紙の本
またー、おおげさじゃないのと読んでみたら確かにちょっとヤバいかも。
2018/11/30 21:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔ばなしにツッコむという発想がなかったです。
あらためて考えてみると、なるほどそれは言えるかもと思いました。
主張が明確なので興味深いですね。
読んでいるこちらも考えがいろいろとめぐります。
誰もが当たりまえと思っていたお話を取り上げているので
新鮮でした。
昔話のエッセンスを現代風の語り口調でまとめ、
持論を展開したりアレンジした二次創作をくっつけたりなど、
物語の個人レベルの楽しみ方を文章上で展開しています。
いくつか注文をつけたい部分もあります。
お布団シーンの描写が直接的な単語であるとか、
文章で冗長的な部分が目についたりする点です。
もう少しすっきりするとよかったと思いますが、
それはそれとして視点が面白いですからね。
総じて楽しいという雰囲気を味わいたい感じです。
かぐや姫。贈り物とヤバい女の子という章です。
求婚者になぜ無理難題をふっかけたのでしょうか。
いずれは月に帰る身だから?
おじいさん、おばあさんと暮らしたかったから?
この本は意外な切り口から攻めてきます。
プレゼントの指定があったということは、
達成できれば結婚できるという了解が成立しています。
しかし、結婚はついに一度も訪れませんでした。
求婚されれば見知らぬ人でも自分を差し出すという
女性の幸福のガイドラインに一石を投じたかったのかもと
まとめています。
いやいやいや、だって結婚すると困るからでしょう……と考えつつも、
本当に困るんだっけ、だって月の使者は最強じゃんと考え直すと
自分の足元がゆらぎはじめます。
誰と結婚しても、月に帰るのなら関係ないという
考え方もとれるはずです。
すると、モノ扱いされる女性という当時の一般常識から
脱却しようとする話?
ぐるぐると頭が回りますね。そんな章がいっぱいです。
考えるのって楽しいですし、昔話が題材だと共通の土俵に
立てるからなおさら乗っていきやすいです。
知らない話もちらほらあって、なんだか得をした気分になる
一冊でした。
紙の本
題材はいい
2018/10/07 14:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
このお話を書こうというのは、面白そうでよかったなと思いますが実際に読んでみると、なんだか、うーんって感じで記憶に残らない。
投稿元:
レビューを見る
古来より日本には怖い女子が多く存在した。
古くはイザナミの尊からして怖い。
他にも、好きな男に振られて鬼になる子、大蛇になる子、騙されて夜な夜な皿を数える子、楽しく付き合っていたのに超老化促進の煙が入った箱をプレゼントする子、馬と結婚する子、猿と結婚させられ猿を騙して殺してしまう子(しかも猿は騙されたとも知らず、辞世の句でその子を哀れむ歌を詠む)、結婚したいと群がる身分の高い男達に無理難題を吹っかけて帝まで翻弄させる子・・・
この本はそんな女子達を現代風のエッセンスを加え紹介している。
しかし、最も怖い話は牡丹灯篭のお露であろう。知らずに骸骨のお露と床を共にし、気付いてからは毎晩家中に御札を張り、お守りを身に着け、お経を唱えるも、下男を買収され御札とお守りを無効化された上、取り付かれて絶命させられる、美人と付き合うのも命がけだ。
投稿元:
レビューを見る
はらだ有彩さん(@hurry1116)『日本のヤバい女の子』
すごくよい本。かつてどこかにいたかもしれない昔話の女の子たち「母だし」「妻だし」「女だし」わたしの中にもいろんな内面化があることを彼女たちを通して教えてくれる。昔話で語られる女の子たちみんなにもそれぞれの性格があって人生がある。
はらださんの優しく豊かな想像力で、こんな生き方があったっていい、誰かが決めた物語とはパラレルにあなただけの物語も存在していて、息はきっとできるはず、自分に押し付けられた物語から自由になることへの自由がある。想像力と人への優しさがあれば、いつかは、違う生き物にもなれるかもしれない。
もっと早くに出会いたかった本だった。10代の、まだ心がもにゃもにゃ未分化だった時に読みたかった。こんな本にこれからもたくさん出会っていきたいと思った。途中何度も涙が滲んで大変だった。昔話の女の子たちに寄り添うエッセイだったけど、今を生きるわたしたちにもやさしい、宝物にしたい本。
これからも、何度も本棚から出してはしみじみ読み返すと思う。わたしはイザナミと有明の別れが特に好きだった。名前のないつながり、一言には説明できないようなつながりの奥で、今再会したところで話すことが何もなくても、ただ「好き」だよと、ずっと覚えていたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
古典、むかし話の女の子たちのことを考えてみる…
現代の社会通念で考えると当たり前のツッコミから、
まだまだ今でもバイアスかかってるよね?ってことをあきらかにしているものまで、すっと切り込まれてる。
投稿元:
レビューを見る
思わせぶりな態度して期待させるだけさせておいてその後何もないの!?私のこの気持ちどうしてくれるの!?取り殺してやる!っていう心境のことを道成寺って私は呼んでる(変身とヤバい女の子)
投稿元:
レビューを見る
なんかあんまり共感できなかった。
「うんうん、そうだね」ってもっと思うことが書いてあるかと思ったんだけど、私とは違う考えの人だった。
投稿元:
レビューを見る
昔話やお伽話に出てくる女の子たちが「如何にヤバいか」を紹介し解説する本書。
何より自分が無批判に昔話の展開や物語を受け入れていたかに気付かされたのが大きい。理不尽と思ってもお話だから、と思ってたが、イジればこんなに面白いだなんて!
