紙の本
西洋では無神論と言ってはいけない
2018/03/16 13:25
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投稿者:カズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文系の人には少し、色合いが違う本だった。参考になる個所は多数あった。
そんな中で、
1 「グリア細胞はニューロンと違って、細胞分裂が可能だ。グリア細胞は、どんどん増殖して、ニューロンの活動性と機能を高める。
アインシュタインの脳は、ニューロンの数は普通の人と同じだったが、グリア細胞の数は顕著に多かった。」と。
どうやらニューロンは伸びないが、グリア細胞は頭を使えば使うほど、増えるようだ。
留年もグリア細胞を伸ばすために、一日中読書しても、長い人生決して、損にはならない。あれも知りたい、これも知りたい、と知識欲旺盛になろうではないか。
2 「エラスムスは、観客という種族だった。自分はドラマの主役よりも、観客であることを望む。どんな犠牲を払っても観客の位置に止まりたい。裏切り者と呼ばれようと、変節漢呼ばわりされようと。
決して闘技場に自ら降りていかないこと。知性を研ぎ澄まして、何事にも動ぜず、ひたすら、見、聴き、測り、評価し、推論することに徹すること。それは冷たくて傲慢で、貴族的に見えるかもしれないが、それだけに徹すること」とデユアメルは言う。
著者の立花隆もこの考えに啓発された、という。何事も熱くならずに、冷静に見る。著者はガンを患ったが、あくまで、ガンを自分に起こっていることを、第三者の目で鋭く観察する。まるで、医者が自分を観察しているかのように。
3 「無神論は歴史的に唯物論と結びついている。共産主義者は積極的無神論者だから、エイシストはコミュニストという短絡した図式で見られる。
こういう時、便利なのあアグノステイク(agnostic)という言葉です。無神論のような強い響きがないので、嫌がられない。神はいるかもしれないし、いないかもしれない。そんなことは人間には知りえないとする立場です。」と。
日本人は海外で外人から「あなたの宗教は何だ」と聞かれると、「無神論だ」と答える人が多いが、外人から嫌われる。そんな時、I am agnostist.と答えよという。いい勉強になった。
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読んでるときは、興味深く読んでたんだけど、今思い起こすとあまり内容覚えてないかも……。理系に縁遠いアタマの哀しさ(しくしく…)
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理系知識の重要性を述べ相対性理論をわかりやすく解説するあたりは、面白い。が、動物実験について嬉々として語ったりするあたりが薄気味悪くもある。
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理系と文系は本来分けるべきものではない。
確かに、学問というのはどれも地続きであって、それをひとつに繋げられた時に何かがわかるものだと思います。
大学生の時に教授に勧められて読んだ本です。
「学ぶとは何か」を改めて考えさせてくれる本です。
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東大で繰り広げられた文字通り「知の饗宴」。大学1年のとき一気に読み、知的好奇心を大変揺さぶられた。読了を期に大学の過ごし方が変わった意味でも、個人的に特別な一冊。10講あり、それぞれ話をまとめてあるのだが、内容は学問、哲学、科学、歴史、経済…と多岐にわたるうえ、時間軸、空間軸も自在に動きつつ話を進めているので飽きることなく貪り読んだ。結果として、脳はたしかに鍛えられた思いがする。本書の科学的記述が正しいかどうか、については批判もあるが、それを差し引いても非常に情報量が多く、面白い本であることに揺らぎはない。
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情報量が凄まじいな〜!
