紙の本
素敵な年齢の重ね方
2023/03/23 09:47
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年の宮本輝さんの作品は「素敵な年齢の重ね方」が共通するテーマのように感じます。若い頃から人間関係や仕事に誠実に向かい合い続け、経済的に成功しても誠実さを忘れない「素晴らしい日本人」像が、読者の気持ちを温かくしてくれます。本作は90歳を迎える徳子さんを中心に本当に魅力的な家族で、綾乃さんもこれからを見守っていきたい気持ちになりました。晩餐会の描写も秀逸です!
紙の本
食卓から過去へ
2023/02/15 07:04
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
祖母の長寿を祝うために開催された食事会から、記憶を遡る旅が始まっていきます。戦争によって引き裂かれた愛に胸が痛むものの、次世代への希望も感じました。
紙の本
終わりかたに疑問が
2023/06/16 19:58
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
90歳のお祝いを自分主催で身内だけの晩餐会形式で開くという徳子お祖母様。
彼女を取り巻く家族の協力のもと、彼女の歩んできた歴史などが紐どかれつつ当日までの流れが描かれる。
上品で知的な感覚の一家で、なかなか素敵。
と思って読んでいるとなぜか最後に孫が住んでいる家の大家さんの話が出てきておしまいに・・・ あれって感じたのは、私だけ?!
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とても良い本だった。
金井家の面々は徳子おばあちゃんをはじめ、みんな品が良く素敵な人たちだ。
おばあちゃんのような博識で好奇心旺盛に歳をとれたら素敵だろうなぁ。
四合院作りの家もとても素敵で気になるけども、最後が家主の兵馬さん家族のお話でおわってしまったのがなんだか残念。
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もう少し先のエピソードも読みたかった…と思いましたが、タイトルの「よき時を思う」を何度か唱えると納得できます。
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宮本輝さんの文章はやっぱりいいなぁ。
読みながらしみじみと感じる箇所があちこちにありました。
核家族が当たり前だった昭和の時代を思い出す。
宮本さんの描く家族、登場人物が私にはなんとも魅力的でした。
90歳の誕生日記念に晩餐会を開くという徳子おばあちゃん。
ドレスコードは女性がイブニングドレス、男性はタキシードと実に華やか。
どうして「晩餐会」なのか。おばあちゃんが語ったその理由にはある想いがあった。
おばあちゃんが上品で凛としていて素敵。
徳子おばあちゃんと孫・綾乃のアイコンタクト、兄妹の軽口などちょっとしたシーンも好き。
物語にはスピード感もなく大きな事件もない。
だけど、静かな味わいがあって良かった。
宮本輝さん、やっぱり好きだなぁと改めて感じた読書でした。
『「桜梅桃李」よ。綾乃には綾乃の良さがあって、それを磨きつづけるほうが大事よ』
『見ていると幸福な気持ちになる。それはやがて「もの」ではなく幸福そのものになる。わたしはそういうものを探して集めてきた。綾乃もそうしなさい。探せば見つかる。探さない人には見つからない』
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90仕事歳を迎える徳子おばあちゃんが
晩餐会を催すと準備を進め、
その晩餐会までのカウントダウンを中心とした、
特に盛り上がりのない物語。
なのに、どうしてこんなに世界観に浸ってしまうのだろう?
