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『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』読了 ★4.5(5点満点)
最近個人的ブームの古生物学本、3冊目。
古生物学の大家で、一般書も多数書いているグールドの本。
サイエンス好きには、なかなかたまらない一冊なのだが、一般人が500ページ以上の本書を最後まで読み通せるかは微妙なところ(笑)(事前知識はいらないように書いてあるけど、途中でわからなくなる人も多いでしょう)
内容はアマゾンなどを見てもらうとしてw、この本の主要な2つのメッセージはかなり奥深い。
一つは、カンブリア記の爆発の解釈で、ヒトの生命観、宗教観に大きく影響を与えるということ。
つまり、種としてのヒト(ホモサピエンス)は「進化の頂点として君臨することが運命づけられていたのか」「単なる偶然の産物か」という命題。要は、科学的にみて、後者の「偶然の産物」ってのを受け入れざるをえないよって、話なのだが、これは特にキリスト教の世界観とはかなり相容れない概念。
もう一つは、「科学は客観的か主観的か」という命題。
本書は、生命観に関する科学者の解釈(の変化)の歴史が書かれています。そして、最も客観的と思われる学問領域である科学といえでも、ヒトが「解釈」する限り、その解釈に主観的要素、その人の信条などが色濃く反映される。って、いう新たな見方を提示しています。
表紙の絵から、生物図鑑的な内容かと思ったら、テーマが深すぎかつページも多いので、かなり読む時間がかかりましたが、読む価値のある一冊でした。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4150502366/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4150502366&linkCode=as2&tag=hitoshiebih0a-22
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バージェス動物群という素晴らしいものがどのような形でこの私たちの目前に現れ、人間という存在の解釈という限界値の中で間違った捉えられ方をしつつも、最後は3人の謙虚かつ仕事の細かい研究者たちによって無事読み解かれていくというストーリーに大変わくわくした。バージェス動物群の化石だけを見ても今までピンとくるものもなく、化石研究への理解も乏しかったが、この本でかなり実態をつかむことができた。イラストも文章も含め、解明までの道のりはまるで博物館やシアターをじっくり見ながら進むようで本当に楽しく、知的好奇心を揺さぶられる。
残念なのは、後半惰性な文章が続いたことかな…
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この書籍では、それまでの生物進化説では説明できない生物が発見されたことによって、著者によって解説・敬意されています。
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国立科学博物館 2015年7月7日(火)〜10月4日(日)
生命大躍進 −脊椎動物のたどった道−
2015/9/29 行きました。 面白かったですよ!
⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/a3bdaa7177c692f4fe38606064155517
『「生命大躍進」展 その1〜4』 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」
⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/ae9d7f847ada17b796486e0456a51e48
『「生命大躍進」展へ行こう』 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」
展示の目玉の一つが、カンブリア紀の バージェス頁岩動物群 です。
見に行く前に この本を読もう!
本書は、1993年4月刊行の本の文庫本。
もはや古典です。ということは、科学的には古すぎ・・・。
作者自慢の写真・図版も白黒なので、イマイチ。
サブタイトル「バージェス頁岩と生物進化の物語」のとおり、作者の心意気?がこもった内容です。
専門家やサイエンス・ライターには読んでおくべき本かもしれないが、
序言、1章まで読み進んで 今回は中断です。
こちら↓を読んで、本書が必要だったら また読むことにします。
エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ))
土屋 健 / 技術評論社 ( 2013-11-12 )
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774160849/seaapteacucom-22/ref=nosim
2015/07/05 予約 7/11 借りて読み始める。7/16 中断。
『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』
内容 :
1909年、カナダで5億年前の不思議な化石小動物群が発見された。
