ミステリー小説集
2024/07/17 17:15
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
屋上、森、塔、神社、研究所―――物理的にも心理的にも閉じ込められた者たちが、異常な状況をどう打開するのか。「脱出」をテーマにしたホラーやSFなど多彩な5話のミステリアンソロジー。
日常のちょっとしたアクシデント的なリアルなものから、時代や土地が違えば起こり得そうなものまで、設定や発想力や文体の違いをじっくり味わえる、アンソロジーならではの魅力が存分に発揮された作品。
「脱出」を文字通りの物理的なものと捉えるか、その後の心の解放と捉えるか、読後も後引くイヤミス。
囚われの魔女と監視役の修道女を描いた「鳥の密室」が特に印象に残った。人の記憶や価値観がどう固まるのか。そうありたいと思い込み、信じ込んで創り上げた虚像に気付くまでの切ない心理描写が、痛々しくも美しかった。
ちょっとグロテスクな表現もあるから苦手な人は注意
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屋上、森、塔、神社、研究所―――物理的にも心理的にも閉じ込められた者たちが、異常な状況をどう打開するのか。「脱出」をテーマにしたホラーやSFなど多彩な5話のミステリアンソロジー。
日常のちょっとしたアクシデント的なリアルなものから、時代や土地が違えば起こり得そうなものまで、設定や発想力や文体の違いをじっくり味わえる、アンソロジーならではの魅力が存分に発揮された作品。
「脱出」を文字通りの物理的なものと捉えるか、その後の心の解放と捉えるか、読後も後引くイヤミス。
囚われの魔女と監視役の修道女を描いた「鳥の密室」が特に印象に残った。人の記憶や価値観がどう固まるのか。そうありたいと思い込み、信じ込んで創り上げた虚像に気付くまでの切ない心理描写が、痛々しくも美しかった。
ちょっとグロテスクな表現もあるから苦手な人は注意
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの作品とは言わないけど、読んでて眠くなったのもあった。
他の作品も、総じて、すごいおもしろいっていうのは無かった。
可もなく不可もなくっていうレベル。
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どの作品とは言わないけど、読んでて眠くなったのもあった。
他の作品も、総じて、すごいおもしろいっていうのは無かった。
可もなく不可もなくっていうレベル。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
あくまでも、自分だけの感想ですが、期待したほどではなかったです。脱出というので、もう少し、面白いかなと予想しましたが。ぜひ、ご自分でお読みになって判断ください。設定はいろいろで、屋上とか、魔女狩りとか…
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バラエティに富んだ脱出ミステリー短編。
サマリア人の血潮、の記憶喪失且つ閉鎖空間という
シチュエーションが良かった。
正直他はあまり好みではなく、、
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収録作
「屋上からの脱出」 阿津河辰海
閉じ込められた深夜の学校の屋上から抜け出す方法を探せ
「名とりの森」 織守きょうや
入ると自分の名前を奪われる森から、親友を助け出せ
「鳥の密室」 斜線堂有紀
魔女として処刑される前に、塔の最上階から逃げ出せ
「罪喰の巫女」 空木春宵
不可解な仕掛けに囲まれた神社の秘密を解き明かせ
「サマリア人の血潮」 井上真偽
謎の研究上の出口を目指し、失った記憶を取り戻せ
どれも面白い話でした。物語を全て読んだ後にもう一度読んでみると「あっそういうことだったのか!」と気づかせてくれる作者にはもうやばいとしか言いようがないです(笑)また記憶を消してもう一回読みたいです。本当に面白い話だからぜひみなさんにも読んで欲しいです。
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脱出
脱出をテーマにした短編ミステリー集
阿津川辰海 屋上からの脱出
とあるカップルの結婚式。友人として招かれた一ノ瀬。結婚式に参加しながら、二人の馴れ初め、そして彼らと共通の部活で起きたとある事件について、同じく招かれていたハルと話しながら詳細を思い出していく。
性格柄か、何をそんなに驚いているのか、事件の真相と隠された事実について、微笑ましいとまで読み取ったのだが、現代の読み手はこの様な事は想いがねじ曲がっていると感じるのだろうか。僕にはとある二人の行動は普通だと思うし、されたら嬉しいのだが。阿津川辰海は歴代短編も漏れなく面白いのだが、今作は登場人物のバッグボーン含めあまり楽しめなかった。
こんな設定でも密室にできるんだなあと感心した。
織守きょうや 名とりの森
ノスタルジーを感じる舞台設計に森に入ると出られなくなると言うオリジナリティ。唯一、自身の名前を呼ぶ事が森の外に出る為のルール。
現実的な要素では無いファンタジー的な要素の組み込みがうまく、あっという間に読み終えてしまった。各キャラクターがまだまだ確立されておらず、それぞれの登場人物の背景を広げながら長編でも読んでみたいと思った作品だ。(ほんの少しだけ、スパイス的にホラー要素があっても良いなぁと思った)主人公の年齢設定とそれに見合った友情が素敵だ)
斜線堂有紀 鳥の密室
魔女狩りをテーマにした作品は、大体が壮絶で聴くに耐えないストーリーになるのだが、今作も例に漏れず胸糞悪い背景の作品だ。
魔女と言われ捕まえられたマリアがあれだけ多くの拷問に耐えた理由に衝撃を感じ、彼女がどの様にして密室から消え去ったのかはある意味ミスリードされたトリックだと思う。僕はそうなっているだろうと予想はしたが、動機は全く違った理由で捉えていたため、動機がわかってからも衝撃は醒めなかった。
