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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳科学者である筆者が不倫がなくならない理由について、詳しく説明してくれている本である。確かに不倫なんてものは、面倒な事だと思うのに、こんなに不倫カップルが存在するという事は、どうしてだろうと思っていた。それをこの本はある程度、納得させてくれた。
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投稿者:北の熊さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は矛盾に満ちた存在。個人の自由と社会の存続という難題にこれからも取り組んでいかなければならないのかと感じた。
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今回も大変身も蓋もないお話を拝読。
著者がいかに普段から世の中の事件を脳の働きの結果と見て、リバースエンジニアリングしているのだなーと思えた。普段からエッセイでそんなことを書いて欲しいもんです。どっかでやってる?
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芸能ニュースでもしょっちゅう不倫報道がされていますが、そもそも不倫って絶対バレないことなんてほぼありえないし(恋に浮かれた人たちは脇が甘くなるからどこかで必ずボロをだす。そのため不倫や浮気は大体バレる、と私は思う)、バレた時のバッシングはひどく社会的地位は失墜するし、慰謝料なんて請求されたら経済的にも大打撃。そんなハイリスクなことをなんでやってしまうのか?ものすごく謎でした。
私はこの本を読むまではっきりいって「不倫するヤツは先の見通しが立てられない低脳がするもの」とまで思っていました。
でもそうではないようです。
「人類の5割が不倫の遺伝子を持っている」と本書には書かれていました。
そんなにおるん?と驚きでした。
でもよく考えたら長い歴史の中、合法的な不倫?側室をおくとか第◎夫人とかっていうのはけっこうあったし、日本の平安時代なんて、帝の女以外はHぐらいならけっこうフリーでやっちゃってましたしね。
今の制度のほうが生物学的には不自然なのかもしれません。
本書には不倫体質かどうかが解説された章もあります。診断テストではないのですが、解説を読んで「自分はこうかも?」と考えるヒントにはなると思います。
本書の後半では不倫バッシングのメカニズムについても詳しく解説されています。
不倫をする人は共同体に協力せずおいしいとこどりをする「フリーライダー」という存在という解説も納得。人は共同体を維持するためにフリーライダーをたたくことが正義の行動となる・・・ということは私の「不倫する人は低脳」というものの見方もある種、フリーライダー叩きみたいなものなのか。。。
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不倫、フリーライダーへの制裁。
妬みが不倫パッシングの舞台裏を暴いて
オキシトシン等の脳内物質の話を巡って道具立に終始するのかと思いきや、欧州の状況を事例に中野信子さんの視点披露にへえーってエンディングでした。(中身は読んでみてください)
彼女の脳の話以上に、彼女自身の脳の中身と向き合ってみたいと思わせるのが中野さんの魅力です。
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脳科学者が、なぜ不倫はなくならないのか、またなぜ不倫バッシングは起こるのかを、最新科学の目で解き明かした本。不倫遺伝子など先天的な理由と、乳幼児からの育てられ方などの後天的な要因が不倫遺伝子のスイッチをオンにすることで、不倫がなくならない理由を説明している。また、不倫バッシングが起きるメカニズムを、フリーライダー論で説明しており、妙に納得させられる。また、社会の進歩に遺伝子の変化が追い付いていない現状分析もユニーク。このロジックの延長で、現在の日本の少子化問題の解決策を提言しているが、その大胆さが痛快に感じる。また、遺伝子研究の中で、日本人が米国人に対してイノベーションで、欧州人に対してルール作りで、それぞれ水をあけられている理由も上手に説明している。
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不倫。中野信子先生の著書。人間が不倫をする理由、不倫をした有名人を攻撃的に上から目線でバッシングしたり罵詈雑言を吐いたりする人がいる理由について、脳科学的な観点から解説した良書。私は他人の恋愛に口を挟むのは好きではないし、不倫も恋愛も本人同士が良ければどうぞご自由にと感じてしまうけれど。
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不倫系の本を何冊か読んで、特に中身に差はないなという感想。現時点ではこれ以上の真理はないということか、人間ってやっぱり生物だよねっていう話なのか。