当初、節足動物と思われたその奇妙奇天烈、妙ちくりんな生きものたちは
しかし、既存の分類体系のどこにも収まらず、しかもわれわれが抱く生物進化観に全面的な見直しを迫るものだった…
100点以上の珍しい図版を駆使して化石発見と解釈にまつわる緊迫のドラマを再現し、歴史の偶発性と生命の素晴らしさを謳いあげる、進化生物学の旗手グールドの代表作。
著者 : スティーブン・ジェイ グールド
1941〜2002年。ニューヨーク市生まれ。ハーヴァード大学教授として長年にわたり古生物学、進化生物学研究に従事。著書に「ダーウィン以来」「ワンダフル・ライフ」「パンダの親指」他。
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古生物ファンにはたまらない内容
化石や進化論のスポットライトはやはり恐竜以降がメインとなっており、カンブリア爆発期の生物群紹介や研究方法が詳しく記されている貴重な本
後の発見や研究により、作者の主張は一部覆っているが、間違えっていても科学者の考え方に触れられるのは面白い
グールドvsドーキンスで有名な作者だが、亡くなられてしまったのは非常に残念
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古生物学者・進化論者であり、サイエンスライターでもある著者が、カナダのバージェス頁岩の化石軟体動物群に関する発見と再評価にまつわる物語を通して進化は斬新的に単純から複雑へと進む決まった道程では無いことを主張した本。進化論については永久に決着しないかもしれないが、バージェス動物は美しい。
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私が推薦する書は、スティーブン・ジェイ・グールド著『ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』である。本書は、カナダに位置するバージェス頁岩から産出した化石小動物群にまつわる古生物学、さらには進化の解釈にフォーカスした書物である。初学者が読むには少々難解な内容も含まれているため、最低限の地球科学、特に古生物学を学んだことがある者に強く推奨したい一冊である。
本書を推薦するにあたり、是非とも注目していただきたい点は四点ある。
第一に、バージェス頁岩から発見された生物に関する記述の情報量の多さである。一度はある古生物学者によって誤って定義された彼らが、後々三人の古生物学者の手によってその正体を現し、ベールを脱ぐ様子が事細やかに描かれている。これは著者の友人でもある古生物学者当人達へのインタビューを初めとした、膨大な、そして詳細な記録によって描かれている。
第二に、古生物学者個人のエピソードである。本書では、古生物の解釈に携わった人々の人格や内情が本人達の言葉も引用して描かれている。つらつらと平坦に書き連ねられがちな自然的事象を取り扱う文章に、波が生まれる。時間的間隙があり、優秀すぎるが故に私たちからすれば遠い存在である彼らの繰り広げる人間ドラマによって、読者は親近感やリアリティを覚え、さらにはその時代にいるかのように錯覚することになるだろう。これは普通の科学書籍では味わえない感覚である。
第三に、マリアン・コリンズの復元画を初めとした、100点以上の珍しい図板の多さである。古生物の種類一つ一つについて丁寧な復元画が記載されており、実際に論文中で使われていたもの等も使用されている。また最低限の知識しか無い読者でも理解できるように、丁寧なキャプションが施されている。これによって、文章だけではなかなか想像しがたい姿形をしているへんちくりんな生き物たちの、イメージによる認識が容易になることだろう。
第四に、筆者の展開する進化に対する解釈である。バージェス頁岩への解釈を通し、進化とはどのようにして行われてきたのか、という生命の主題について私たちは明確なメッセージを得ることができる。詳細は是非とも本書で確認していただきたいため書きかねるが、著者が何度も提示する「偶発性」に関する話の展開は非常に読み応えがあり、思わず感嘆してしまうほどである。
本書は「バージェス頁岩」と「生物進化」という大きな二つのテーマを掲げていながらも、正確かつ詳細な情報にあふれる、熱量のある一冊となっている。是非とも目を通していただきたいと切に願う。 (地球惑星科学コース 3年)
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「ワンダフル・ライフ」スティーヴン・ジェイ・グールド著・渡辺政隆訳、ハヤカワ文庫、2000.03.31
603p ¥987 C0145 (2021.04.27読了)(2021.04.05拝借)(2000.07.22購入)
副題「-バージェス頁岩と生物進化の物語-」
【目次】
序言および謝辞
1章 期待の図像を解読する
2章 バージェス頁岩の背景説明
3章 バージェス頁岩の復元―新しい生命観の構築
4章 ウォルコットの観点と歴史の本質
5章 実現しえた世界―“ほんとうの歴史”の威力
文庫版のための訳者あとがき
図版クレジット
文献目録
☆関連図書(既読)
「ダーウィン先生地球航海記(1)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.06.23
「ダーウィン先生地球航海記(2)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.10.02
