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紙の本
何度観ただろう、「緋牡丹博徒」
2023/09/21 16:46
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この『仁義なきヤクザ映画史』にある著者伊藤彰彦氏の肩書を見ると、
「映画史家」とあって映画評論家とはなっていない。
個々の作品の鑑賞を主眼としてではなく、
歴史のなかの大きな潮流として「ヤクザ映画」が論じられている。
概要で示せば、
1910年代に江戸後期に実在した国定忠治などを題材に作られはじめ、
1930年代には長谷川伸原作の股旅ものは多く撮られる。
戦争を挟んで、1950年代にヤクザ映画も復活。
そして、1960年代空前のヤクザ映画ブームとなる。
おそらく初期の頃のヤクザ映画は時代劇の流れの中で作られたもので、
実際私たちがヤクザ映画ですぐさま頭に浮かぶのは
鶴田浩二、高倉健の二大スターを輩出した東映任侠映画だろう。
世代でいえば、戦後の団塊の人たちが熱狂したといえる。
ただ、このブームも10年ほどで終焉を向かえ、
1970年代に「仁義なき戦い」(1973年)が作られ、「実録ヤクザ映画」へと
シフトしていく。
しかし、社会はヤクザを排除する動きを強め、
映画のジャンルとしてのヤクザ映画もかつてのようなブームは影をひそめる。
伊藤氏はそんな100年余と続いたヤクザ映画を丹念に見ていく。
ヤクザ映画を否定するのではなく、存在した意味を評価する姿勢がうかがえる。
惜しむらくは、藤純子や江波杏子、あるいは「極道の妻たち」シリーズなど、
女性が活躍したヤクザ映画の考察があってもよかったように思うし、
これだけの労作であるから主な作品を年表形式で俯瞰したかった。
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