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タイトルの不倫という言葉が不釣合いなほどに、しっとりと胸に響く短編集でした。南米(アルゼンチン)の色濃い風景と空気の中で語り綴られる人生の断片集という趣…。
ばなな氏の小説の中でも特に文章が洗練されているのでは?と私は思います。
胸に心地よく響く美しい文章と、原マスミ氏の独特のインパクトの強いイラスト、山口昌弘氏の躍動感溢れる写真という組み合わせが贅沢な本です。
サブマリーノって飲み物、飲んでみたいです。
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不倫って切ないよなぁ
だって帰っていっちゃうんだもん
そんなのはいやだな
この本でその感覚を感じる限り
不倫ってやっぱり、どこか無理があると思う・・・
でもこの本は大好きです
文章がすごくきれい
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「デットエンドの思い出」よりも深く静かに、残酷なほど・・・(体がもっていかれそうなほどの空の青と赤い土や土砂のような色した滝の写真やなんかは)・・・かなしい小説な気がした。設定や男女の関係、土地の強烈な地場力に歴史、自然や動物の屈しないハードな生命力、これまで読んだ吉本作品の中でもかなりタフな作品ではないだろうか。南米の持つ日本とは違う色彩で物語も違う色彩を手に入れたようだ、原マスミ氏の描く絵もインパクトがあり、根深くてコントラストが効いていて強さを持っている。ふんわりとは違う骨ばったこういう作品もわたしはすきだな。
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読まず嫌いだったけど良かった。
タイトル、各話の文章量、区切りで入る原さんの絵、どれもが上手く合わさって、程よい緊張感を持って進んでいく。
南米という日本の裏側の、価値観も景色も違う旅先で思いだすのは日本のくらしのなかの、あたたかいような、なまぐさいような、せつないような、日々のディテールで、この南米っていう設定がスパイスのように効いているような気がする。
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すごいタイトルの割に、さくっと読める短編集。
これもひとつの愛の形なのね。つらいけど。
でもなんか幸せになれる気がしました。
なんか、それよりも、旅している、どこか遠くにいる、
ということの方が印象的でした。
南米である必要はないように感じたけど
日本の反対側、というのがいいのかなー。
あと、今死んでも後悔しない、と旅先で思えるほど
受け入れられてる、満たされてること。
あたし今絶対しねない。
遠くにいるとき、誰といたい?
誰のこと考えながら、歩いてる?
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ものすごく久しぶりのばななさんは、普通だった。
南米だから不倫というわけでもなく、不倫の印象は薄い。
知らない異国でのんびり過ごしたくなった。
(図書館)
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よしもとばななさんの本っていつだって空気が良い。
私の信じているものや大切にしたいものが似ているのか、なんか心地がいい。
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(2001.09.03読了)(2001.04.04購入)
(「MARC」データベースより)
恋をするなというほうがむつかしい-。熱狂と官能の街ブエノスアイレスを舞台に、7人の狂おしい恋と、胸をうつ家族の絆を描く。山口昌弘による写真・原マスミの挿画とともに、南米の空気が蘇る。
☆吉本ばななさんの本(既読)
「アムリタ(上)」吉本ばなな著、角川文庫、1997.01.25
「アムリタ(下)」吉本ばなな著、角川文庫、1997.01.25
「マリカのソファー/バリ夢日記」吉本ばなな著、幻冬舎文庫、1997.04.25
「夢について」吉本ばなな著、幻冬舎文庫、1997.08.25
「日々のこと」吉本ばなな著、幻冬舎文庫、1997.08.25
「ハネムーン」吉本ばなな著、中央公論社、1997.12.07
「ハチ公の最後の恋人」吉本ばなな著、中公文庫、1998.08.18
「パイナップルヘッド」吉本ばなな著、幻冬舎文庫、1998.08.25
「SLY」吉本ばなな著、幻冬舎文庫、1999.04.25