「ダーウィン先生地球航海記(3)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.11.20
「ダーウィン先生地球航海記(4)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.01.20
「ダーウィン先生地球航海記(5)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.02.23
「種の起原」チャールズ・ダーウィン著・堀伸夫・堀大才訳、朝倉書店、2009.05.10
「ダーウィン『種の起源』」長谷川眞理子著、NHK出版、2015.08.01
「新版ガラパゴス諸島」伊藤秀三著、中公新書、1983.04.25
「ガラパゴス博物学」藤原幸一著、データハウス、2001.10.25
「さよならダーウィニズム」池田清彦著、講談社選書メチエ、1997.12.10
「失われた化石記録」J.ウィリアム・ショップ著・阿部勝巳訳、講談社現代新書、1998.03.20
「NHKスペシャル 生命大躍進」生命大躍進制作班著、NHK出版、2015.07.10
(「BOOK」データベースより)amazon
1909年、カナダで5億年前の不思議な化石小動物群が発見された。当初、節足動物と思われたその奇妙奇天烈、妙ちくりんな生きものたちはしかし、既存の分類体系のどこにも収まらず、しかもわれわれが抱く生物進化観に全面的な見直しを迫るものだった…100点以上の珍しい図版を駆使して化石発見と解釈にまつわる緊迫のドラマを再現し、歴史の偶発性と生命の素晴らしさを謳いあげる、進化生物学の旗手グールドの代表作。
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バージェス頁岩を学ぼうと本著に行き着いた。
1909年に発見されたバージェス頁岩はカンブリア紀の生命の多様性爆発であまりにも有名だ。発見したチャールズ・ドゥーリトル・ウォルコットはその研究で、「ウォルコットの靴べら」と評されるほど、多種多様な化石となった生物たちを原生種の進化系統に押し込んでしまったという。1970年代になってやっとその研究が見直され、絶滅した系統を含め、進化系統の考え方に修正が加えられた。
「ワンダフル・ライフ」、この簡潔明瞭な書名からは想像できないほど内容は非常に濃く難解、一般向けの啓蒙書だと思って気軽に取り掛かると火傷するので注意が必要だ。
化石から読み解く古生物の難しさが伝わってくる一冊だ。
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【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04011032
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一般人のうちでも、それなりに活字を読む気がああって、専門的なというか、実に理系っぽい言いまわしに耐えられる人だけがついてこれる世界。みたいな。いやしかし、何故に長々と語るのか。言いたいことはトヨタ式でA4で1ページにおさめろって言われてないのか。
というわけで頑張って読むわけだけど、化石の世界も深いというか、そこから進化論やら科学的解析法やら帰納法やら、勉強にもなる。いや本筋は古代生物なんだろうけどね。
写真とか復元予想図とかあるのは良いよね。だいたい素人が化石だけ見せられても分からんし。
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おもろいから500ページは思ったよりもスラスラ読めるけれど、最近「頭のいい人がパーでも分かった気になるように簡潔に面白おかしく書いてくれた親切な本=離乳食本」を読んでたせいか長くてムズい。でもおもろい。
「現動物界の門は代表的7つ。バージェス化石動物15-20はそれぞれ独立した門。」
「節足動物は現存の3グループと絶滅の1グループ。バージェスはこれらの原始的代表化石と20を超す基本デザインを持つ。」
「異質性ピーク」
「悲運多数死」
「偶発性」
「複雑な複数因子によって切り抜けた生存組。但し絶滅時生存可能性を高めるある仕組みは最初の進化原因とは無関係の偶発なのでは(白亜紀末に哺乳類が生き残ったのは小さかったからかもだが生き残るために小さかった訳ではない)」
表現として好きなのは「スティーブンキングは馬鹿げた進化と呼ぶ。私はそれをダーウィニズムと呼ぶ。」ってやつ。
冒頭作者が逆円錐の進化図をヤイヤイ言うてたのも納得。
古生物好き、進化生物学好きって人にオススメ。
あと「輪廻」とか「天国」とか信じてない人も楽しく読めると思う。
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子どもがカンブリア紀にハマってたので自分もハマって調べてたら行き着いた本
バージェス頁岩はただカンブリア紀の生物がたくさん見つかったとこという認識だったが、生物の軟組織も化石になっておりとても珍しく更に、進化の歴史認識を変える大発見だとは知らなかった
今まで逆円錐型に生物の多様性が増しているのは当たり前だと思っていたが、実はバージェス頁岩の時代の方が解剖学的設計パターンは多かったと言うのは衝撃だった
これが、30年近く前の本なのにあまり広まっていないのが不思議
人間の直感に反するなのかな?