内藤了氏のハラハラドキドキの作品です!
2021/01/06 16:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子』、『サークル 猟奇犯罪捜査官・厚田巌夫』、『夢探偵フロイト』、『きっと、夢にみる 競作集〈怪談実話系〉』などの話題作を次々に発表されている内藤了氏の作品です。同書は、見習いカウンセラーの中島保という主人公が、殺人者の脳に働きかけて犯行を抑制する「スイッチ」の開発を進めていたという物語です。殺人への欲望を強制的に痛みへ変換する、そんなSFじみた研究のはずだったのですが、実験は成功してしまいます。野放しになっている犯罪者たちにスイッチを埋め込む保ですが、それは想像を超え、犯罪者が自らの肉体を傷つける破滅のスイッチへと化してゆきます。一体、この後どうなっていくのでしょうか?ハラハラドキドキの連続で、もうやめられません!
OFF猟奇犯罪分析官・中島保
2020/10/30 22:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
保と比奈子の恋愛やスイッチを再度、保の視点で読み直したような気分になりました。藤堂比奈子シリーズを全部最後まで読み、スピンオフものとしては面白かったです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まかゆら - この投稿者のレビュー一覧を見る
中島先生のその後ではなく
トラウマになったあの事件~捕まるまでの話
ヒナ子との出会いから恋に落ちるまでの過程もあってとても良かった
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
『うら交番』からの流れで続けて読んでみた。
内容的にはシリーズ既刊の視点を変えた物語という事でドキドキ感や目新しさは無かったけれど、好きなシリーズだったので、各キャラクターに再会出来たのは嬉しかった(某女子は最新のうら交番にも登場されていたケド)。
互いの世界観を壊さないのであれば、こういうクロスオーバーな試みは個人的にアリアリです。
で、次回の恵平さんにも期待大です!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
202009/スピンオフというより、シリーズ前日譚というか「ON」保視点バージョンというか。目新しさはないけど、クローズした今になっての刊行ということもあり、あの時ああだったのか…みたいなのが余計に切なく感じられた。でも今後もまたこの別視点バージョンで各作を読みたいかっていうと…なので評価星はシリーズへの愛着ゆえ甘め。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
見習いカウンセラーの中島保は、殺人者の脳に働きかけて犯行を抑制する「スイッチ」の開発を進めていた。殺人への欲望を強制的に痛みへ変換する、そんなSFじみた研究のはずが、実験は成功。野放しになっている犯罪者たちにスイッチを埋め込む保だが、それは想像を超え、犯罪者が自らの肉体を傷つける破滅のスイッチへと化してゆく―。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
〇藤堂比奈子シリーズ前夜、「スイッチ」の秘密を本人の口から明かす
矯正心理を大学院で学んでいたときに出会った事件をトラウマとする、この小説の主人公・中島保は、精神科医の早坂のクリニックで研鑽を積む日々。
少年・晋平が起こした事件の真相を知るため、早坂と保は鑑別所へ向かうが、どうもはっきりしない。そんな折、早坂が保に施した「腫瘍」がうまく発現したことを知り早坂は沸き立つ。腫瘍をつくることで人の殺人衝動を抑える研究を保は行っていた。
晋平の事件の真相を保と早坂が論議しているとき、真犯人にたどり着くと、早坂が腫瘍と装置を組み合わせて真犯人による殺人を止めよう、と提案するが・・・
この話は、内藤了氏の「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズのスピンオフとして、シリーズの中の重要人物である中島保のシリーズ第1巻での登場の舞台裏を描いたものである。タイトルの「OFF」も第1巻「ON」に対応したものになっている。
懐かしい藤堂と保の出会いや一夜のシーンもあるが、それが出てくるのは後半であり、保が抱えるトラウマとそれを克服せんがために真剣に研究に取り組む姿勢、そしてその気持ちや熱心さをもてあそぶ早坂医師の存在など、第1巻で必ずしもすべて語られなかった部分が登場人物本人の口から明らかにされている。
もはや、このエピソードが後に、人の生死を操ろうとしている巨大組織との闘いのプロローグに過ぎない、とは誰も思わないだろう。
