文通小説
著者 眞島 めいり
「あたし、もうすぐ引っ越すんだ」三月二十四日。二年生として登校した最後の日、通知表を受け取って帰っていた道の途中で、貴緒が言いだした。たいしたことじゃないけどいちおう話し...
文通小説
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商品説明
「あたし、もうすぐ引っ越すんだ」三月二十四日。二年生として登校した最後の日、通知表を受け取って帰っていた道の途中で、貴緒が言いだした。たいしたことじゃないけどいちおう話しとくね、くらいの、いつもとまったく変わらない調子で。--中略ーー
「文通……」わたしはばかみたいにくり返した。意味はもちろん知ってるし、なんなら現在進行形で、クラスメイトや他クラスの子としょっちゅう手紙を交換している。便箋の凝った折り方だって五種類くらい手が覚えている。ハートやうさぎ、シャツの形に折ったものを渡すと、貴緒はとくに喜んでくれたから。だけど、この先はそうじゃない。学校で手渡しするのは不可能になるんだ。始まるのは、ほんとうの〈文通〉。貴緒が遠くへ行ってしまうことの現実感が、その単語ひとつにぎゅっと詰まっていた。(本文より)
眞島めいり『みつきの雪』が入試に出題された中学・高校
(*2022年12月20日現在)
■令和3(2021)年度
関西大倉中学校
甲陽学院中学校
追手門学院中学校
実践女子学園中学校
田園調布学園中等部
聖ヨゼフ学園中学校
学習院中等科
吉祥女子中学校
大阪府立東住吉高等学校芸能文化科
佼成学園中学校
■令和4(2022)年度
新潟大学附属新潟中学校
清風中学校
静岡県西遠女子学園中学校
目黒星美学園中学校
関東学院中学校
以上、計15校
目次
1 文通しようよ
2 平さんと能勢さん
3 会いたい
4 雨の街で
5 花の名前は
6 大学図書館
7 友達じゃない
8 約束
9 わたしだから
10夜中の電話
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『文通小説』
2023/07/06 19:36
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「あたし、もうすぐ引っ越すんだ」
「そんな、急になんで、……貴緒がいなくなったら、わたしこれから」
中学2年生の最後の日の帰り道で親友の貴緒(きお)に言われ、戸惑うちさと
「これからは文通しようよ」
貴緒の提案に不安なちさとは飛びつき、友だち、部活、そして進路……悩み多き中学3年生の1年間が始まった
「2018年度 第21回ちゅうでん児童文学賞」大賞を受賞し『みつきの雪』でデビューした著者の第4作、「文学の扉」レーベルから
(『みつきの雪』は中学校15校の入試に採用されているとのこと)
“リアル文通”をモチーフに、“選ぶ”ことに悩み揺れ動く中学生の心を鮮やかに描いた青春小説、2023年5月刊
「そう。いっこずつ考えて選ぶの」
選べなかったちさとの選択がすがすがしい
君たちは永遠に友達でいてほしい
2023/08/01 17:19
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
親友の隆緒が中2の終わりに突然転校するといいだす。いつもとかわらない調子で。そして二人は文通をする約束をする。ラインや他のSNSではなくて。私は永遠に続くと思っていた親友同士の関係、君たちにはずっと仲良しでいてほしい