紙の本
2002/05/04
2002/05/10 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経流通新聞MJ - この投稿者のレビュー一覧を見る
知られざる販促の極意
「新・辛口」「炭濾過(すみろか)」「グリーンラベル」。ビール・発泡酒メーカーが最近出した商品の名前を聞いて、どのメーカーかを言い当てるのは至難の業だ。消費者も店頭で何を基準に選んだらいいのか、分からなくなっているのではないか。なぜこんなことになるのだろうか。
マーケティング論の世界では、消費者の混同・混乱を引き出し、新たな大ヒットを作らせないようにするのも、重要な戦略だそうだ。新しい大ヒットがなければ、いま市場で優位にある商品の寿命がそれだけ長くなるからだ。
A社の新製品は何ら新鮮味がなく当社にもこんな商品があるのです、と他社製品の特長やカテゴリーを自社に都合よく位置づけ消費者の印象を悪くする手法を、マーケティングの世界では「ポジショニング」という。他社とちょっとだけ違う新製品が相次ぐ発泡酒戦争はポジショニングが乱れ飛ぶあくなき消耗戦とでもいえるのだろうか。
米国では企業のこうした販売戦略の研究が進んでいる。とくに巨額の広告宣伝費が動く清涼飲料水市場は、ビール・発泡酒に限らず日本のあらゆる消費財の販促を考えるうえで参考になる。具体的な戦略を詳しく知りたいのなら、コカ・コーラの伝説的なマーケット戦略立案者セルジオ・ジーマン氏が書いた『そんなマーケティングなら、やめてしまえ!』(ダイモンド社)がお薦めだ。
ライバル社が「クリスタルペプシ」という新商品を売り出したとき、ジーマン氏はこの商品をダイエット飲料のカテゴリーに位置づけたうえで同じカテゴリーの新飲料をぶつけることにした。単なる競合商品の投入ではなく、消費者を混乱させ、自らの商品も含めて市場全体を葬り去るのが目的だった。それによって清涼飲料市場で自社の既存商品の位置を守ったのだ。
大失敗だったとされる「チェリーコーク」は実は大成功だったという話やスプライトに秘められた大胆な商品戦略など、ジーマン氏の話はいずれも興味深い。具体例が豊富で、わかりやすく、あっという間に読め、しかも日本の現状を考えるのに役立つ。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
投稿元:
レビューを見る
コカコーラのマーケティング責任者を務めた著者が、パワフルな持論を明確に主張する。マーケティングと広告をあわせた説明のため、最初は戸惑ったが、内容は興味深く読めた。
ペプシのポジショニングのくだりは生々しくて面白い。ベーキングソーダ(重曹)の消臭や流し台洗いに使えることを明確にしたブランディングの賞賛も納得できる。
CMでの実験手法の活用は認めるが、いまいち馴染めなかった。なぜかを著者の主張で、頭をすっきり整理できたよ。
「マーケティングの唯一の目的とは、より多くの商品を、より多くの人に、より高い頻度で、より高い価格で販売することだ」
本スローガンが示すように、とことん合理的で現実主義に立脚したアグレッシブなスタイルで語られる。
投稿元:
レビューを見る
■購入理由
昔、会社の年配の方からもらった本。
■感想
一人のマーケターの考えが、凝縮している本。
(※元コカコーラ社マーケティング最高責任者)
何十年もマーケに関わったものならではの考えが凝縮している。
一マーケターとしての考えとして、心に留めておきたいと思う。
■興味を持った箇所
・マーケターは、戦略や戦術を開発する事によって給料をもらっている。
(P257)
・戦略的な思考法を自分の生活の一部に組み込むこと。
無意識に行うだけでなく、意識的にいついかなる時も
実行しなければならない。
(P52)
・マーケターは、消費者の生活環境全体を理解すべきである。
(P125)
投稿元:
レビューを見る
---著者略歴---
元コカ・コーラ社マーケティング最高責任者(CMO)。
コカ・コーラのCEOに16年間君臨し、同社の株価評価の総額を35倍にした伝説的経営者ロベルト・ゴイズエタのもとで、数々の画期的なマーケティング戦略を実行し、非常に独創的で強いリーダーシップを発揮。
図書館でタイトルが目についたので借りてみた。
一般的にマーケティングコストという言葉が使われており、景気が悪くなると広告宣伝費や販売促進費といったものは真っ先に削られる。
マーケティング≠経費
マーケティング=投資
著者はマーケティングは売上を伸ばすために行うものなので、投資であると考えなければならないという。
より大きな投資を行うことでより大きなリターンを得られるのだと。
コカ・コーラ社のような世界を代表するブランド、莫大なマーケティング予算を確保できる企業だからではないか?と思ってしまう。
が、読み終えてみると、このような考えで事業を推し進める人がいたから、潤沢な資金を成長に注ぎ込むことができる企業になれたのではないかと感じるようになりました。
『マーケティングを行う唯一の目的は、より多くの人々に、より高い頻度で、より多くのお金を使わせ、自社商品を買ってもらうことである。』