軽妙な筆致で昔話を噛み砕いていて分かりやすいのも良い。ただ、各章(各昔話)の説明の構成を勝手に分割した時、「紹介」「解説」「新解釈」までは面白いのだが、「発展」させた話が、個人的には、ちょっと飛躍させすぎだったり脱線にも感じて、言葉が合わなかった感。
投稿元:
レビューを見る
20人の歴史や伝承,物語上の女性たち.書かれていることを,ちょっと待ってと疑問を投げかけ,男社会で都合よく変えられたのではないかと疑い考察する.その現代風の解釈が絵も含めて非常に楽しい.
投稿元:
レビューを見る
へぇ〜こんな話があるのか〜と初めて知る物も多かった反面、作者の違和感ポイントへの考察にはあまり共感できなかった。
ただ、作者の違和感ポイントに対して、自分はどう思うかと考えながら読むと面白い。
投稿元:
レビューを見る
どうしたらこんな切り口で古文を読めるんだろう?
学生時代、いや幼少期から読み聞かされていた竹取物語を、これは現代でいうとこういう物語、はい終わり、で終わらせる本じゃない。
その物語の真実って、実は違うんじゃないか、もしかしたら登場人物はこうしたかったのではないか、と考えられる作家さんの想像力にワクワクしたし、勘違いされちゃうことあるよね、それな〜、みたいなフランクな文章も読み易く感じました。
普段あまり本を読まない私。一話一話が短く、関連性を気にしなくても読めるので、空いた時間でサクッと適当に選んだ一話を読めるのも良かったです。
表紙、挿絵も作家さんご自身が描かれているようで、絵も文章の雰囲気と合っていて好きでした。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
時代を超えた想像力が詰まっている本。
女性の主体性に関するCase studies
物語のなかで、描かれるストーリに対する女性たちの抵抗みたいなものを読んでいく視点がとても興味深い。
投稿元:
レビューを見る
東京医大の女性差別が取りざたされて、今までのあれもこれも、全部女性差別だったかもしれない、と自分の過去をラベリングしはじめて苦しくなってきた。ネットで何度かコラムを読んでいたんだけど、また話題になってるし、表紙の赤箔が可愛いし、手元に置いておきたいというきもちもあって購入。なんかネットで読んでた3倍くらいよかった。あとがきなどを見ると、けっこう加筆されてるみたいで、おそらく各ページの最後の呼びかけの部分だと思うんだけど、これがもう絶妙なさじ加減の優しさで、最高だった。最高ですはりーさん。突き放すでもなく、甘やかすでもない。こういう友達がいてくれたら、きっとヤバイ女の子達は一晩中でもおしゃべりできたろうなあ、そうしたらオバケになんかならなくて済んだかも、と思ってしまう。し、そこに私もなんだか救われるのだった。イラストも、ネットで見るより紙で見る方がいいなあ。余白がきれい。おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
読了。一気に読んだ。昔、ハンサムウーマンという漫画を読んだことを思い出す。女の人なのに、カッコいい。綺麗とか、かわいいでなく、カッコいい。最近そのような女性が増えてきたと思っていたが、まだまだ大変そうである。娘はハンサムウーマンになって欲しいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
昔話の女の子たちをもっと身近に親身に読み解いてみるっていう新感覚エッセイ。虫愛づる姫はただ単に虫が好きな子だし、飯食わぬ嫁に出てくる旦那はクソで、乙姫が浦島太郎と別れたときの台詞はきっとほんの少しの意地悪だった。特に最後の「有明の女御」についてが好き。理不尽な目にあったり理不尽なこともしたり都合よく消費されたりするが、彼女たちにも理由があって、血が通ってて、感情がある、なんかフツーに生きてるひとっていうのを感じるエッセイだった。