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この本が売れているのは、不倫が気になっている(もっと端的に言えば何らかのかたちで不倫に関係している)人がこんなにも多い、ということなのかと思っていた。自分も興味本位で読み始めたことを告白しておく。
しかし、そんな人たちの期待に応える話も少しはあるが、この本で読むべきはそこではない。たとえば、圧巻は5章。科学的知見から導き出して国のありかたまで語っていて、説得性があり痛快である。
社会(国家)の成長のために、耳を傾けるべき内容が多い。
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以前、ラジオ番組で『ヒトは「いじめ」をやめられない』について著者がゲスト出演したのを聞いたので興味はあった。しかし、いじめを脳科学から掘り下げるのは、読むのが辛そうな気がして手が出せなかった。本書は、ヒトは「不倫」をやめられない(笑)ことを遺伝子レベルから脳科学・心理学の知見で解説するもの。その中に不倫バッシングのメカニズムはいじめとも共通するようだ。日本では一夫一妻の枠組みから外れる行為を倫理にもとる不倫と言われるが、遺伝子に組込まれた生物としての行動がなくならないわけが理解できた。
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テレビなどで見て、面白い人だなあと思っていた著者。
脳の構造から、人は何故不倫をするのか、何故不倫はバッシングされるのか、を説明する。
タイトルが直接的過ぎるところが、かえって目を惹く。
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P15
人類に一夫一婦制は向いていない
P166
「恋愛→結婚→生殖」は
絶対的なものではない
P170
生殖しないからこそ
恋愛は美しい
----------------
P182
矛盾があると
人は往々にして
「矛盾は解決しなければならない」
と思う。
しかし、不倫の矛盾を「解決する」とは
いったいどういうことだろう
P182
突き詰めれば、
人間であることの苦しみから
いかにに開放されるか」
にまで行き着くと
言ってもいいくらいの問題である
P182
そうである以上
「不倫は悪」と過剰に叩いたり
「夫婦はこうあるべきだ」と
断定的に決める必要はない。
そんなところで
幸せをもたらすとは限らない
P183
矛盾する両極を内包しながらも
智恵を働かせて
生きていくのが人間ではないだろうか
P183
矛盾といかに付き合うかを考える。
あるいは
矛盾を矛盾として味わう
態度を身につける方が
建設的である
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P181
「恋愛、結婚、生殖は三位一体で
不可分なもの」
という考えは全くの幻想である。
恋愛はドーパミンやノルアドレナリンなど
新規なものへの積極性を増幅する物質が
脳から放出される。
性欲が高まっている時は男性ホルモンである
テストステロンが放出され、
攻撃的な性質を促進する。
しかし、結婚生活に必要であろう
パートナーに対する
穏やかない気持ちや愛着を感じる
ときには
オキシトシンが放出され
むしろ新奇なものへの積極性を抑え、
共同体への結束を強める
方向の働きをする。
もし恋愛、結婚、生殖が三位一体なのであれば
同じ神経伝達物質が分泌されるか
あるいは各物質の作用の間に
何らかの関係性があるはずだが
人体はそのようにはなっていない
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P181
恋愛、結婚、生殖が絡み合うことで
もたらさせる矛盾は、
間誰しもが抱えていることである。
ひとりの人間が
恋人、妻/夫、生活の共同運営者、
母親/父親、セックスパートナーという
多様な側面に応えることが
難しいケースは
現実的に避けがたくある。
P182
脳がなんとかそのつじつま合わせを
可能にしたとも言えるし、
そのバランス取りの苦しみを
作り出している”犯人”が脳である、
とも言える。
また
不倫はそのバランスの難しさを
補完する機能を果している、
と考えられないこともない
-------------------
P109
愛着スタイル
①安定型
②回避型
③不安型
P124
他人の不倫は
あくまで「他人の恋愛」にすぎない
P129
「協調性の高い誠実な人」ほど
「いじめ」に走る
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■気の遠くなるような進化を潜り抜けてきた不倫遺伝子。
・研究結果からわかることは生まれつき「一夫一婦制の結婚には向かない人」がいるという厳然たる科学的事実。
・ある人の振る舞いが一夫一婦制に合致するかどうかは本人の意思や努力ではなく,遺伝子や脳の仕組みによって決まっている部分も大いにある。
・遺伝子の塩基配列は数世代で急速に変化することはなく長い時間をかけてゆっくりと変わっていくのが基本。また遺伝的多型があるとき,どちらかの遺伝子が適応的であったとして,その方が広まっていく速度=適応度は,数理社会では「1世代で1%の変化が起こる速度に相当する」と仮定する場合が多い。