いよいよ迎えた晩餐会で、徳子おばあちゃんがこの晩餐会をもとうとした理由がわかり、なんて素敵なんだろうと、「私もどこかで開催できたらいいな」なんて思いました。
『よき時を思う』
過去の栄光や良かった時をふりかえるのではなく、幸せな楽しい未来を思い描く気持ちのこと。
凄く深い言葉に感じます。
ついつい過去を振り返ったり、未来の不安に憂いてしまうことが多い日々けど、そうではなく、幸せな未来を思い描いて、日々過ごしていけばいいという気持ちになりました。
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宮本輝さんの本を初めて読んだのは学生時代、錦繍とかすごく大人になった気がしたのを思い出した。
この本も何というか、とても上質な感じ。登場人物も、晩餐会という設定も、料理や建物や会話、すべて。
四合院造りの建物も想像するだけでわくわくした。
綾乃と先輩の関係もよかった。
起承転結は曖昧だけど、それを上回る宮本輝さんの世界という感じ。
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は〜また素敵な本でした〜
今色々あっても過去を胸にひめ、未来にむかって、よき時を思う人生を生きたいですよね✴️
ぜひ〜
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近江八幡の90歳の徳子ばあちゃんが記念に晩餐会を開きたいと言う。京都の高級レストランでかなり金をかけて。東京で暮らす孫の綾乃から見た家族たちの人生。
素晴らし過ぎる。徳子ばあちゃんがステキだ。大らかなのに細かい所に目が届く。どういう小説なのか説明しにくいが、宮本輝らしい、人生賛歌だった。輝作品読み返したい。
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タイトルが良いなと、日頃あまり読まない宮本輝さんの本を手に取った。
素直に世界観に浸りたい気持ちと、何かが引っかかる気持ちが行ったり来たり。
自分が紆余曲折を経て生きてきたこと、関わってきた人たち全て、それらに思いを馳せ、敬意を払うのはとても素敵で、一人一人の生き、生かされた経験を無二のものにする。
ただ、高等家系の贅を尽くした晩餐会…何か引っかかる。沢山の生き物から出汁をとったデミタスカップに注がれたジビエのコンソメ…高等家系ならではの地位とお宝コレクションと広く卓越したコネクションの数々…
羨ましさも混ざっているんだろうと何度も自分を諌めたけれど、やはり上手く世界観に浸り切ることはできない自分がいた。
ただ、何より私が羨んだのは、家族の仲の良さだろう。絵に描いたような、愛すべきキャラクターばかりの家族が描かれていた。家族の仲が良いのは何よりの幸福だ。
こんな世界もあるのだなと飲み込みつつ、一人一人にとってのよき時を心に思い描く大切な時間を愛しく思った。
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祖母の人生を主として過去を遡ったり現代に来たり、ころころと主人公と時代が変わるのでなかなか読みづらかった。話自体は祖母の終活の晩餐会に向けての思い出やら家族の話やらでほっこりする。
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タイトル買いした作品です。
初めての作家さんで、帯がとても美味しそうという理由からから読んでみようと思いました。
さて、読んだ感想は正直、文章が入ってこない、いや場面を思い浮かべながら読んでたら全然違う場面になってしまい、これいつの間に話が飛んだの?と思うくらいイメージするのが忙しいなと思ったのが私の率直な感想。
武佐の田舎を散歩してたら、いつのまにかお風呂に入っていた。一人称が男性なのに、いつのまにか一人称が女性になっていた。私がぼーっとしすぎているのかもしれませんが、頭に入ってこないので、何度も前後を読み返す羽目になったという感じです。
ただ、ストーリーとしては、90歳の祖母が息子や孫たちに大盤振る舞いみたいな晩餐会を開くのですが、その晩餐会の様子は本当に美味しそうなシーンが多く、おばあちゃんの言葉には素直に傾けたいなと思えるような内容で、ここにこの作品の魅力が全部詰まっていると言っても過言ではないような内容でした。
よき時を思うというタイトルですが、まず90歳の徳子おばあちゃんの終活なのかな?と思うくらい、おばあちゃんがもっている名品を孫たちに分け与えたりしますし、晩餐会も最後の晩餐っていう意味かもしれないです。
ただ、その名品たちが孫たちに行き渡ったあとはそこから未来が生まれともとれますし、豪華な晩餐も明るい未来に向けて頑張るという活力になるのであれば、それはやはり「よき時」なんだろうなと思います。
結局「よき時を思う」とは今から未来に向けて思いを馳せるということなのかなと思います。
そして、そのよき時をまさに今から思うもう1つの家族が生まれたのかもしれませんね。
四合院造りという家にちなんで、それぞれのよき時を思う家族たちは実は別々の家族に見えてどこかで実は繋がっている。そんな作品なんだろうなと思いました。
た私は読むのにかなり苦労したので、今から読む方にはその苦労も味わう覚悟は必要かもしれません。
周りの感想が良い感想だらけなので私の思い過ごしだと良いのですが、そんな感想をいだけるくらいには読み進めたいと思える作品だと思いました。
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「人は生きた様に死ぬ」と何処かで読んだか聞いたかした。この物語おしゃれだし丁寧だし美しい。登場人物の生きる姿勢が清い。しみじみ!!
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宮本さんの作品は昔からたまに読んでいて、今回本屋で見かけたので久しぶりに読んでみようと思った。
両親が滋賀県出身で、子供の頃に近江鉄道に乗ったこともあり、親しみを覚えながら読み進めた。
金井家の話も三沢家の話も気持ちがほっこりとする話でよかったと思った。
ただ最初と最後が何となく唐突な感じでしっくりこなかった。