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紙の本
日本経済新聞2000/5/14朝刊
2000/10/21 00:17
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投稿者:松井 孝典 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今は、宇宙の年齢に関する科学成果が大きなニュースとして取り上げられ、新聞紙面の一面をかざることもしばしばある。しかしその成果といわれるものをよくよく注意して読むと、求められた宇宙の年齢が古い年齢の星の寿命より短かったりして、本当はどうなのか、むしろ読者には混乱をもたらす内容であったりということも多い。現在の観測値として何が妥当であり、現状がどうなっているのか、知りたいと思う人も多いだろう。そのような人達にうってつけの本が本書である。
時間の始まりというものが如何にして測られるか、そのような試みの始まった十六世紀から、その歴史の経緯をたどる形で本書は始まる。それは初め、世界の始まりであり、それが地球になり、太陽になり、銀河系の星星になり、宇宙の始まりになる。その中で、時を測る手段が丁寧に解説され、読者は時を測るということの意味を具体的に理解することができる。宇宙の年齢の推定を除けば、その手段は直接的で分かりやすい。しかし対象が宇宙となると、その手段は間接的で複雑になる。
後半はその解説であり、今世紀初めからの歴史をたどる形で科学史的に話が展開される。従って、時を測るといっても実際の内容は、銀河の観測の歴史である。他の銀河までの距離を測るという問題を中心に、これまでの発展の概説が述べられる。
距離を測ることが何故時を測ることに関係するのか? 宇宙の年齢の推定は、ハッブルの法則として知られる観測事実によっている。それは、遠くの銀河ほど我々からより速い速度で遠ざかっているという、宇宙の膨張を示唆する観測事実のことである。膨張しているとすればその膨張速度でその銀河までの距離を割れば、それが膨張の始まった時からの経過時間となる。ハッブルの法則の精度はひとえに銀河までの距離の推定によっている。著者の結論では、宇宙で最も古いもの、即ち球状星団の年齢が一〇〇億年から一三〇億年、宇宙の年齢の推定値が一三〇億年から一六〇億年ということになる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000
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