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ドキュメント異次元緩和 10年間の全記録 (岩波新書 新赤版)
著者 西野 智彦 (著)
日本の経済社会に多大な影響を及ぼし続けている、黒田元日銀総裁による「異次元緩和」10年間の記録。その誕生と変貌、リフレ派の勃興と退潮、路線転換をめぐる水面下の攻防まで、世...
ドキュメント異次元緩和 10年間の全記録 (岩波新書 新赤版)
ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録
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商品説明
日本の経済社会に多大な影響を及ぼし続けている、黒田元日銀総裁による「異次元緩和」10年間の記録。その誕生と変貌、リフレ派の勃興と退潮、路線転換をめぐる水面下の攻防まで、世界的に例を見ない政策の舞台裏を徹底検証。【「TRC MARC」の商品解説】
世界的に例を見ない政策の舞台裏を徹底検証。黒田東彦日銀総裁の誕生秘話、「二並び」の背景、リフレ派の暗躍、知られざるドル危機の真実、唐突な政策修正の謎、YCC終結をめぐる攻防、初の学者総裁選出の経緯など。初めて開示される事実の数々から、当局者たちの思惑や動向、苦渋の決断に至る様が生々しく浮かび上がる。【商品解説】
あのとき何が起きていたのか。当局者たちの知られざる水面下の動きを仔細に再現、黒田日銀による異例ずくめの政策を総括する【本の内容】
目次
- プロローグ
- 第一章 「レジーム・チェンジ」の衝撃
- 喜んで、とは言えないが
- 追い詰められた中央銀行
- 共同声明、ぎりぎりの攻防
- 安倍の「一本足打法」
- リフレ派とのめぐり逢い
- 大御所の画策
- 共同声明、苦渋の受諾
著者紹介
西野 智彦
- 略歴
- 〈西野智彦〉長崎県生まれ。慶應義塾大学卒業。東京放送(TBS)報道局長などを務める。日本記者クラブ賞受賞。著書に「ドキュメント通貨失政」など。
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非常に面白かった。ほぼ徹夜で一気読みしました。
2024/01/29 13:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
午後7時過ぎに読み始めて、面白くて止められず、翌日午前3時過ぎに読了。出社して参加予定だった朝の会議を急遽TEAMS出席に変更しました(苦笑)。高い取材力と分析力、構成力で活写されるさまざまな場面は、あたかもその場にいたかのよう。ところどころで披歴される小ネタも効果的かつ印象的でした。現時点で、黒田日銀とそれを取り巻く諸状況を時系列で振り返り整理した文献(ノンフィクション)としては、最高の一書かと。
「任期を終えた日銀総裁には、時の首相が慰労の会を設けるのが恒例となってきた。だが、安倍が白川に声をかけることはなく、代わって労いの席を用意したのは麻生だった。」(27頁)
「それまでの物価情勢から、二年で二%を達成するのは不可能だと前田は見抜いていた。ミーティングの直前、上司から「絶対に「無理」と言わないように」とクギを刺され、「難しい」との表現にとどめた。だが黒田は、ニコニコ笑いながら前田にこう返したという。「だったら、できるようにするだけですね」」(64頁)。
「一足早く、学者から政策当局者に転じた経験を持つ竹中平蔵はこんな感想を口にした。「政策を経験して分かるのは、オール・オア・ナッシングはないということだ。政策は「総合」であり、これをやればすべてうまくいくという打ち出の小槌はないわけです」」(134頁)。
「長期的には生産性や総生産の成長が停滞することになる。量的・質的緩和が持続的成長につながらないのは、一%以下の金利でなければ採算がとれないような投資をいくらしても経済は成長しないことからも分かる。また、長期金利を低く抑える政策を長く続けると、国が一方的な投機にさらされ、国民負担が増えることになる」(235頁、清滝信宏の言葉)。
結局、「デフレは貨幣的現象」であるとの学者連のご託宣(134頁他)はあまりに短絡的であり(こんな誤りは評者にだって直感できる話)、黒田のいう「大胆なマネー供給がインフレ期待を励起する」(134頁他)なんて発想もおよそ一般国民の感覚から乖離していたことも最初から明らかである。(しかも、前者のいわば客観的認識と後者のいわば主観的な認識の理路(関係性)も、実証的に証明されていたわけではなかろう。また、黒田の組織マネジメントにおける欠陥についての指摘(180頁)も重要である。)上に掲げた竹中と清滝の認識が正しいことはいまやあまりに明らかであり、評者個人としては、著者の総括(233~8頁)に全面的に同意する。
