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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
螺旋プロジェクト「平成」を担当する作品。
正直「共通ルール」について
これほどがっつり扱うとは思っていなかった。
朝井リョウの作品の中で
「ルール」の要素が明白に浮いていて、
読みにくさがあった。
特にエピローグにあたる
「南水智也」の章はほとんど海族山族の話でかなりだれた。
そのせいで作品全体がだれた印象になってしまった。
「ルール」要素を抜けば、
ちゃんといつもの朝井リョウ。
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朝井りょうさんらしい、少年期~の内情が細かく綴られた作品でした。
「螺旋プロジェクト」という事で、以前「シーソーモンスター」は読んだのですが、もう内容は忘れてしまっていて、繋がりなどは分かりませんでした・・・
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読み終わって、茫然としているところ。
年末から時間をかけてゆっくり読みました。
南水智也と堀北雄介という2人の若者の幼少期からを、周りにいる人々の目線でそれぞれつづられていく作り。最初の「白井友里子」の章で感じた堀北雄介像が、章が進むにつれてどんどん変化し、一方、対照的な南水智也の好印象も、章が進むにつれて微妙に変化していく。
そこに加わっていく(伊坂幸太郎さん発案である)螺旋プロジェクトの「海族・山族」の話、お話が何層にもなっていく感覚。
螺旋プロジェクトにかかわる小説という意識なく読み始めたので、これはこれでおいておくとしても、朝井リョウさんの心理描写、きれいなものも汚いものもぐっとつかんで表に出す感じは、本当に素晴らしいし胸苦しくもある。たぶんそこに善悪はないのだろうなとも思う。
登場人物と同世代のころに朝井リョウさんの小説を読んでいたら、今とはまた違った刺激を受けるのだろうなぁ、とも。生きがい、ってなんだろう、とかね。手段と目的が逆転することって、若いときだけでなくてもありそうな気もする。少し間をあけて、必ず再読したい本。
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「螺旋プロジェクト」の一冊。
2/3くらいまではとてもおもしろく、朝井リョウという人は群衆の中における自分の立ち位置みたいなものを書くのがほんとにうまいと唸りながら読んでいた。たとえ螺旋プロジェクトの他の7冊の読破を挫折したとしても、この本に出会えたことは貴重だとまで思っていた。でも後の1/3くらいは、もうなんだかねー。そもそも海族山族って何よ。どうでもいいし(これを言っては元も子もない)。
智也が眠り続けている原因も、なんだか変なミステリーみたいで納得いかない。
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図書館にて。
螺旋プロジェクトの中の1つ。
リアルな学生生活と、その底流にある海山伝説。
もしかしたら私の生きる生活でも、
海族・山族にわかれてるんちゃう?
そう思わせるリアルさ。
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植物状態のまま眠る青年と見守る友人。二人の間に横たわる?歪な真実?とは? 平成に生まれた若者たちが背負った、自滅と祈りの物語。〈解説〉清田隆之
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作家さんが違うと同じテーマでも全く違う話になるんだなぁ。。
うーん。
正直あまり好きでないなこの話。
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螺旋プロジェクト 平成
1 白井友里子
2
3
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5
6
7
8
9
10
特別付録 本作と螺旋プロジェクトによせて
解説 清田隆之
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「螺旋」プロジェクトの3冊目。最初に読んだ「シーソーモンスター」の二つの話に挟まる平成の時代の話。
冒頭、植物状態のまま病院で眠る智也と、それを献身的に見守る雄介の姿が描かれる。
そこから過去に遡り、彼らの周りにいた小中学校や大学の同級生(転校生の男子、智也と同じ水泳部の女子、主宰する活動で注目を得ようとする男子学生)などとの関わりを通じて、二人の関係が描かれていく。
冒頭の描写を見ていると、常に競ったり比べたりすることで自らの存在をアピールし続ける雄介とそれにつかず離れずで付き合い続ける智也の姿には違和感が漂い、これらが冒頭の話へどうつながっていくのかを知りたくて頁をめくる。
登場人物の目の色や耳の形に、海山伝説の風評なども織り交ぜられた、このプロジェクトならではの趣向が施され、通常とは異なる楽しみもあり。
読み終えてしまえば、巻末の『特別付録』で作者が言う、「対立」を排除してきた平成という時代とその闇がよく表現されていたことが分かる。
私らの若い頃は色んな順位付けがあったが故に自らの得意不得意、他者との位置付けが認識でき、自ずと目標とすることが形成されたように思う。
「自分らしさ」よりも「男らしさ、女らしさ」が求められる世界の中で、ランク付けの結果それぞれに与えられたポジションで生きていくのは、それはそれで大変なことではあったのだが、比べてみれば、なるほど、順位付けのない社会では、他者との比較を自ら客観的に行わなければならず、色んな選択肢の中から自分であるべき自分を見つけていかなければならないのもなかなか難しいことだと思える。
分断による線引きで自分の存在を主張したり、社会や他者に対して攻撃的になりがちなのもむべなるかなと思えるが、それでも、違いで線を引くのではなく、別々なものとして共に生きて生きていくためにはどうすればいいのかを考えたい、という作者の考えに首肯する。
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螺旋シリーズ5冊目。
