紙の本
銀行の渉外部
2019/07/15 19:45
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀行融資を受けた債務者から回収を行う渉外部に異動した行員と、敏腕先輩との企業小説・・・と、思ったらいきなり先輩が他界。ミステリーでした(笑)
大企業、宗教団体、政治家、フロント企業と交渉しながら犯人を探っていきます。
宗教団体はあの「淑女」に陥れられた所ですよね。
紙の本
カネを貸す側、借りる側
2019/07/10 22:17
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読む前に何かの続編かと勘違いしていたのですが、他の作品とは関係なく、この本から読み始めて全く問題ありません(たぶん「嗤う淑女」あたりと私が混同していたもよう)
シャイロックは「ヴェニスの商人」に登場するユダヤ人の金貸し。その名を冠したタイトルどおり、本作は債権回収については凄腕の銀行マンと、入社間もない主人公が活躍する金融&ミステリー小説です。
序盤から一気に急展開。連作の短編というスタイルで、サクサク楽しく読みました。中山七里さんの新境地という感じの傑作。オススメです。
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面白かったです
2021/11/19 10:30
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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に面白かったです。主人公は大手銀行に勤める債務回収係。債務回収のスペシャリストで直属の上司が突如殺されてしまったことにより、彼の担当していた厄介な物件ばかりを背負う羽目に…。無理筋の物件からの見事な債務回収も面白かったですが、殺人事件を解決する過程で状況が二転三転する所なども立派に推理小説となっていて良かったです。本来「シャイロック」はだれもが忌み嫌う卑しい金貸しの代名詞ですが、ここでは誉め言葉になっているのが逆説的で面白いです。
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まるで池井戸さんのお得意の銀行ものの雰囲気だった中山作品でした。
亡くなった山賀に代わり不良債権者たちを相手にどう立ち向かうのか、逃げずに彼らや回収不可能なそれらと懸命に向き合うことで、山賀の偉大な背中を追う主人公・結城の姿が描かれているが、柔軟で斬新な考えで次々問題を解決していく姿がいい。
ラスト、捕まった犯人のさらにもう一人の人物が…ということろはやはり大どんでんの中山作品だなぁと感じました。
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シャイロック。山賀から、結城へ。一癖も二癖もある債権者。そんな癖だらけの債権者たちと向き合ってどんどん自分の中での、自分の仕事とは何か、を掴んでいく結城の姿は爽快でも有ったなぁ。山賀が亡くなったことは、残念。そして、中山さんらしく、やっぱり最後は、、どんでん返しでしたね。
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ミステリ
かかった時間150分くらいか?
中山七里おもしろい。マンガを読んでいるみたいにサラサラ入るし、マンガみたいにわかりやすくてよい。
読書にはマジ読書(疲れる)とゴラクの読書があり、それらはグラデーションで繋がっているけど、中山七里は明確に、ばりばりの、ゴラク読書のための作家だと思う。
今回の舞台は銀行。貸し倒れを防ぐための債権回収部門に配属された若手社員が主人公。同部門のエースである「シャイロック(『ヴェニスの商人』の金貸し)」というあだ名をもつ男の薫陶を受けて覚えた仕事術で、その「シャイロック」を殺した犯人の操作になんとなく協力する。
どちらかといえば、若手銀行員の成長物語がメインで、ミステリはおまけだが、これは『ヒポクラテスの誓い』なんかの別作品の傾向とも同じだし、やっぱり、少年・青年マンガのようなスッキリ感やワクワク感があって、よい。
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銀行の回収業務に携わることになった新人の話。出てくる人物はできない上司、反社会勢力、宗教、投資家等類型化されているが、それが返って外連味たっぷりで楽しい。金融業界のお仕事ものとしても興味深いし、他の中山ワールドと繋がっているところも楽しめた。
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ほぼハズレがない中山作品の中でも、最近の作品では出色の出来。銀行の渉外担当の矜持を、中山氏としては珍しく正統的な語り口で描く。話の半分ぐらいで犯人がわかった気でいたが、最後にちゃんとひっくり返してくれるのもお決まりのパターンで水戸黄門並みの安定度。楽しく拝読しました。
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銀行の債権回収を背景としたミステリー。
