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この本は批判される部分がたくさんある。
それでも文明の衝突という概念は、今後の国際政治において重要だと思う。
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現代の世界の構図を、「国の"力"関係」「文明」という切り口から語ったもの。
第1章、第2章は読みやすく、わかりやすい。
著者の主張を単純明快にし、読者のためにまとめたところである。
第3章はゆっくり読んで内容を理解したいところ。
米同時多発テロ以前に書かれたものだが、その先見の明というのは
鋭いものがあるだろう。
感想としては、下記のことを強く思った。
「わかりやすく、読みやすくしようとしている。
ただ、わかりやすいこと著者の分析が正しく伝わることの
妨げになることもある。」
わかりやすい、読みやすいというのは新書のいいところである。
しかし、一般読者向けに書かれており、わかりやすくしようとしているがゆえに
分析の緻密なプロセスや主張の厳密性が欠けてしまうこともある。
とっかかりとして読み、興味があればより専門的な本へも手を出してみたらどうだろうか。
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どれだけの文化がぶつかって来ただろうか。
映画や書籍などなど、文化の衝突を描くものをたくさん見てきた。中国へ来て、異文化というものを体で感じながら、思わずこの本の意味を考えてしまった。
文化を軸にした世界へ。
21世紀。どうする日本。
そんな事に思いを馳せてしまう本。
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「文明の衝突」の要約版というよりは、説明版、解説書的な感じ。
補足、修正、反論に対する再反論の入った版。
補足解説、柔らかな修正(理論補強)が入っているため、
「文明の衝突」よりすっきり読みやすい。
ただ、要約版というわけではないから、
やっぱり「文明の衝突」を読んでから読むほうがいいと思う。
2009年2月読了。
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この本でいわれてることは今では古い。
「衝突を起こしてるのは文明じゃなくてオイル、資源だよ」と友人の弁。
でもこの本のもとの本の『文明の衝突』が書かれたのはテロ以前の1993年なので
それを考えればすごい?かも?
でも同じことの繰り返しもかなりあったし日本のことにあまり言及されてなかったので残念。
国際政治とか文明間の対話について急遽知る必要があったので読んでみました。
・冷戦後の世界において国々の違いは文化の違いであり、国々を文化的に最も大きく類別するものが文明である。
・世界政治の構造は一極・多極(uni-multipolar)世界
・文明を定義する要素のなかでもっとも重要なのは宗教である。
・イスラム世界による挑戦は人口爆発に根ざしている。
・唯一の例外であるイランを除いて、現在、すべてのイスラム国家がよりイスラム的になり、イスラム教徒の衣服、イスラム的な振る舞い、戒律はイスラム的な色彩を強めている。
・イスラム教徒が暴力に頼りがちな原因の一つは、イスラムにはリーダーシップを行使する中核国家が存在しないことにある。
・第二の原因は出生率の高さ。15〜24歳の若者が人口の20%以上を占めると社会は不安定になり暴力や紛争がエスカレートする
・文化と文明の違いは人々を分裂させ、文化的な類似性は人々をつないで信頼と協力をうながす
・ユーゴスラビアでの戦争における他国の支援は文化的な親近感のため
【日本】
・文化と文明の観点からすると日本は孤立した国家
日本文明が日本という国と一致している
・近代化に成功した非西欧の国でありながら西欧化しなかった(アメリカとの違い)
・近代化が革命的な大激動を経験せずに成し遂げられた
危機に見舞われた場合、日本に文化的なアイデンティティを感じるという理由で他の国が支援することを期待できない
・日本、ロシア、インドの位置が重要
・日本は一貫してバンドワゴニング(追随)の戦略をとって大国と同盟を結んできた
・自らのアイデンティティを決定するためにも政治を利用する。人は自分が誰と異なっているかを知って初めて、またしばしば自分が誰と敵対しているかを知って初めて、自分が何者であるかを知る。
・最も危険な文化の衝突は、文明と文明の断層線にそって起こる。
・文明によって政治や経済の発展に大きく差が出る理由の根底には、明らかに文化の違いがある。
・文明と文化は、いずれも人々の生活様式全般をいい、文明は文化を拡大したものである。いずれも「価値観、規範、社会制度、ある社会で何世代にもわたって最も重要視されてきた思考様式」を含む。文明とはある空間、ある文化の領域
・文明は包括的
・文明の輪郭を定めるのは客観的な要素と人々の主観的な自己認識の両方