100ページ超えても全然螺旋要素が出てこなくて、自分が間違ったか、作者が何か間違ったかしているのではと思ったがようやく目が青いかも、みたいなのが出てきた。
と思ったら後半で一気に海族山族の話が出てきて、むしろそればっかりになってくる。よくあるトンデモ話みたいに、誰も特に信じてないけど聞いたことある、くらいの有名な話に。
うーん、全体的に、他の螺旋シリーズと各要素の使い方がだいぶ違う。まあ、正解はないんだろうけど、それにしても違いすぎる。
これまでは割とささやかな使われ方をしており、各螺旋シリーズがスターシステムのように思える感じだったが、この作品だけはスター感なかった。
それよりなにより一番問題だったのが、どのキャラクターにも愛着を持てないということ。海族の二人と、最初に出てくる前田くらいが普通。テーマが対立というのがあるにしても、他はどいつもこいつもクソ人間で、ストーリーの続きが気になると言うより、早くこいつの章が終わってほしいという思いで読み続けることになった。そういう感じに読み続けてたら終わった。
一番大きいミステリーである、最初の章で出てくる堀北と、それ以降の堀北像が違いすぎるという話で、実は植物状態になったのが掘北で、南水が堀北のふりをしているという展開…?とか色々考えたが、単にクソな思惑があって元親友を心配していたんですよ、ということだった。
うん、おもしろくはなかったな…
消化不良〜。
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コテンラジオの構造主義(レヴィ=ストロース)回を聴いていたところ、なんとなく本作と重ねて理解できるところがあったのでめも。
・二項対立は本質的でなく、グラデーションをある一定の箇所で切り分けただけ
・ある対象の定義は文化圏によって異なりがあり、対象そのものを指し示す言葉は存在しない(極論)
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読み終わる前に次の螺旋プロジェクトの本を買ってしまった一冊。螺旋プロジェクトとは、複数の作家があるテーマに沿って書くコラボプロジェクト。他の本も気になってしまうくらい設定が魅力的です。読書量を一気に増やしたい方はおすすめです。もちろん、一冊でも十分成り立っているので、どの作品から読んでもついていけると思います。
●北海道大学の描写がすごすぎる
2010年代に北海道大学に通っていた方は風景がありありと見えて驚くと思います(経験談)。朝井リョウさんは早稲田大学卒なのに、何で「肉チャー」の事知ってるんですか?!この食べ物は本編でキーワードでも何でもないのですが、そんなところもしっかり調べられていて作家の情報収集力に感嘆しました。大学祭の模擬店の配置も実際と同じだったり、食堂の描写だったりストーリーをほったらかして、懐かしい気持ちに浸ることができました。
●少し朝井リョウさんらしくないところがある
ちょっと朝井さんらしい流れではない違和感を感じる部分がありました。それはプロジェクトの条件を入れているからかなと思います。
実際、特別付録にある著者インタビューに朝井さんには「対立」が思い浮かばず、落ちこんだという記述があります。そこからどう考えを発展させていったかはとても面白いです。
●全部自分のため
NPOの活動とか、一見、人のためになっていそうなことも、突き詰めると「自分が生きているのを感じるため」(=生きがい)という場面が多く出てきて、ハッとさせられました。他人がいないと自分がいないという言葉が思い浮かびました。
●そのあとどうなった?!
めちゃくちゃ展開が気になります。対立し続けるのか、適度な距離を保つのか・・。
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仲の良かった友人が転校となりふさぎ込んだ弟や、寝たきりとなった友人を見守る堀北雄大を見て、感情を揺り動かすようなものや繰り返しの人生を送るだけでない “生きがい” があることを羨ましく感じる白井友里子の話から話がスタートする。
いくつかの登場人物が中心となる堀北雄大との関わりとの中で出てくる。その中でも中心となる堀北は、他者との比較の中でしか、自分が生きている・自分が正しいと思えていない。
解説や付録でも書かれているが、この満たされた日本という社会の中では、対立を極力排除された結果、みんな自分の好きなように生きればいいと言われる。その結果「ありのままでいい」と言われても、その生き方が正しいのかを実感を持つことができない。
自分で自分の生きがいを作れる人であればいいのかもしれないが、みんながみんなそういうようには生きられない。その場合には、話の中で出てきた雄大のように、わかりやすい生きがいや、周りから認められるようなストーリーを求めてしまうのかもしれない。
今まで生きてきた中でそうやってきれいなストーリーを求めようとする人も見かけてきたように感じるし、自分自身の中にもまだそういった自分を感じることがある。どうやったら自分の決めた自分の人生を歩めるのか。これは自分でも簡単に答えが出せない問だと感じる。
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これは痛い。身に覚えがありすぎる。もともとこの作家との相性が悪く、痛いところをグリグリと、いやそれだとツボを押しているような感覚で足りないな、もっと擦りむいてジュクジュクの傷を撫でさするような酷さをいつも味わうことになる。しかし小説だからこそ、それを噛み締めて自分に叩き込む感じ。
「ドリンクバーぐらいすぐ命注ぐんすよ」
どこで拾ってくるんだこんな台詞。
しかしこの「螺旋」プロジェクトの1冊目がこれで、他の小説を読もうか迷う。この小説自体では何も終わっていない。
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南水智也と堀北雄介の対立についての話。
2人に関わるひとの視点で話がすすんでいく。
8人の作家さんが海族と山族の対立というテーマで小説を書くという「螺旋プロジェクト」のひとつ。
朝井リョウさんが、平成を舞台に書いた作品。
登場人物のセリフや考えが、自分と重なる部分が多く、客観的に自分の生き方⁇について考えながら読んだ。
同じ螺旋プロジェクトの、伊坂幸太郎さんが書いたシーソーモンスターも読みたい。
螺旋プロジェクト第2弾も決定しているらしいから楽しみ。