"あの瞬間の、宇宙から突き抜けてきたような怒りと慟哭は、時が経つにつれて静まって、今では見失いそうになることもある。二度と誰かを死なせないと誓ったのに、そのためなら何でもしようと誓ったのに、目まぐるしくも慌ただしい日々や、早苗が幸福になれた現実に、行く先を見失いそうになる。他人の脳をいじって考えを変えさせる権利が自分にあるのか悩んでしまう。(pp.90-91)"
おそらく、保の葛藤がよく表れている段落ではないかと思うと同時に、これは人間の常に抱える葛藤だ。信じたものをずっと信じ続けることがいかに難しいことか。このあとの展開でもまざまざと我々は見せつけられる。そして、ホラー文庫らしいグロテスクな描写に慄く。
内藤了は怒りを抱えた人の気持ちの動きをよく見ていると思う。そして、悪役を悪役然と描き、絶対にこんな犯罪者にならない、生んではならないと、保を通して我々に誓わせてくれる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ひなちゃんロスからやっと抜け出てケッペーに愛情を傾けてきたのに、今になって野比先生のスピンオフだなんて、小粋というのか小憎らしいというのか(笑)、内藤さん。
シリーズを読破した人なら誰もが知ることですが、野比先生やっぱりいい人。根っからの善人であるがゆえに、殺人者となるまでの葛藤が伝わってきます。
比奈子と出会い、思いがけず夜を共にする段を本編で読んだときは「なんか、ガラじゃねぇよ」と思っていたけれど、本作では自然に感じました。
しかし今頃こんなスピンオフを出すことをいつからお考えになっていたのか。策士だわ~。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
『on』事件の裏側。保視点でストーリーが進んでいく。保の葛藤や心情がたくさん描かれており面白かった。このシリーズがさらに奥深くなった気がする。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
気を抜いてしまった...
別シリーズで少しマイルドな感じだったので読んでみたら、こっちのシリーズはエグい描写が多々あった。
内容としては「猟奇犯罪捜査官 藤堂比奈子」シリーズの前日譚の話だったので、シリーズ一作目がより深く掘り下げられるかな、と思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
2020/11/26
野比せんせ~い。泣いちゃうよ。
全部背負わなくていいんだよ。
早坂が主犯やん。先生には止められなかった。
ホントもうちょっと早く比奈ちゃんと出会えていたら。
やっぱちょっとこのシリーズは悲しいな。
出てくる人みんな好きなのにみんなつらい。
みんなに会いたいけど読み返すの勇気いるからこれでまた会えたのはうれしかった。
先生から見た比奈ちゃんがまたかわいいんだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
仲間がたくさんいて人を集める気質のある比奈子と、ずっと一人だった野比先生の対比がえぐい。
犯罪者の過去とか背景を思いやる野比先生のそれも大概だと思うとやりきれない。
紆余曲折あって最後にはひとつの団円に辿り着くことが分かった上で読めたのが救いでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ONの事件の起こるきっかけとなる保目線のスピンオフ。なんだか切ないなぁ。
改めて読むと、比奈子ちゃんと接してる時間ってこれほど多くはなかったんですね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「on」の後、比奈子さんが、中島保をぜんぜん疑っていなかったけど、読者として、最後まで疑ってかかってました(笑)。それが、この巻で払拭されました。
「on」と別視点で書かれたため、わからなかった、知りえなかったものが浮き彫りにされて、面白かったです。疑いもせず、思い込んでいたものが、覆されて、新たな発見もあって、同じ事件で真相を知っているにもかかわらず、展開にドキドキしました。
彼の、悲しみと危うさが、どんどん深刻な事態を引き起こしているのに、自ら「弱い」と思い込み、止められないという口実見つけ出しては、深みに嵌っていくところに真実味がありました。境界線などないのだと、出会ってしまったものが残酷であればあるほど、人はいつでもそちらに転がっていく可能性を秘めているのだと、突き付けられた感じです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
藤堂比奈子シリーズのスピンオフ作品で、シリーズ第1巻『ON』を中島先生視点で語った話。
『ON』を読んだときは「スイッチ」があまりにSFチックでいまいち納得できなかったが、この作品を読むとそれは置いておいて中島先生の葛藤が切なく胸にせまる。
シリーズは読むのを中断しているが、また読みたくなった。