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商品説明
小説の楽しみのひとつは、全体の流れや構造とは関係のない細部につまずくことにある−。書物の頁の風景を通して「読む」ことを綴った52篇。『日本経済新聞』朝刊連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
■堀江敏幸氏による、読書をめぐるエッセイ集。
■日経新聞土曜朝刊の連載随想が、待望の単行本化!
堀江敏幸さんがなれ親しんできた書物の頁の風景の中で、なにかの拍子によみがえってくる人の姿。「たいていはだれもが知っている人物の傍らの、淡い接触をしただけの存在で、顔の輪郭がはっきりしていないことさえあるのだが、思い出したらそのまま忘れて終わりというわけではなく、何年か経つと、べつの角度で刺激された記憶の片隅から、また不意にあらわれたりする。」「私は実際に、思い出されてはじめて、なるほどその折の景色のなかに目立たない見えない傍点が打たれていたのだと気づかされるような影たちと、何度も遭遇してきた。」――文芸作品の楽しみ、それは細部につまづくこと。「読む」ことをめぐる52篇。【商品解説】
目次
- 傍点のある風景――國木田独歩「忘れえぬ人々」
- ふたつの黒い影――安岡章太郎「夕陽の河岸」
- 洗面器に入れて運ぶ――井伏鱒二「鯉」
- ハトロン紙の謝罪文――井伏鱒二「スガレ追ひ」
- 乾いた言葉の粒で――マルセル・ムルージ『涙』『エンリコ』
- 心に礫を浴びた傷として――瀧井孝作「父」(上)
- 顔がとれさうなほどの哀しみ--瀧井孝作「父」(下)
- 悲しみを運んで歩く――佐多稲子「水」
- ほか全52篇
著者紹介
堀江敏幸
- 略歴
- 〈堀江敏幸〉1964年岐阜県生まれ。作家。「熊の敷石」で芥川賞、「なずな」で伊藤整文学賞、「その姿の消し方」で野間文芸賞を受賞。
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紙の本
近づきがたかった小説。読むハードルを下げてくれるような一冊。
2021/07/22 18:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
名前だけ知っていて、ほとんど読んだことのない作家を近くの手の届きそうなところまで連れいってくれるような一冊。しかも、バラバラに存在していた昭和の作家たちを、その著作の中のかすかな記述から、繋げても見せる。ああ、これは読んでみたいなぁという作品が多数。特に、まずは、川端康成と北条民雄の往復書簡を読みたいと思った。
紙の本
梶井基次郎の項、素晴らしかったです。
2019/07/03 00:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
堀江さんが読んだ近代文学の中から忘れられない登場人物、シーン、言葉選び、著者のエピソードを掬い上げた散文集に近い書評集。梶井基次郎の檸檬を、作家の視点から読んだ印象を味わえる贅沢さだけで充分楽しめた。堀江さん独自の深い視点を借りて珠玉の言葉に逢える。