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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/08/07
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/309p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-391735-1
紙の本
仁義なきヤクザ映画史 1910−2023
著者 伊藤 彰彦 (著)
日本映画は「アウトロー」を如何に描いてきたのか? 関係者へのインタビューを通してヤクザ映画100年余の修羅に踏み込み、「暴力の近現代史」を描き出す。『文藝春秋』連載に大幅...
仁義なきヤクザ映画史 1910−2023
仁義なきヤクザ映画史
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商品説明
日本映画は「アウトロー」を如何に描いてきたのか? 関係者へのインタビューを通してヤクザ映画100年余の修羅に踏み込み、「暴力の近現代史」を描き出す。『文藝春秋』連載に大幅加筆、書き下ろしを加えて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
「死んでもらいます」 健さんが斬る!
「弾はまだ残っとるがよう」文太が吠える!
任俠の起点たる『忠次旅日記』に始まり、『仁義なき戦い』を経て、『孤狼の血』に至るまで、執念の取材でヤクザ映画100年余の修羅に踏み込む。そこに映し出される「暴力の近現代史」を描き上げる画期的労作。
(本書に登場する作品)
「日本映画最初の侠客」尾上松之助『侠客 祐天吉松』(1910)/「落ちていく無頼漢」大河内傳次郎『忠次旅日記』(1927)/「野良犬でなく狼になれ」高橋英樹『狼の王子』(1963)/「死んでもらいます」高倉健『昭和残侠伝』シリーズ(1965~1972)/「インテリヤクザ」安藤昇『血と掟』(1965)/「底知れない虚無」市川雷蔵『ひとり狼』(1968)/「何かギラギラするもの」千葉真一『日本暗殺秘録』(1969)/「ヤクザの青春群像劇」菅原文太『仁義なき戦い』(1972)/「差別のタブーに踏み込む」高島礼子『極道の妻たち 死んで貰います』(1999)/「在日コリアンヤクザ登場」北野武『アウトレイジ 最終章』(2017)/「全編広島ロケ」役所広司『孤狼の血』(2018)/「任侠ファンタジー」本宮泰風『日本統一』(2019)/「元ヤクザの更生」役所広司『素晴らしき世界』(2021)etc.
【商品解説】
著者紹介
伊藤 彰彦
- 略歴
- 〈伊藤彰彦〉愛知県生まれ。映画史家。著書に「映画の奈落」「無冠の男」など。
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紙の本
何度観ただろう、「緋牡丹博徒」
2023/09/21 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この『仁義なきヤクザ映画史』にある著者伊藤彰彦氏の肩書を見ると、
「映画史家」とあって映画評論家とはなっていない。
個々の作品の鑑賞を主眼としてではなく、
歴史のなかの大きな潮流として「ヤクザ映画」が論じられている。
概要で示せば、
1910年代に江戸後期に実在した国定忠治などを題材に作られはじめ、
1930年代には長谷川伸原作の股旅ものは多く撮られる。
戦争を挟んで、1950年代にヤクザ映画も復活。
そして、1960年代空前のヤクザ映画ブームとなる。
おそらく初期の頃のヤクザ映画は時代劇の流れの中で作られたもので、
実際私たちがヤクザ映画ですぐさま頭に浮かぶのは
鶴田浩二、高倉健の二大スターを輩出した東映任侠映画だろう。
世代でいえば、戦後の団塊の人たちが熱狂したといえる。
ただ、このブームも10年ほどで終焉を向かえ、
1970年代に「仁義なき戦い」(1973年)が作られ、「実録ヤクザ映画」へと
シフトしていく。
しかし、社会はヤクザを排除する動きを強め、
映画のジャンルとしてのヤクザ映画もかつてのようなブームは影をひそめる。
伊藤氏はそんな100年余と続いたヤクザ映画を丹念に見ていく。
ヤクザ映画を否定するのではなく、存在した意味を評価する姿勢がうかがえる。
惜しむらくは、藤純子や江波杏子、あるいは「極道の妻たち」シリーズなど、
女性が活躍したヤクザ映画の考察があってもよかったように思うし、
これだけの労作であるから主な作品を年表形式で俯瞰したかった。