紙の本
リーマン予想とはサラリーマンになるんだろうなあ、という意味ではない
2004/10/21 13:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青木レフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
西尾維新書く「きみとぼくの壊れた世界」の主人公が尊敬するのがエルデシュなので読んでみた。
放浪の数学者。ある時期から職なく家なく生涯独身で、講演から講演へ学会から学会へ数学者の家から数学者の家へスーツケース一つで跳び回った天才。死ぬまで(83才)数学の神が頭に宿った その世界では稀有の生涯現役。
本書ではエルデシュを中心に数学者達の異様で美しい世界を紹介している。数式で置いてきぼりをくわない数学関係の本は初めて。エピソードを細切れにして不連続に並べているので飽きが来ない。
例えば有名なフェルマーの定理は、彼の死後その蔵書の片隅に「この定理について証明があるが、この本の余白は狭いので書けない」
という意味の走り書きを遺族が発見してしまった事に始まる。(以後350年、どれだけの数学者が絶望したままこの世を去ったことか。幸い最近、証明がなされたが、別の方法で証明ができるのではという予想もある)
またインドの天才数学者は「これはこうだ」という事は彼自身わかるのだが、天才すぎて人に伝えられない、つまり「証明」ができず、イギリスの老数学者が必死にコミュニケーションし、人の言葉に直し、証明していった。インドの天才数学者の死後、彼のノートが発見されたが証明なしの公式がてんこもりで、それってフェルマー以上の大迷惑ではないだろうか。迷惑ってことないか。
例えば将来宇宙人と遭遇した時、どちらが優れているか知るには ひとつ戦争してもわかるかもしれないが、どちらの知る素数が大きいかで競うのが簡単ではないか。人類がその数を言ったら、宇宙人はこのnに数を入力すればいいのさ、と公式を提示されるかもしれないが。
宇宙人と遭遇しなければ数学者も有用性を発揮しない訳ではなく、原爆開発の時も「私は堕落して今では小数点の入った数字など扱っている。最大の屈辱だ!」と嘆きながらも数学者はその有用性を示した。
別に役に立たなくとも構わないというスタンスの異能者達なのだが。
エルディシュが片目の手術のドナー待ちをしてる時、偉大な人物なので順番をすっ飛ばしたエピソードは医療の平等って何だっけと少し考えさせられた。
(放射byガイガーカウンタンカ)
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「君の頭は営業中かね?」奇妙な、でも世界には確かに愛があるのだと1数学者が教えてくれます。理屈ではなく、その行動で。
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子供とコーヒー、そして何より数学を愛した史上最高の数学者、エルデシュの生涯を書いた本。発表した論文は1500、早めにエルデシュ番号を高くすることをお勧め。「君の頭は営業中かね?」
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数学界じゃ伝説的有名人らしいけど、この本を読むまで全く聞いたこともなかった。
ハンガリー出身の数学者。
家は持たず、収入は他人にあげてしまい、旅行鞄とスーパーの袋だけを持って世界中を放浪した天才数学者。
生活的なことは自分ではほとんどやろうとせず、1日19時間数学をやり、人に触れられるのを嫌ったが、子供はこよなく愛した。
なんか、「おむすび」という言葉を連想してしまいそうだ(笑)
1500近くの論文を残しているそうだ。
このエルデシュの人生を軸に、彼に関わる数学者や数学史上重要な数学者のエピソードを織り交ぜて著されている。
あまり数式も出てこないし、非常に読みやすい。
『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン/新潮社)と似てるし、
事実、『フェルマー』の主人公ワイルズも出てくる。
あちらが数学者の天才振りがメインなら、こっちはなんか奇人振りばかりに目が行った(笑)
面白かったんだけど、イマイチ、エルデシュの凄さが伝わってこなかった。
でも、オススメ。
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伝記的なのって初めて読んだ。こんな人が近くにいたら、かなり迷惑だ(笑)天才はずるい。ブログに長い感想文があります。
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1日19時間数学、数学者の中で歴代2位の論文数を誇る天才数学者の話。
他にも数学に関する話がたくさん。
数学関連の一般書の中でも非常におもしろい。
数学に興味のある人は是非読んで欲しい。
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ラマヌジャンとはまた違うタイプの数学の大天才のお話。
生涯で2000本近い論文・書物を書き残し(普通の学者・研究者はこの20分の1でも残したら一流なのに)、しかもそのどれもが一線級以上の脅威の品質!すごい!
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凄いよ。実在の業績も生活も凄い数学者の話。数学というか数学者が好きになるかも。博士が愛した数式は勝負にならない。
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My Life Between Silicon Valley and Japanより。ひとつのことに熱中する人のエネルギーを味わいたい。
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タイトルそのまんまの本。こういうえらくて、こっちがまだ知らない偉人というのがたくさんいるのだ。世の中、いろんなものがあるのに、数学だけに一生のめり込めるというのが不思議。ある種、身体障害なのではとさえ思えた。エルデシュは、ハンガリー人で、20世紀を生きぬいた人。長生きしている、ということは、頭を使うと長生きできるということなのか? 数式などがほとんどなくて良かった。使うと素人には全く理解できないような本になるだろう。だが、それがわからないとエルデシュの偉大さ、数学の醍醐味もわからないということで、こういう本を書くのは難しい。主に、彼の人となり、変な行動などがほとんどだった。
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エルディシュ氏の数学人生の記録。
何年か前に「フェルマーの最終定理」と一緒にIさんにお借りしたのです。
エルディシュ氏と、ワイルズ氏との、あまりの違いっぷりが興味深かった。
ワイルズ氏の方が、数学者としてはより一般的なんじゃないかなぁ、という印象でした。
「数学をやめた人」を「死んだ」と表現するというのには衝撃的。
それくらい何かに没頭するのが当然と言う生き方もスゴイです。
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エルディッシュという数学者は、それこそ人生を走り抜けたんだなぁという気がしました。
話は、エルディッシュという人物について友人たちが語り合うというような形式でかかれています。それがとても温かみがあって、アルバムをめくっているみたいに読めました。
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もう10年も前に読んだ本です。
頭の中が見てみたい人の筆頭が数学者。
通常の社会生活にはものすごく支障あったろうなと思うけど、そういう人がある特定のことに集中して人生送れる社会の余裕というのも、重要なんでしょうね。
思い出してみると、刺激受ける言葉が多い。
もちろん、エルデシュは同業者に言ってる言葉だけど、われわれビジネスに生きる人間にとっても、当てはまる。
君の頭は営業中かね?
とか、常にゴールだけを見据えて集中している。
本棚から探し出せたら、ざっと読み返してみたいですね。
彼にとって、カフェインは脳を働かせるドーピングみたいなもんだったとか、面白い話が多いです。
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数学者エルデシュの伝記
83才で死ぬ直前まで数学をし続けた人。どうしようもないほど生活能力に欠けているけれど、数学者仲間に愛されていたことがわかる。数学はわからなくても、数学に魅入られた人々の話は面白かった
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ぼくはへんなひとがすきです。
きっと、友達にはなれないけれど、
(ぼくは高校で数学を0点とったこともあるし)
こういう突き抜けた人はほんとうにだいすきです。