確かに売上を伸ばすことという風に明言してしまえば、マーケティング担当者は逃げ出すことはできなくなりますね。
そのように考えないと結果を出すことに拘るのも難しいかもしれません。
おまけ。
他の本でもコカ・コーラ対ペプシの競争を引き合いにだし、コカ・コーラ社の戦略は何度も迷走したように書かれているが、その内のいくつかは戦略的な狙いがあったと述べている点もあり、すべてをなるほどと捉えることは危険かも。
投稿元:
レビューを見る
新しいマーケティングとは
利益最大化のために、きちんと目的を
設定し、目標を立て、サイエンティフィックに
実施するもので、投資である。
という主張。
ただ、やはりマーケティングという言葉の
意味がぶれているような気がする。
商品企画から流通、プロモーションまでを
含むものが来週マーケティングであるからだ。
コーラの経歴が長いため、そこがコーラ流に
染まっているような気がする。
考え方は同意。
ナイキはそこまでいってない。のが課題。
投稿元:
レビューを見る
「マス向けマーケは死に絶えた」 という筆者の主張。
tiwtter,FacebookなどのSocial Servieが台頭する前にすでにマス向けマーケが死んでると主張してたんだね
【Point】
◆筆者
80~90年代の16年間、コカコーラのプロモーションのトップだった
◆マーケティングの唯一の目的
より多くの商品を、より多くの人に、 より高い頻度で、より高い価格で販売すること
◆マーケティングは魔法ではない
マーケターは専門教育を受けた者以外がしてはならないが、魔法使いではない。アートではなく、科学だ。実験、測定、分析、改善、 そしてそれを繰り返すこと。
◆目的地を決定せよ
どこに行けるかではなく、どこへ行きたいかによって決定されなければならない
◆目的地に到達するための戦略は自分で決めよ
戦略が核である。戦略が「消費者に伝えるべき全て」をコントロールする。消費者が何を求めているかを判断し、それを提供せよ。あなたが提供できるものを見つけ、それを消費者が求めるものにせよ(前者の方が、後者よりはるかに容易)。商品を購入すべき理由を提供し続けよ。より高い頻度で来店させ、 より多くの物を、より高い価格で購入してもらうために。
◆各ブランド毎に、各マーケティング・リージョン(地域)毎に結果を測定せよ。コストではなく、投資だ。ROIをチェック。売上ではなく利益に、マーケットシェアではなく実質的な消費に、 ブランド認知度ではなく将来の購買シェアに焦点を置く。
◆ブランド構成要素を駆使せよ
商標イメージ、商品イメージ、ユーザ・イメージ、関連性イメージ
◆魚のいるところで、釣りをせよ
あなたの商品を買いたいと思っている、 また買う金を持っている消費者に最大の販売努力を払う。顧客に全く新たな行動をさせたり、行動を変えさせたりするよりも、 現在の行動回数を増やさせたり、行動の幅を広げさせたりするほうがはるかに容易。
◆SOB(ビジネス・ソース)を常に考えろ
次はどこで売るのか。どこから利益を上げるか。売れるものを売り続けろ
◆広告代理店の仕事は、それを私が決めた戦略をいかに効果的に消費者に伝えるかを考えること。一社の広告代理店だけで、全ブランドのニーズを満足させることはできないから、明確に測定出来る結果を出せる広告代理店を競争させる。
投稿元:
レビューを見る
80年代にペプシの猛追を受けたコカコーラ社のマーケティングマネージャーであった著者は、莫大な予算を使って綿密な消費者調査を行なって、統計上は間違いなくペプシよりもおいしいコカ・コーラのリニューアル品(ニューコーク)を作り上げ、自信満々に発売したが、その「ニューコーク」は史上最大の大失敗となった。それはなぜか?そして、著者は世紀の大失敗からわずか77日でコカコーラを復活させる新商品(?)を出し、その後コカコーラ社史上最大の売上を達成した。読み物としておもしろいし、マーケティングとはお客様の心にブランドという信頼(知覚品質)を刻み付けることだと思わされる良書だと思います。絶版ですが推薦します。中古でAmazonででも買って読んでみてください。2010年に別の書名で再販されましたが、最初の書名の方が断然好きですね。
投稿元:
レビューを見る
「マーケティングを行う唯一の目的は利益を出すことである。」、「フィールド・オブ・ドリーム的アプローチ(それを作れば客は来る。)」、「目的地がなければ、空港にいる逃亡者と同じ」、「プランのないゴールは単なる願望に過ぎない。」、「商標・商品・関連性・ユーザー・使用 5つのイメージ」、「Define Overdeliver Claim Success」、「ジョークの作り方 セットアップ(導入部分)、デリバリー(中心部分)、パンチライン(落ちの部分)」、「より多くの買う理由を与える」、「魚のいるところで釣りをしろ。」、「コンバージョン・レート(潜在的な顧客が実際の購買者に転換する割合)」、「TACOS:Trademark + Area + Consumer = Success」、「Source of Business」、「グラスに水が半分入っているでも半分空でもなく、水が漏れているかもしれないから取り替えるべきだ。」「5段階レベルの決定」