- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2023/02/02
- 出版社: 左右社
- サイズ:19cm/253p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86528-350-1
読割 50
紙の本
千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話
著者 済東 鉄腸 (著)
受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた−。千葉の実家にひきこもり、独学でルーマニア語を学び、現地の文芸誌に短編小説を掲載し...
千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話
千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話
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商品説明
受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた−。千葉の実家にひきこもり、独学でルーマニア語を学び、現地の文芸誌に短編小説を掲載している著者のノンフィクションエッセイ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
済東 鉄腸
- 略歴
- 〈済東鉄腸〉千葉県生まれ。映画ライター。ルーマニア語で小説執筆や詩作を行う。
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書店員レビュー
動かずに会える人
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
今年になってまだ短いのですが、今年読んだ本の中で一番凄かったです。
あまりにも凄すぎて、本を読んでいるのか、著者に直で会っているのかわからなくなったほどでした。寒い部屋、空腹、読んだときの精神状態は最悪でしたが、本を閉じるときには、最悪な気分はあとかたもなく消え去り、明日この本を注文しなければ、という思いだけがありました。
タイトル通り、本には家から殆ど出ない男性がひょんなことからルーマニア語に出会い、そこからフェイスブックで4000人のルーマニア人に友達申請したり、来日したルーマニアの映画監督にいきなり会ったりして、結果、ルーマニアの文芸誌にルーマニア語で小説を書くようになるまでの顛末が綴られています。しかし、特筆すべきは、引きこもりなのに著者の熱量、語学に対する思い、文学に対する思い、生きることに対する思いが、あまりにも眩しすぎ、熱すぎて、文章を読んでいるだけでクラクラしてくるほどなのです。
こうして文章を書いていてもどうしても鉄腸さんのようにはこの本の面白さを伝えられません。とても悔しいです。
著者の凄いところは、私のような熱狂的な読者を生み出せること。ほとんど移動しなくても、文字を打つだけで、人を動かせるところだと私は考えます。それは著者が、今まで出会ったものや人の素晴らしいところをずっと覚えていて、昇華する能力にとても長けた人物だからでしょう。ずっとそこにいても、多くの人の記憶に残り、そうして全世界に彼の熱を伝えていくさまがこの本には書いてあります。著者の熱は、そのまま著者が昔素敵な言葉を使った誰かから受け取ったもの。ルーマニア語でもあるし、韓国語でもあるし、英語でも、日本語の熱でもあります。
本の中で、「それでも生きていくために人々は新しい言葉を、ここにおいては「x」を産み出していくんだよ。俺はその勇気に敬意を表したい。」という言葉があります。そのままその言葉を著者に贈りたいです。言葉を使うことは、他人に自分の熱量を伝えていくこと。そう鉄腸さんが、教えてくれているような気がします。
紙の本
すごい熱意
2023/05/25 13:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに興味をひかれて読んでみました。好きになったものへの熱意と行動力がすごい。千葉からほとんどでないひきこもり、とありますが、全く、精神は、ひきこもってないというか…。圧倒されました。やる気さえあればできるかも、という勇気をもらえました。
紙の本
情熱的で衝動的だからこそ辿り着いた境地。
2023/07/01 00:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
コスパや効率性、即効性が重視される昨今において、がむしゃらに何かを行うことや闇雲に突き進むことは軽んじられている気がする。それどころか、暑苦しいと疎まれる可能性すらある。
そんな冷笑的で否定的な世間の風潮を一蹴するのが本作。
タイトルの通り、千葉からほとんど出たことのない著者がルーマニア映画との出会いをきっかけに、ルーマニア語の作家となるのだが、そこに至るまでの読書量や映画鑑賞量、SNSを活用したコミュニケーション方法に驚愕させられっぱなし。そして何よりそれを実現可能にした著者の熱量に圧倒されてしまった。
誰もが一度は何かに熱中すると思うが、周囲の声であったり、先述したようなコスパ重視の風潮によって、「無駄だ」と自分で見切りをつけてしまう。そうやって自分で見切りをつけて退くことが賢いのだと。だからこそ信念を曲げずただひたすらに愚直に邁進する著者の様な人たちに対して、身の程知らずだなどの言葉を投げかける人たちが一定数存在するに違いない。しかし本作を読めばわかるはずだ。何かを達成したり、得たりするのに必要なのは効率性や即効性などではなく、情熱であり衝動なのだと。それほどまでの熱気と説得力が著者の一文一文から滲み出ている。