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商品説明
なんとなくのイメージはあるけれど、実態の見えてこない「英国執事」。彼らは何を思い、どんな仕事をしていたの? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係は? 幻想に包まれた英国執事の素顔に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?
コミック『黒執事』作者、枢やな氏推薦!
【本文より抜粋】
●第4章「執事の日課」より
「私は正面玄関までの階段をのぼり、ドアベルを鳴らしました。すると、お仕着せ姿のあかぬけたフットマンが出てきました。私は、執事のミスター・リーを呼んでくれるよう頼みました。
『あなたは下級執事の職に応募してきた人でしょう』と彼は物柔らかに言います。
『そうです』と私は答えました。
『では、通用口のほうにお回りいただけますか。空堀(エアリア)を降りて、そこにあるベルを鳴らしてください。こちらのドアはアスター卿夫妻とそのお客様専用です』
私は一フィート(*三〇・五センチメートル)ばかり身長の縮む思いをしながら、言われたとおりにしました。すると驚いたことに、下のドアを開けて現れたのは、さっきと同じフットマンだったのです。満面の笑みをたたえています。
『ずっと長いこと、これを言えるときを楽しみにしていたんだ』と彼は言います。
『俺がこの仕事を始めたとき、同じことをやらかして、いまみたいな歓迎を受けたものでね』
この男は、あとでわかったことですが、ゴードン・グリムレットで、彼と私は生涯の親友になりました」
●第7章「執事の堕落」より
スタッフの窃盗に目を光らせていたアーネスト・キング(執事)だが、そういう彼自身も、若き日にはちょっとした「過ち」を犯したことがある。温室で育てられた、その年初めてのイチゴを、誘惑に負けて食べてしまったのだ。がまんできずに二つ目を口元にはこんだところ、後ろから声をかけられた。「アーネスト、ほどほどに頼む! 私の分も少し残しておいてくれよ」──主人はそれだけ言って去っていった。彼にとって「生涯一度きりの窃盗」であった。【商品解説】
著者紹介
村上リコ
- 略歴
- 〈村上リコ〉千葉県生まれ。東京外語大卒。文筆・翻訳家。19世紀から20世紀初頭のイギリスの日常生活、特に家事使用人、女性と子どもの生活文化をテーマとして活動。著書に「図説英国メイドの日常」他。
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紙の本
さすがに面白い
2019/04/01 21:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上リコさんが書いただけあってとても面白い一冊です。
イギリス、特にヴィクトリア朝が好きな人必見。
貴族と上流階級に仕えた使用人の悲喜こもごものエピソードは興味深いものでした。
紙の本
英国貴族の生活が見える
2022/11/17 05:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「執事」「家令」の違い
最初は「ボーイ」から入って出世していく。
でも出世の頭打ちになると紹介状を書いてもらって、次に出世を探す。
映画やドラマで見る貴族の世界が大変興味深く書かれている
紙の本
執事が実用からイメージに変わるまで。
2019/05/07 16:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
執事というとイメージされるダークカラーのフォーマルな格好、というところにポイントを置いてあるせいか、近現代中心。
中世における貴族子弟が他の貴族に仕えたという起源から説き起こしているところがいいが、そこにもう少し筆を割いてもらえると楽しかった。呼びかけ方の細かい分別などのコラムがいい。