様式に今もなお「当たり前なモノ」としてあるならば、
これから、多くの混乱をさらに引き起こし、
日本全体を今以上の閉塞感、混乱に陥るだろうと思います。
今も、そしてこの先も、国民に待っている事態は、
この20年(バブル崩壊後なら約30年)と比べて比較にならないほど、深刻・複雑化します。
当たり前だとされていたことが、当たり前ではなくなり、
また、当たり前として考えられ、良しとされていたことが、
全く通用しなくなるからです。
こういった状況化で、今更ながら、現実を受け入れ、自己利益と他者利益をバランスよく考えて、
それを超越するような、個人の行動や思考が求められています。
しかし、それが本当の意味で、それらが本格化するのは、まだまだ先になるでしょう。
その時までに、果たして、どれぐらいの犠牲が出ているのか、
今はまだ、全然わかりません。
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来るべき人口減少社会に向けて、各分野の識者が思うところを述べる本。
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首都圏一極集中化を是正し、地域に人口を分散する、という地方創生にからんだ話が多い。
そのほか、ざっと内容をかいつまんでみると、「低成長社会における持続可能な定常経済の確立」、「人工知能化に乗り遅れるな」、「結婚してから出産というモラルの転換による少子化対策」、「緊縮でなく新規まき直し政策の必要性」、「改修による建築での都市活性化」、「文化政策による地方再生」、「関係人口創出による地方再生」、「『力』に頼らない一国の頭脳としての外交政策=安全保障政策」など。
小田嶋隆の論考は、「人口減少の予測なんてあてにならん」と言っているところがスパイスとして効いていて良い。「経営者目線ですべて考え始めると人を人として扱わなくなるから危険だ」という内容。
ブレンディみかこの文章が抜群に読みやすくて論理的で好き。
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10年ぐらい前の本で、内田樹は人口減少いいじゃない、縮小社会バンザイ!と言っていて、何を今更の感がするこの本。
人口減少論じた本の後追いで、新鮮な論点はない。
平田オリザの若い女性に好かれない地方は滅びる論は、的を射ている。人選に問題があって、人口問題関係ない自分の専門分野について語っただけの、著名人の作文もある。内田さんと編集者、お友だち集めて原稿料あげたいだけでしょ。
人口減少で問題なのは社会福祉の削減。
少子化は1975年からすでにはじまっていた。つまりその頃、子どもの数を控えた現代の団塊の世代に責任があるが、その世代こそ年金を豊かに享受できている。就職氷河期の団塊ジュニアに貧困層が多く、年功序列が崩れて退職金も減らされている。さらに今の出産適齢期である20代、30代のみに結婚や出産を強いてももう遅いだろう。
公共サービスは縮小してもいいというが、自分たちの年金や医療費は減らしてもいいよ、と身銭を切って言おうとしない高齢者。それに不満を抱える若者たち。この構造は変わらないだろう。
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明治以降の日本の国家ヴィジョンの転換が求められている。どのような国にして行くのか。ヴィジョンなしには経済力も軍事力も機能しない。
地域コミュニティーの創生が新しい社会のベースとなる。
どうやら日本は、社会を1に近いところから作り変えるプロセスに入っているのではないか。
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5分くらいしか時間がないので、再読の助けとなるようメモだけ。
●序論文明史的スケールの問題を前にした未来予測(内田樹)
「後退戦」では、戦い方を根本的に変えなければなりません。
あるいは戦うことからも降りなければならないかも。
●ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略(池田清彦)
本書の中では最も興味深く、面白かったです。
ホモ・サピエンス史という大きな時間軸の中でとらえると、人口減少の見え方が違ってきます。
●頭脳資本主義の到来―AI時代における少子化よりも深刻な問題(井上智洋)
AIに代表される第4次産業革命に乗り遅れるな、と筆者。
「知力を軽視する国に未来はない」はその通りかと。
●日本の〝人口減少〟の実相と、その先の希望―シンプルな統計学数字により、「空気」の支配を脱する(藻谷浩介)
ご存知、「ミスター人口減少」(と呼ばれているかどうかは不明)
世に蔓延する人口減少の誤解を、統計を駆使して解いています。
●人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美)
法律婚でなく事実婚を認めている欧州諸国では出生率が改善しています。
日本はそれができるでしょうか。
●縮小社会は楽しくなんかない(ブレイディみかこ)
英国在住の筆者。
縮こまるのではなく、未来のために積極的に投資していこうという提言には一理。
●武士よさらば―あったかくてぐちゃぐちゃに、街をイジル(隈研吾)
建設業を武士になぞらえる視点は新鮮。
旧来の考え方から脱しないと。
●若い女性に好まれない自治体は滅びる―「文化による社会包摂」のすすめ(平田オリザ)
平田さんの同趣旨の本は以前に読んだ。
タイトルが全て、この国の首長の半分がこれを理解して施策を考えたら、日本は変わります。
●都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する(高橋博之)
生産者と消費者を結びつける情報誌を発行する筆者。
この「関係人口」をいかに増やすかがカギと提言。
●少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」(小田嶋隆)
当代きってのコラムニストが斬る人口減少問題。
笑って読ませます。
●「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン(姜尚中)
ちょっと何言ってるかよく分かりませんでした。
すみません。
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人口減少について真剣に考えて来なかったから、確実に迫りくる未来の恐怖を感じた。意見の中には様々あって、何が正解か分からないけど、それでも思考停止をせずに問題と向き合って、どういう日本の未来を創って行くのが良いか考えて行かなきゃなと思った。
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地方を廻ると人がいない事に焦る。人の気配が少なく、家はあるのにみんなどこにいるんだろうと思う。東京だけが都市ではないし、東京だけが正解ではない。
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一言に「少子高齢化」「人口減少」といっても様々な捉え方があるし、価値観も違えば評価も異なる。そのうえで満場一致の正解はないとしても、各界の見識者たちがそれぞれの視点と切り口でこの問題について分析し考察している内容はとても視野と見聞が拡がった。
自分の考えに近かったり、興味を持った著者の関連本を読んでみるとさらに面白くなりそう。
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個人的には池田清彦氏の生物学的見地からの分析と、井上智洋氏の経済学的見地(といってもこのままじゃ経済が行き詰るっていうのじゃもちろんなくて、AI社会が到来する中での社会分析)の2本が抜群に面白かったです。