- 販売開始日: 2019/05/21
- 出版社: 講談社
- ISBN:978-4-06-516480-8
ショーケン 最終章
著者 萩原 健一
ショーケン、ラスト・メッセージ「はじめに」より自分のことを記したこの本は、私にとって最後の著書になる。自分の言葉で真実を語ろう。2011年に人間ドックで入院したときに小腸...
ショーケン 最終章
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商品説明
ショーケン、ラスト・メッセージ「はじめに」より自分のことを記したこの本は、私にとって最後の著書になる。自分の言葉で真実を語ろう。2011年に人間ドックで入院したときに小腸に出来物が見つかり、「ジスト」という耳慣れない病名を告げられた。……手術で肉腫を切除した。だが4年後に再発し、医師からは「萩原さん、5年がんばりましょう」と余命を宣告された。……ドラマとコンサート活動を本格的に始め、どれも確かな手応えのある仕事を続けていたさなかだった。それから抗がん剤治療を続けているものの、いまは腹の中に爆弾を抱えているような状態だ。明日爆発するか、それとも当分は大丈夫なのか、それは誰にもわからない。これまでの人生を振り返って思う。10代はわけがわからなかった。20代は芸能界に嫌気がさした。30代はリハビリの時代だ。40代はとても楽しかった。50代は責任ばかり負わされた。60代はやっと自分に気がついた。そして70代を前にして、これまでお世話になったり応援してくれたりした人たちに心から「ありがとう」の言葉を贈り、最後に本当の自分を伝えたいと思った。……幸運にも私は日本を代表する映画監督や演出家、脚本家、カメラマン、そして俳優と一緒に作品をつくる機会に恵まれた。そこで学んだことは、この身体に刻み込まれている。本書に記すのはそのごく一部ではあるけれど、創造の現場に情熱とエネルギーが渦巻いていた時代の証言として、またそれをいまに生かそうとしてする模索の記録として読んでいただければと思う。…… これまでは野良犬のようにハングリーで、嵐のように激しい人生だったけれど、生涯のパートナーを得て、そして深刻な病を得て、これまでとは違う生き方があることを初めて知った。……病気になって、私は自分が持っている物や人間関係、こだわりのほとんどを捨て去った。無駄な荷物を下ろして身軽になった自分をいまはけっこう気に入っている。病気もまた豊かな人生の糧となり得るのだ。たとえ病におかされていても、私はつねに新しい表現を追い続けてきた。病気かどうかにかかわらず、人は歳を取ればできなくなることが増えてくる。しかし、それは工夫次第で乗り越えることができるし、新たに見出せることもある。私に残された時間はそれほど多くはないのかもしれない。しかし、それは以前よりも濃密な時間、深く穏やかに流れる時間だ。
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ショーケンは永遠
2019/06/06 12:19
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:somaandsinko - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事にかける熱さとプライド、真摯な姿、タイムリミットに向かってもなお走り続ける覚悟が伝わる一冊でした。
リラックスした、穏やかな笑顔の写真もところどころに挿入され、現在の奥様と幸せな生活を送られたのだなあと嬉しくなります。
理性的な人
2022/05/28 09:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読者E - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンという立場からは、「最終章」として読みたくなかったが、最後に理性的に自己を省み、語られる言葉に接することができる。
萩原健一という虚像の深淵を垣間見たいなら、その兆しはここから感じ取れることもできるだろう。冷静な語り口には、覚悟を決めた、達観した境地も読み取れるが、その真意はもうわからない。
造詣が深く、よく考え抜いている人という印象を強くする。自らについて、作品について、さらに語る彼を知りたい人には、すでに(2022年5月現在)絶版になっているが『日本映画[監督・俳優]論』(スガ(糸偏に圭)秀実との共著)を勧めたい。
天地真理
2020/08/26 09:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:井端隕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事がない時代に、なんと天地真理ショーのぬいぐるみ要員として踊っていたとは。これ、本当か(笑)?顔が出てないからいくらでも吹けるぞ。あと、表紙の穏やかな写真は奥様が撮影されたそうです。