・文明の衝突とはグローバルな広がりをもった種族間の紛争である。
通常は冷淡で、多くの場合、敵対的である
・断層線の紛争はイスラム教徒と非イスラム教徒のあいだに起こることが特に多い
・文明間の最初の紛争は1979〜89年のアフガン戦争(ソ連対アフガニスタン)
イスラムはイスラム世界の勝利だと考えた
・宗教がわずかな相違などではく人間と人間のあいだに介在する最も深刻な相違
・暴力的な戦争は異なる神を信ずることが原因
・国際的なネットワークのため国家間の援助が容易になり戦争が長期化した
・文化は相対的であり、道徳は絶対
【文化の共存】
・文化の共存に必須なのはほとんどの文明に共通な部分を追求すること
普遍主義を放棄して多様性を受け入れ、共通性を追及すること
アメリカの多文化社会論はアメリカの社会を分裂と混乱に向かわせ、アイデンティティの一大喪失を招くことが洞察力のある人なら誰にも明らか
・
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(2009.02.02読了)
ワールド・トレード・センターにイスラム過激派が、ハイジャックした航空機で突っ込んだ事件は、ハンチントン氏の「文明の衝突」の理論の正しさを証明した、とか言われました。それ以来、「文明の衝突」が、よく取り上げられます。
著者のハンチントン氏は、2008年12月24日に亡くなられました。
「文明の衝突」を読んでみようかと図書館で手に取ってみたら、5百数十ページもあるので読み始めるには覚悟が必要と判断して、借りるのはやめました。
検索すると、「文明の衝突と21世紀の日本」というのが、集英社新書で出ており、手に取ってみると、講演の記録「21世紀における日本の選択―世界政治の再編成」(1998年12月)、雑誌の論文「孤独な超大国」(1999年3・4月)、「文明の衝突」の抜粋、で構成されているということでした。
新書版で、「文明の衝突」の抜粋が読めるならこっちの方が手軽でいいかと判断し、読んでみました。
ハンチントン氏の理論の骨子のみがある感じで、理論を裏づける具体例の部分がそっくり抜け落ちている(多分)ようなので、読んでも何も残りませんでした。
やはり、「文明の衝突」そのものを読むしかないでしょう。
「はしがき」に今後の国際政治のとエンドについてまとめてあります。
・冷戦時代は政治やイデオロギーによって国家間の協力関係や敵対関係が決まり、世界の国々は大まかに「自由世界」、共産圏、第3世界という三つのグループに分かれていた。だが現在は、文化ないし文明という要素によって国家の行動が決定される傾向が強まり、国家は主に世界の主要な文明ごとにまとまっている。すなわち、西欧文明、イスラム文明、東方正教会文明、中華文明と、それぞれの文明ごとに国家のグループができているのである。
・冷戦時代におけるグローバルな力の構造は、二つの超大国の支配する二極体制だった。だが、今出現しつつある世界の力の構造はもっと複雑であり、一極・多極体制とでも呼ぶべきものだ。この体制を構成するのは一つの超大国(アメリカ)と、世界の特定の地域は支配できるが、アメリカほどに世界的な影響力をふるえない七つか八つの地域大国、各地域でしばしばこれらの大国とリーダーシップを争うナンバー・ツーの地域大国、そして世界政治にあまり大きな役割を果たしていない他のすべての国々である。こうした力の構造は、一方の超大国と他方の地域大国との間の対立を促す傾向がある。
著者 サミュエル・ハンチントン
1927年、ニューヨーク市生まれ
1950年から2007年までハーバード大学で教壇に立った(国際政治学者)
1977~78年、カーター政権の国家安全保障会議のコーディネーターを務めた
1993年、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に論文「文明の衝突」を発表
1996年、論文に加筆して「文明の衝突」を出版
世界が西欧、イスラム、中国、日本など8大文明圏に分かれ、共存を拒否しながら紛争を巻き起こすとの内容は大きな論議を呼んだ。
2008年12月24日、死去、享年81歳
(2009年2月15日・記)
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-世界の安全性を守るには世界の多文化性を認めなければならない-
1993年に発表された「文明の衝突」をベースに、図による解説を加えたり、日本の読者向けに開設した一冊。一流の国際政治学者の世界を分析する目がどんなものか、一度はめを通しておきましょう。もし、30分しか時間がないなら、図だけみてもいいし、あるいは解説だけ読んでもいいかも。なお、解説は必ず読みましょう。日本人として「文明の衝突」をどう見るべきか書いてあります。
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【9】
まさかここまで斬新に世界観を示してくれるものであったとは…。さすがは世界のサミュエル・ハンチントン。彼の本はまた機会をみて読んでみたいと思う。