空木春宵 罪喰の巫女
文体が難しく読むのが大変な作品だった。その分、雰囲気が充満しており、知らず知らず世界に飲み込まれそうになった。ストーリーも幻想的で、戦後の設定なのでそれ程時代設定が古い訳では無いはずだが異様さに満ちている。
トリックは異様で、そして最後は驚きの結末になっており、この文体で物語を進行させた理由が読み取れる様な気がした。
罪を犯した人々とその罪を喰らう巫女、その巫女を書こう神社と謎に満ちていたが短いなかで見事に伏線を回収している。読みやすければ長編でも面白そうな作品。
井上真偽 サマリア人の血潮
今作で一番面白いのはこの作品だろう。作風へ暗くヒリヒリするが、きちんと物語が完結されており、正しく短編として面白い作品だ。
世界観は最初は理解できないが、徐々に解明されていき、それでも最後の最後まで謎を提供し続けて見事に回収までしている。トオルとカズトの関係性そのものが物語のベースだが、最後とある事実で一気に事件がひっくり返る印象だ。今後、どの様に作中の人々が生きていくのか。久しぶりに余韻に浸れた作品だ。
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短編集。
私の思い描いていた「脱出」より、より広義な意味での脱出がテーマだったかな…。
阿津川辰海さんの屋上に閉じ込められて…というのが最も私の思う脱出に近かったんだけれども、途中何だか策略が読めて、冷めてしまった感がある。
もっとこう、皆が脱出に向けて一丸となってという話が読みたい。
織守きょうやさんの森から出られなくなる話は好み。なぜか名前を思い出せなくなってしまうという設定と、真相は分からないがなぜ森が人を離してくれなかったのかその理由を面白く感じた。
私にとって森は神秘的だが恐ろしい場所でもあるので、森に囚われるという話は結構ドンピシャだった。
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3作目、4作目は絶対自分が読めないタイプの話だと分かったから飛ばしちゃった。
50ページ弱だからか、初めて阿津川さんの話が理解できたのがビックリ。
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「脱出」というタイトルで勝手に密室からの脱出ミッションのような短編が入っているのかと思っていたけど、密室に限らず、でした。
同じ一文の書き出しから始まる系もそうだけど、同じテーマでも個々でそれぞれの色がありおもしろい。表紙にミステリー小説集とあるけど、これはミステリー小説集なの…?という気持ちはありますw
個人的には一番最初の「屋上からの脱出」がイメージしていた内容に近く一番読みやすかった。
阿津川辰海「屋上からの脱出」
天文部の合宿で、学校の屋上に閉じ込められ……?
井上真偽「サマリア人の血潮」
目を覚ますと、見知らぬ研究所で記憶を失っていた。
空木春宵「罪喰の巫女」
人を喰う巫女が棲むという神社を訪れた女の目的は?
織守きょうや「名とりの森」
その森に入るものは、「主」に名前を奪われる。
斜線堂有紀「鳥の密室」
魔女狩りが横行する町で囚われた女の秘密とは――
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「屋上からの脱出」阿津川辰海
「名とりの森」織守きょうや
「罪喰の巫女」空木春宵
「鳥の密室」斜線堂有紀
「サマリア人の血潮」井上真偽
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想像していたミステリーとは違ったけど、ジャンルが幅広くて、自分では絶対に選ばないジャンルを読むことができたので良かった。
阿津川辰海「屋上からの脱出」★★★★★
学園ものミステリー。
自分の好きなミステリーで、やっぱり阿津川さんは面白かった。
学校の真冬の屋上に閉じ込められるスリルもあり、最後の1行まで楽しめる。さすが阿津川さん。
織守きょうや「名とりの森」★★★★★
ジャンルはホラーなのかな?
没入感が高く、ゾッとするセリフが上手い。何度も驚いた。普段読まないジャンルだけどすごく面白かった。
斜線堂有紀「鳥の密室」★★☆☆☆
魔女狩りの拷問の様子が辛かった。
人が身体的に苦しんでいる様子を読むと苦痛に感じるので、自分には合わなかった。
拷問以外のストーリーは良かった。
空木春宵「罪喰の巫女」☆☆☆☆☆
文体が苦手で難しくて頭に内容が全く入ってこなくて、途中で諦めることは滅多にしないんだけど、どうしても無理でした。ごめんなさい。
井上真偽「サマリア人の血潮」★★☆☆☆
ゾンビものが苦手なのもあるし、主導権を全て握られて勝手に進んでいく感じが合わなかった。
記憶喪失が断片的に戻っていって真相が徐々にわかっていく所は面白かった。
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斜線堂有紀の「鳥の密室」は斜線堂らしい痛さを十分感じさせてくれ、インパクトの点からダントツで忘れられない。
「屋上からの脱出」は定番の紐付きトリックではあるが、男女間恋愛の微妙な結末が面白い。
織守きょうやの「名とりの森」のファンタジーミステリー感は、名前さえ忘れてしまう異世界からの脱出というテーマが面白い。最後の友達との邂逅は後味の良い結末だった。
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『脱出』をテーマにしたアンソロジー。5話収録。学校の屋上、呪いの森、魔女の塔、巫女を祀る神社、地下深く掘られた研究所…など様々な場所とシチュエーションで楽しめた。私的には学園モノやジュブナイルが好きなので、阿津川作品と織守作品が面白くて好き。斜線堂作品は読むほどに苦しい魔女狩りの話で脱出も切なかった。空木作品は文章が難しいが幻想的でゾワッとした。井上作品は他より頁数が多く近未来を舞台にしていたが失った記憶を取り戻しながらの脱出劇がハラハラ感を覚えて良かった。