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紙の本
センゴク権兵衛 25 (ヤングマガジン)
著者 宮下 英樹 (著)
我らが仙石権兵衛が信州小諸の町づくり!!関白の心に疑惑ありーー!?豊臣家存亡の危機!!歴史的悲劇”秀次事件”の因とはーー!? 諸大名や奉行衆が影響力を競い合いながらも、国...
センゴク権兵衛 25 (ヤングマガジン)
センゴク権兵衛(25)
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- 税込価格:20,152円(183pt)
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商品説明
我らが仙石権兵衛が信州小諸の町づくり!!
関白の心に疑惑ありーー!?
豊臣家存亡の危機!!
歴史的悲劇”秀次事件”の因とはーー!? 諸大名や奉行衆が影響力を競い合いながらも、国内には均衡と安定が生まれ、惣無事の世は現実となりつつあった。だが、太閤秀吉と関白秀次の間には埋められない溝が横たわり、ついには取り返しのつかない悲劇を引き起こすのだった。変わりゆく天下人・秀吉……その姿は仙石権兵衛の目に如何に映るのか。
【商品解説】
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電子書籍
史実と虚構をうまく混ぜている。
2023/02/18 09:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
仙石秀久という史書にさほど記録が残っていない武将を主人公に取り上げたのが、この作品の勝因のような気がする。この巻も豊臣政権末期の史実と、主人公が活躍する虚構をうまく混ぜて、ワクワクするような作品に仕上げている。登場人物たちのキャラクターの描き分け方もくっきりとしていてわかりやすい。
電子書籍
秀次の自刃は豊臣家滅亡の遠因
2021/12/31 13:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:林田力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
秀次は文禄四年(一五九五年)に高野山に追放され、七月一五日(八月二〇日)に自刃した。秀次の自刃は豊臣家滅亡の遠因である。豊臣家は秀吉死後に柱石となる人物を失い、徳川家康の天下取りを容易にした。秀次を死なせたことは秀吉の愚行になる。
最も古典的な見方は摂政関白である。秀次は暴君・暗君であり、殺されて当然とするものである。しかし、これは秀次を死に追い込んだ豊臣政権を正当化するために作られた話である。逆に秀頼を後継者にしたい秀吉が秀次を滅ぼしたかったと見られている。さらに秀吉側近として権力を握り続けたい石田三成ら奉行衆が讒言したとの説が加わる。
これに対して秀吉も三成ら奉行衆も秀次を死なせるつもりはなかったとする見解が出ている。秀吉も三成も秀次を失った場合の豊臣政権の打撃を理解していた。秀吉は自分が死んだ後、天下がどうなってしまうのか不安を抱いていた。そこで、自分の死後、豊臣政権をまとめることのできる人物を必要とした。それが秀次だった。
秀頼可愛さのために耄碌した秀吉が秀次を殺したというほど単純ではない。しかし、そこまで愚かではないからこそ秀次を死なせたことは失策である。秀吉は秀次を謹慎させ、謝罪を取り付けて幕引きするつもりであった。ここにはマウンティングしなければ気が済まない権力者の浅はかさがある。
秀次は相手の思う通りにならなかった。自発的に自刃した。抗議の死、憤死である。権力者の意を汲んで自分が我慢して丸く収めるというヒラメ公務員的なことはしない。秀次も自分の死が豊臣政権に打撃を与えることを理解していた。自刃という行為が復讐になる。それ故に憤死と言っても悲壮感よりも、夢見心地で死ねたであろう。
秀吉の失策は、秀次を自刃に追い詰めたことである。秀吉は死後の対応も誤った。秀吉は秀次の謀反を正当化するために多くの関係者を連座させた。連座して処刑された人々の関係者は悲しみ、憤る。あまりに理不尽である。理不尽であると呪ったとしても無理はない。豊臣政権から多くの人々の心が離れた。
福島正則は寛永元年(一六二四年)に亡くなった。その遺体は幕府の検死役が到着する前に家臣が火葬にした。夏の暑い日であったために腐敗を恐れたと説明されるが、自刃を隠すためではないかと疑われ、家禄は没収された。徳川家綱時代の殉死の禁止も殉死することが当然という周囲の圧力や事実上の強要を否定する点は美事になるが、勝手に死ぬことを許さない、死を管理するという権力の傲慢もある。