電子書籍
異次元緩和の決定過程を徹底検証、読み応え十分
2024/03/17 17:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大量の通貨供給によって物価の押し上げを狙い、10年にわたって続けられた日銀の「異次元緩和」。その舞台裏を追い、妥当性を検証した書である。筆者は元時事通信の記者で、日本の財政・金融政策の決定過程に対する検証ではつとに定評がある。本書でも手練れぶりが遺憾なく発揮されている。黒田東彦日銀総裁の誕生秘話に始まり、初の学者総裁・植田和男が選出された経緯までを丹念な取材に基づき明らかにする。
黒田日銀総裁就任時に打ち出された異次元緩和は、マネタリーベースを2年間で2倍に拡大し、2%の安定的な物価上昇を2年間で実現することを目標に置いた。黒田バズーカと呼ばれた。それが10年も続き、途中にはマネタリーベースの増加ペースの拡大、長期国債の買い増し額の拡大、ETFとREITの買い入れペースの拡大などのカンフル剤を打ったものの効果は薄かった。逆に、積み上がった国債は発行残高の54%に及び、ETFの総額は54兆円に達するなど、日本経済を劣化させる副作用もたらした。
筆者は、異次元緩和の誕生と変遷、リフレ派と呼ばれる論者たちの勃興と退潮、路線転換をめぐる黒田総裁と日銀プロパー、さらには日銀と金融庁、政府との攻防を時系列で追う。誰が、いつ、どこで、何をしたかを押さえることで、政策の決定過程に浮き彫りにする。日本経済は復活の兆しを見せているが、その前夜となる10年を知って損はない。読み応え十分な、お薦めの1冊である。
紙の本
異次元緩和と華々しく登場した分、厳しい評価もされるだろう
2024/02/25 23:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、安倍政権における日本の経済社会に大きな影響を与え、その影響は継続するといわれる異次元緩和の10年を追い、事実に基づいて検証しようとするものである。報道の現場にいた強みを生かし、取材を重ねて、金融政策の異次元緩和の誕生と変遷、リフレ派と呼ばれる人たちの行動、路線転換を巡る攻防を時系列的に記録されている。目次を見ると、
プロローグ
第1章 「レジーム・チェンジ」の衝撃
第2章 「衝撃と畏怖」作戦
第3章 船を乗り換える時
第4章 予想もしない結末
エピローグに代えて
年表 異次元緩和の歴史 となっている。
以上のように展開される。安倍政権は、バブル崩壊、リーマンショックで日本経済が停滞している状況を転換すると3本の矢と称する政策を打ち出した。しかし、国債が積み上がり、大規模な財政政策を実施することが難しい状況で、成長戦略がなかなか出てこないと見えたが、本書では安倍総理が金融政策の一本足打法と指摘する。金融政策で何とかなると思っていたようだ。日銀の動きしだいとなる。黒田総裁がすべてを握っていたということになる。結局、安倍元総理亡き後、円安、株高ぐらいで、国債発行の半分は日銀引き受けという実質「財政ファイナンス」と言われる事態になっている。円安も輸出企業のはプラスかもしれないが、輸入品の値上げで負担が増えた人も多い。黒田総裁前からも低金利政策は採用されており、低金利政策を脱出しようとしたタイミングの悪さがあり、批判されたことは事実である。黒田バズーカと言われ、多くの人が期待したと思うが、政策目標に達せず、退陣していく。副作用を心配する人も多い。リフレ派の政策を見ても、これで本当に大丈夫なのかと思ってしまうが、この記録を踏まえて、何が問題だったのかと踏み込んでほしい。金融政策の解説書ではないので、限界がある。また、今後どんな影響があるのか。知りたいと思う人は多いだろう。それにしても新書で読めるのは喜ばしい。一読してほしい本である。
紙の本
わかりやすい
2024/02/10 17:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この十年間の異次元の金融緩和について、わかりやすく解説されていて、よかったです。功罪を詳しく分析して、これからに生かしてほしいです。
電子書籍
マスコミの沈没
2024/02/20 17:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kraken - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩波とかマスコミとかは、「誰の息子だった」とか「九州人同士の繋がり」とかで世の中の動きを語るのを できるだけ早くやめて、 精緻な検証を行うようにしないと、マスコミは沈没してしまうのではないか。