・たとえばセロトニンという脳内の神経伝達物質は生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節のほか,様々な機能に関与する重要な物質である。セロトニンは新奇なものに対する積極性を喚起する。そのため欠乏すると何事にも積極性がなくなり,うつ病,食欲や性欲の減退などが引き起こされる。体内のセロトニンの分量「セロトニントランスポーター」というたんぱく質が調整している。セロトニントランスポーターは神経細胞から出たセロトニンを再び細胞内に取り込む働きをしている。このセロトニントランスポーターはの機能を決めている遺伝子は「S型」(短い型)と「L型」(長い型)の2種類ある。このうちL型を父母両方から受け継いでいる人(LL型)は体内のセロトニンが減少しにくく,そのため楽観的で野心的な性格になるとされている。一方,S型の遺伝子を2つ持っている人(SS型)はセロトニンが減少しやすいため不安を感じやすいことが分かっている。アメリカ人はLL型が最も多く約30%,SS型が最も少なく約18%。一方日本人はSS型が最も多く約65%,LL型が最も少なく3%以下。この差が日本人とアメリカ人の国民性の違い,とりわけ新しい分野へのチャレンジ精神の違いとなっている可能性が高いと考えられている。
■人類の祖先は狩猟・採集に依存していた頃,度重なる飢餓に苛まれてきた。数千年前から農耕と牧畜が発達し,人類の栄養状態は飛躍的に改善されてきた。しかし人間の身体機能は飢餓状態に苛まれていたころからそれほど変わっていない。食に困らなくなった現在でも,人間の脳は飢餓状態にあった頃の習性で栄養価の高い食物を発見するとなるべく食べてしまうよう指令を出す。不倫遺伝子はむしろ私たちの生存にとって必要だったからこそ淘汰されずに現在まで生き残ってきた。不倫をする人が絶えないのはその人の人格やモラルが堕落しているからではなく,私たちが先祖から継承した遺伝子が少しでも効率よく自分たちを繁殖させようと私たちを駆り立てているからに過ぎない。
■「愛着スタイル」の「安定型」回避型」「不安型」
・ジョン・ボウルビィやメアリー・エインスワースらによって1980年代に確立されたアタッチメント理論(愛着理論)によれば人間の愛着スタイル(内的作業モデル)には「安定型」「回避型(拒絶型)」「不安型」の3つがあるとされている。
・愛着スタイル(内的作業モデル)とはその人が人間関係を築いていくうえでベースとなる様式。
・「回避型」の人は他者と深い関係を築くことに及び腰。
・「���安型」の人は他者に対する過度の期待や依存やその裏返しの失望,喪失の危機感を抱くという傾向がある。
・愛着スタイルのタイプを形成する最も大きな要因は乳幼児期の特定の人物との愛着形成だとされる。基本的には母子間の触れ合いが重要。母は必ずしも生物学上の実母である必要はなく献身的に長時間接することができるのであれば男性でも構わない。
■愛情には双方向性が必要。
■十分な社会性を持つには母子はもちろん他のサルとも交流する経験が必要で代理母だけでは不十分。
■オキシトシンによって「妬み」が高まる
・オキシトシンは恋人や親子を結び付け不安を減らして愛着をもたらす作用がある。そのため「幸せホルモン」と呼ばれる。
・オキシトシンによって妬みの感情も高まる。
・オキシトシンは「内集団バイアス(内集団びいき)」及び「外集団同質性バイアス(外集団均質性効果)」を高める。
・内集団バイアスとは「自分が所属している集団(内集団)のメンバーは自分が所属していない(外集団)のメンバーに比べて人格や能力が優れている」と思い込んでしまう認知のゆがみ。
・外集団同質性バイアスとは「自分が所属している集団は外集団よりも多様性に富んでいる」と思い込んでしまう現象を指す。
■「利他的な集団」ほど子孫を残しやすい
・集団全体で生き残るために個を犠牲にする行為は「群選択」(群淘汰とも)という仮説により説明されている。
・個を犠牲にして「利他行動」をするものが多い集団ほど生き残る確率が高くなるとされる。
■現代社会では(不倫は)賢い選択とは言えないのに不倫に走る人がこんなにも多いのはやはり私たちの遺伝子と脳の仕組みが一夫一婦制向きにはできていないことの何よりの証拠。
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タイトルは「不倫」だけど、人類の生き方やあり方を述べた書で考えさせられる一冊だった。
日本は生殖に対して非常にネガティヴで、その方法を変えない。
ヨーロッパのように結婚や生殖のあり方を見直す時に来ているように思える。
このままでは、日本には外国人が増え日本のあるべき姿が消えてしまうのでは無いだろうか?
結婚や夫婦のあり方を問う問題定義書であった。
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「サイコパス」に引続き、読み易くかつすごく勉強になる著作でした。タイトルの付け方があまりにも商業主義ミエミエで気に入りませんが、内容はしっかりしていて新書ながら読み応えありです。