国際関係学を勉強している人は必読!!僕もレポートの参考文献として使用して、結果的に高評価を受けました♪
【読書終了:07/07/11】
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文明同士の反故が冷戦後の世界の対立を主導する、という理論展開を行った『文明の衝突』の補足。内容としては、結構納得するなぁー、といったところか…。また日本の今後の行き先を提示している点では興味深い。ただ、地政学、の一種だから、どんなもんだか…。カバーストーリーだったら嫌なもんだ。。
ところで、『文明の衝突』に対する講評を見ると、素人でも分かるミスが多く、理論としては疑問が大きい、という反応が大きいようだ。
まぁ、『文明の衝突』を読んでから話せって話だがな…。
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国際関係論・国際政治の入門書。
世界を7つのブロックの文化圏に分けて、それぞれに
対して懸案などを分析していた。
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セオドア・ローズベルト
「この国を破滅においやり、いやしくも国家として存続していくためのあらゆる可能性を阻む唯一絶対の方法は、
この国がさまざまな民族同士でつまらぬ争いをしあう混乱の場になることを黙認する事である」
西欧文明の遺産によって規定された、アメリカ的信条
・自由・平等・民衆主義・個人主義・立憲主義・私有財産
奴隷制、拷問、個人に対する激しい虐待は現代の世界ではしだいに要員されなくなっている。しかし、
これはひとえに西欧文明が他の文明に与えた結果であろうか、それゆえに西欧の力が衰退すれば道徳の
交代がおこることになるのだろうか?
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センセーションを巻き起こした「文明の衝突」の簡略版。その賛否はともかく、現代の文明論では避けられないインパクトをもつ。
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冷戦後の国際関係論。論拠があまり示されていない気がしたが、その部分は『文明の衝突』を読めということか。この本のように文明をすっぱり分けて考えて良いものなのかどうかが疑問。
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「はしがき」にあるとおり、S.ハンチントンによる、講演「二十一世紀における日本の選択――世界政治の再編成」、99年3、4月号『フォーリン・アフェアーズ』誌掲載の論文「孤独な超大国」、それから同誌93年夏号発表の論文から派生した『文明の衝突』からの抜粋によって構成されている。冷戦後の世界がどうなるかという問題について、西欧文明の浸透によって世界が一つになる、との見方を真っ向から否定する立場。冷静な分析と、何よりも以後の歴史が主張に説得力をもたせている。
もちろん、新たな分析が求められている部分もある。とくにオバマ政権になって以後、アメリカもハンチントンが警告していた当時の色からはずいぶん変化したように思える。自らを超大国と見なしていた位置から1段下がり、中核国の一つとなろうとしているのではないか。そのうえで、いまのアメリカが世界にたいしてとっている立場がどのようなものか、ふたたび見定めなければならない。でも理論の根本にかかわるような部分では、世界は当時と何も変わっていない。
日本の現在を考えるうえで、次の箇所が目を引いた。
来るべき時代の異文明間の大規模な戦争を避けるには、中核国家は他の文明の衝突に介入するのをつつしむ必要がある。…(中略)…この不干渉ルールは多文明的かつ多極的な世界にあたっては平和の第一条件である。(p.180)
日本がこれまでとってきた海外派兵を慎む態度は、ハンチントンによれば正しかったということになる。「最も重要な孤立国」である日本は、日本以外のどこかの国が戦争を始めたとき、文明的な家族関係からその戦争に干渉する必要はない。それにもかかわらず、最近はアメリカにたいして「バンドワゴニング」すぎたのか、海外への派兵を認めるとする動きが高まっている。9条などとは関係なく、「我関せず」の態度を一定程度保っておくこと、越えてはならない一線を明確にしておくことも忘れてはならない。
直接的に書かれていたわけではないけど、人類学の必要性について再確認できたのがよかった。
文化は相対的であり、道徳は絶対なのだ。(p.183)
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異なる文化や文明がそのまま衝突を意味するわけではなく、大義名分として利用されることがあるというだけのことだと思うし、批判する説も良く耳にする。
とはいえ、これぐらいは読んでおいてもいい。国際関係の本は楽しいし。