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アルゼンチン中心に、ブラジルもあったかな、そこらへんと、不倫が絡んだお話たち。
南米のあの空を、空気感を、人たちを、思い出すとても素敵なお話たちだった。無性に南米に行きたくなる。今度はイグアスの滝も行きたいなー
そういえばいっとき、大好きなあの人がやたらとアルゼンチンに行きたがっていたな。
アルヘンチン最高だよ!ってメヒコ留学してた子も行ってたし、なんか、呼ばれている気がする。
こんな風に行った場所の空気感を、それは大変なことだろうけど、まるっと残しつつお話にできる能力ってうらやましいなあとあとがきを読んで思った。彼女の経験したあれこれが物語の要素になっている。
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アルゼンチンを舞台とした、複数の不倫に関する人々(不倫中のカップルや、不倫の末生まれた母を持つ子や、色々)の物語。最初の『電話』って話が印象的だった。
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ぼくは子供だからなぁ。子供に君をとられるのがいやだなぁ。と、そんなことを容易く言う大人の男性に出会ったらイチコロなのかもしれない。
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不倫というタイトルがつくが、内容は不倫の要素を感じさせない短編集。鮮やかな写真と力強いイラストが盛り込まれていて、アルゼンチンの魅力を感じることができる。
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短編集だと気づかずに、しばらく主人公たちの共通点探しながら読んでしまった。個人的にはいちばん最初の話の、夫の不倫相手の旅先の予定を調べて悪質な電話をしてくる妻が怖かった。
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ちょっと久しぶりの吉本ばなな。
「世界の旅」というシリーズらしい(この作品は<3>?)。南米づいてる今年。タイトルにも惹かれて読んで見た。
短編が7つほど。本書タイトルにある「不倫」に絡む話ではあるが、そうした関係にある(あった)男女の日常が綴られており、不倫関係をどうこうしようというキワドイ話ではなく、極めて淡々としている。
そんな男女の関係を一話目の「電話」で、
「都会でしかありえないばかな設定だった。大人のようで実は全員が子供という、よくある話だった。」
と、サラっと書いている。背徳感も、世を忍んでという暗さもない。
そういう点では、舞台となるアルゼンチンの点描も、彩り程度のものが多く、恐らくコロンビアでもボリビアでも、どこであっても構築し得たストーリーじゃないかと思える。
故に、ばななの小説は、普遍的でもあるのだけど。。。。
お話はどれも吉本ばななワールドで、人に対する思いやりや、気の使い方などがどこまでも優しく、心がほっと温かくなるものが多い。そして、随所に出てくる素敵な比喩、暗喩。目に見えない事象、感じ方を、実に見事に文章に変えてしまう感性には、いつもながらに舌を巻く。今回秀逸だったのは、「窓の外」のこれ;
「家の中に誰もいないと、まるで冷蔵庫の中で冷えていく果物のような気分だった。」
冷静に読むと、果物の気分なんて誰も知らないのに、「まるで」って言われてその気になる(笑) あぁ、面白いなぁと、彼女の文章のファンとして、こうした表現に出会えただけで幸せな気持ちになる。
巻末は、実際にアルゼンチンを訪ねたルポルタージュ。物語の中で使われた場所、出来事など、実際に旅行中に体験したことが引用されているという種明かし。あってもなくてもいいのだけれど(いや、無い方がいいのかもしれない)、小説家というのは、こうした体験を物語に織り込んでいくんだという舞台裏を垣間見た気にはなった。
だから、やっぱり無い方がいいかも。読者は、ばななワールドの舞台だけを見ていたい。・・・ところもある。
うーん、なんか中途半端なレビューになってしまった。
あ、写真と挿画は良かった。特に原マスミさんの絵が良かった。ずっと以前から、ばなな本の表紙を手掛けてるし、世界の旅のほかの本も原作品のようだけど、とっても南米!って感じがした。
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現地で見たな、この様子は、ってわかるのが面白い。あとの解説でそれがあっているとまた面白い。
南米、興味がないわけじゃないけれど、こんな風に人の感じたことを伝えられるだけで今はいいって感じ。
イグアスの滝だけは見たいけれど。
最初の電話、面白かった。