紙の本
今までの村上龍の作風とは全く違うタイプの小説
2020/12/12 18:38
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までにはなかったタイプの村上龍の小説だ。作風が全く今までと違う。これが今現在の村上龍なのか?ずっと夢の中を彷徨っている様な感じだ。深層心理を描いているのか、無意識を描いているのか?不思議な小説だ。
紙の本
彷徨う小説家
2020/06/14 17:14
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある小説家が幻想の母の語りで心の中を旅するような感じ?
しょっぱなから現実か幻想なのかあいまいなまま、幻想に突き進み、
これは結局この世なのかあの世なのか、あるいはこの世とあの世の境界なのか?分からん・・・と。
難解でしたわぁ・・・。
ちょっと期待してた龍作品ではなかったです。
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村上龍の最新作。
小説の新刊は何年ぶりになるんだろうか。若い頃は読んでいたが、いつの間にか読まなくなっていた……。
幻想的でありながら生々しい、しっとりした体温みたいなものを感じるのが面白い。
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村上龍「Missing」https://shinchosha.co.jp/book/393402/ 読んだ。おおお超絶よかった!Kyokoがわたしの中では龍イチだったけどこれにする。Missingというタイトルが全編に紗をかけたみたいに効いてて、記憶も自己認識も意志も話者も曖昧になっていく。村上龍68歳なのか。でもまだまだ行けるな。すばらしい(おわり
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龍なのに春樹っぽい。羊男が出てくる話みたい。もっとプライベートで直接的で、ずっと冷たい雨に降られてるような感覚。
あの世とこの世の境界で、過去と現在、現実と幻想が入り交じり、戸惑い混乱して・・・認知症の人の内面世界ってこんな感じなんだろうか。これが老いるということなら、歳をとるのが怖い。
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村上龍は大好きな作家だった。16歳のとき『コインロッカー・ベイビーズ』を読んでハマり、20代前半までほとんどの作品を発売と同時に購入して読んだ。しかしなぜかある時を境に読まなくなり、本書は実に30年振りくらいの再会となる。……うーん、難解な小説だった。言葉は明瞭だし、書かれている内容もわかるのだが、全体を見たときに「なにこれ?」となってしまう。私小説のようでも、幻想小説のようでもあるが、多分そのどちらでもないのだろう。
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これは厳しい。5年振りの長編ということと新聞広告の書評(坂本龍一が誉めてた)に惹かれて読んでみたけれど、途中から斜め読みになってしまいました(T_T)
自叙伝的な内容だけれども、こういうものを書くようになったということは、村上さんも相当にお歳を召した、ということだろうか。(調べたら68歳だった)
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20代の頃、ふと思ったことがあって、
それは信号は赤が止まれで青が進めだとか、7×3は21だとか、大人は働くものだとか…
『知識やルールに縛られる』って、ともすると窮屈で不自由に思えるけれど、実際そういう全ての決まり事や煩わしさから人が完全に解放されたとしたら、人間は発狂するのではないだろうかと言うことだ。
善しき悪しき大小様々な要素が、実はこの大地と同じく私達の足元を固めているのではないだろうか?
読了してそんな事を思い出した。
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何十年ぶりの村上龍。途中で挫折しそうになりながら。もう理屈ポイ作品は駄目。龍は子供の頃から、いやな事は絶対に嫌だと譲らず。自分が変なのか、それとも外の世界が変なのか。いずれにしろ、現実に戻れるかどうか、考える必要はない。現実とは何か、はっきりしない。はっきりしないものには意味がない。現実には意味がないのだ。龍は子供の頃から・・・これに導くためにくどくどと!
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村上さんはもしかしたらこの本に描かれているような世界を体験しているのかも、というくらい凡人の私とは比較にならないぶっ飛んだ世界観の本でした。
主人公はどうみても村上さん本人にしか思えない。
心の葛藤を描いた小説なのだろうが、時間軸や場所がころころ入れ替わる。夢、それも悪夢に近い夢を書き起こすとこんな感じになるのかもしれない。
読んだ後は、自分が気が付いてないだけなのかもしれないという意味で、少し心がザワザワしました。
万人向けとは言えないと思いますが、疲れた心には効く小説かもしれません。
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久々の村上龍さん。
作品を読むのは20年ぶりくらいか?と読書メモを調べたら2015年に「イビザ」を読んでいたから、それ以来だ。
僕は元々、春樹さんより龍さんで読書に嵌った方。初めて「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ時の衝撃はいまだに忘れることができない。僕にとって極めて重要な作家さんと言える。
最近はあまりお付き合いがなかったけど…
入り込んでしまった不思議な世界の中で、「失われているもの(現在進行形。「失ってしまったもの」ではない)」を取り戻そうとする姿を描く。
非常に観念的で何が書いてあるか理解しにくい。
読んでいると頭もボンヤリしてくる。集中力が途切れると、文章がバラバラにほどけていく。
挫折しかけたけどなんとか読了。
「老いの受容」がテーマだと解釈した。
W村上と呼ばれていた春樹さんと龍さん。春樹さんは「猫を棄てる」や「一人称単数」で、龍さんはこの小説で、それぞれ「老い」について書いている。
これらの本がコロナで世界の価値観が大きく変わろうとしている2020年に発行されたことがなんとも感慨深い。
なお、この小説で、猫は棄てられてないが、犬が棄てられている…
昔の人は簡単に動物を捨てたのね…
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作家の中で現実と妄想あるいはこの世とあの世の境界が崩れ,廊下,エスカレータ,トンネルの中を抜け出せないで頭の中に猫や母が語りかけてくる.過去の母自身の思い出までが脳内に溢れほとんどヤク中の頭をのぞいているかのような世界だった.
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2020/11/02 19:51 p.66
「よくわかっていると思うが、私たちの感情の中で、寂しさだけが、本質的なものなのだ。喜びや悲しみや恐怖は、予測できない未来に対処するために、長いときを経て、私たちの祖先が、そういった感情の回路を作り上げた。だが、寂しさだけは、そのずっと以前から、自然に存在していた。人生は、あるときから、確実に変化する。それまでに得てきたもの、ともに生きてきたものを、少しずつ、または一挙に、失うようになる。その変化は、決して逆行することがない」
うーん、俺は一体何を読まされているんだろうという感覚がずっと変わらなかった。いわゆる自伝なのだろう。こういう一生を送ってきているのだとしたら、かなりハードな人生だっただろうなと思う。
でも、この作者の本は初めてだったかもしれない。題名は聞いたことあるものが多いけどもう一人の村上さんも含めて、この歳まで殆ど読んでこなかったからな…なんとなく二人は似ているといえば似ているところがなくもないと思うけど、やっぱり自分にはもう一人の村上さんの方が合うかな。
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小説かとしての内省的幻想小説。
猫との会話に始まり、謎の女との道行、母の人生、小説家誕生の苦悩と、ファンタジックな自伝的小説かと思わせながらも、ラストの現実の無意味への読者の突き放しっぷりがすごかったです。
ただ、文章は平易ながらも物語としては4次元的でつかみどこらがなくて挫折しちゃいそうでした。
眠剤以外のドラッグやバイオレンスはないので、メタ的な解釈を模索したい方にはお勧めです。
自分的には「失われているもの」は現実ということだったのかなと思いました。
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最後まで、迷宮であった。
母とのつながりがこんな記憶と曖昧さで世界にあることに、母の立場としてなんだか羨ましい。
著者の難しいジャンルカテゴリになるんだろう。