この作者の引き出しの多さに脱帽です。
銀行の債権回収について、意外な返済計画が秀逸で、池井戸潤もびっくりという感じでした。
ミステリーとしては、とってつけたような真相だったので、むしろ銀行小説としての面白さが際立っていました。
ミステリーでなくてもよいので、続編希望です。
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つまんないわけじゃないけど、パターン化して来たかも。
急激な成長と剛腕ぶり、最期のどんでん返し返し。
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山賀さんがメインの前半がとても面白かった。山を越えるのが大変なのは、作品中の仕事面もそうですが、山賀さんが魅力的に描かれ過ぎたのかなぁ、とも思われ。シャイロックの異名を継いで、結城が成長していく姿が読めればまた違う感想かもしれません。意外な真相と犯人は中山さんならでは。そこに辿り着くまでの債権回収のアレコレは銀行も大変なんだなぁ、と。危ういながらもなんとか回収していく過程はハラハラしました。この宗教団体、他作品にも出てきていて、やっぱりとんでもない団体でした。
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帝都第一銀行に入行し、都内の大型店舗に配属が決まった結城。そこはリーマン・ショック後に焦げついた債権の取り立て部署、上司となるのは伝説の債権回収マンとして悪名高い山賀だった。百戦錬磨の山賀の背中を見ながら、地上げ屋、新興宗教、ベンチャー企業など、回収不可能とされた案件に次々と着手せざるを得ない結城。そんなある日、山賀が刺殺体で見つかる。どうやら帝都第一銀行の闇を山賀が握っていたようなのだ―。“どんでん返しの帝王”が放つ、ノンストップ・金融ミステリー!
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はらはらどきどきしながら最後はすっと胸がすくストーリーである。債権回収マンの結城がどんな手を打ち出してくるかに、とても興味を惹かれ、毎回それがとんでもないものなので、債務者の度肝を抜きつつ共感も呼んでうまくいってしまうという、お定まりのような展開ではあるものの、それがかえって心地よくもある。ただ、残念なのは、元祖シャイロックの山賀が、早い段階で消えてしまったことである。彼の元祖たるゆえんをもっとじっくり味わいたかった。とはいえ、過酷で非情ながら、万事うまくいってしまう展開を愉しめる一冊である。
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帝都第一銀行渉外部に配属された結城。上司は優秀ながらも癖のある山賀、伝説の債権回収マンとして活躍していた。勇気は山賀と組んで学びながらも仕事を進めていたが、山賀は殺されてしまう。山賀の仕事を引き継いだ結城だが、宗教家やヤクザなど癖のある債務者ばかりで、苦労する。最後には山賀を殺した犯人を一体誰かも判明。
銀行を舞台にして金融を描いているのが、意外でした。でも、雰囲気だけでなく、テーマ、主張が濃く出ているところがさすがです。そして、一つ一つ結城が努力し解決してゆく姿が読んでて気持ちよかったです。銀行内部の事情が強く、犯人推理はさらりとして、でも本作は山賀の色があってか楽しめましたが、どんでん返しとかどぎついものもなくさらりとしすぎ? という感も。
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ピアニスト、弁護士、法医学者、保育士、もちろん刑事も。
著者の主人公はバラエティーに富んでいて,その引き出しの多様さに感心するばかり。
そして、今作は、銀行員!
債権回収部門に配属された主人公結城が、上司の山賀の背中を見ながら、回収困難とされた案件に次々着手し、見事に成果を上げていく。
上司の殺人事件の謎解きがメインといえる推理小説ではあるが、池井戸潤ばりの金融小説と言ってもいいか。
専門家から見れば、こんなに都合よくにはいかないよ、との指摘もあるだろうが。
しかし、山賀の次の言葉には、共感する面々が多いことだろう。
「バブル崩壊の責任の一端はその時々の回収担当者にもある。そいつらが自分に課せられた仕事をこなし、先送りになんかしなかったら、あんな崩壊の仕方はしなかった。金融に身を置く者の無責任さと他力本願が日本経済を崩壊させたんだ」
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銀行の回収部門の話。
一 わらしべ長者
二 後継者
三 振興衆狂
四 タダの人
五 人狂
エピローグ
帝都第一銀行の渉外部に配属された結城。
渉外部きっての回収屋・シャイロック山賀のもと、難件に取り組むが、山賀が何者かに殺害されてしまう。
山賀の案件を引き継いだ結城は、政治家や新興宗教、ヤクザと切った張ったのやりとりを繰り広げながら、銀行マンの矜持を究めていく。
嗤う女に出てきた新興宗教あり、作者お得意のどんでん返しあり。
でも銀行モノは池井戸さんと比べてしまうと、ややリアリティの面で。。。
でも面白いです。