立花隆さんは本当に古今東西問わずたくさんの本を読んで血肉にしてきた人ですね。エラスムスなんて名前は覚えたけれど著作を読もうなんて思ったこともないよー。熱力学の第二法則なんて説明できないよー。
脳の入力情報の追究うんたらで、子猫の片目を縫い合わせたという実験には、見当違い甚だしいですが「動物実験反対」とゆう言葉が頭によぎりました・・。
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現代の大学生の知性の在り方がわかる。
○日本の理科教育の水準は19世紀以前だ(p37)
全宇宙がかかわっているのは、地球誕生という1つの歴史的イベントの発生に関してだけではありません。地球がいま現にわれわれ見るような空間として、この宇宙内にある、そのあり方そのものにかかわっているんです。我々の空間をこのようなものとして規定しているのは、自然界の基本定数といわれる、さまざまな物理定数です。
世界の基礎構造の一番の大もとは、結局、さまざまな基本定数とその間の結びつきを記述する基礎法則によって規定されるのだということを習っていくわけです。
○人間20を過ぎたら、自分の脳は自分で鍛えろ。それには自分の脳を刺激が豊かな環境に置くことです。一番刺激になるのは仲間です。(107)
◆現代の社会、経済すべてのシステムが科学技術の上に成立している。ここでいう科学技術は20世紀の相対論、量子論を基盤としている。
というわけで、この理論の理解は現代社会で生きる上で欠かせないものである。
『本質を見抜く力』にもあったが、人類の歴史をエネルギー史からとらえる必要がある。
しかし、日本の大学生の現状は大学生は、科学の基礎である物理をやっていないためニュートンの運動の三法則(慣性、運動、作用・反作用)も知らないし、運動、加速度、質量、熱、波、素粒子をいった、この世界の在り方の根本にかかわる最も基礎的な概念すら正しく理解できてないという。少し前までは、このような人は大学で学ぶ資格がなかったらしい。特に文科系は致命的で、学ぶ機会がもう二度とないためやらずじまいに終わり、自分たちの頭が欠陥状態にあることさえ気づかないらしい。
大学受験の物理だとニュートン力学にとどまる気がするが、それでもやらずにはいられないという気になった。
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中身は東大の授業で行った内容をそのまま本にした感じのものです。
タイトルの「脳を鍛える」というよりは、むしろ教養の重要性を説いているように思いました。
現代社会は科学という土台のもとに載っているというのは頭の中ではわかっていたんですが、その仕組みをしらないまま当たり前のように生活をしていたことに気づかされ、基本的な科学(物理、化学、生物など)は勉強しておきたいと思いました。
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☆4.5
東大の教授とお話したくなった手にしてください。
東大生には・・オススメできないかも?
きっかけ:何かの本(教育関係か?)を読んだとき「立花 隆」さんを大絶賛していて、名前を覚えていて、今回手にした本。
かなーーり読むのに時間がかかった。
何ヶ月もかかりながらも、あきらめずに読み進めていった。
また、化学について書かれているので、私にとってさらっと読めるものではなく「ん??」と思ったら、前に戻って繰り返す読んでた。
でも学ぶものは多かった!手にして、読んでよかったと思えた本。
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駒場で行われた講義を一冊にまとめた本であるが,一時期はやった脳科学の本だと思っていたらとんでもなく,内容はかなり濃くてさすが立花隆である。
今回はp66「nobodyからsomebodyになるためには実績が必要である」というところが印象的だった。世間で認知されず何者でもないというnobodyから,自分の知らない他人に存在を認めてもらうsomebodyになるためにはアウトプットを行わないといけないという説明は個人的にとても耳が痛いところである。
さまざまな分野の話が出てきて,深く知りたい場合の参考文献や学者紹介も豊富なため,この書籍に出てくる人たちの著作を読むだけでかなりの知識を手に入れることができるだろう。
しかし,これだけの本がブックオフで105円だなんて,いいことなのか悪いことなのか…
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週刊誌に書いた記事によって、ときの首相田中角栄をおいつめたのがこの立花隆さんです。いつのまにやら東大の教授になっているような、アカデミックな性質をたぶんに持っている人。東大生向けの講義を収録したもので、東大生ってどんなレベルの講義を受けているのだろう、と興味のある人は読んでみると良いです。
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当時購入したまま放置してあったものをやっと読んだ(笑)。全編面白かった。20歳前後のまだ脳ミソが固まっていない若者に対して、偏らず思い込まずバランス良く、全ジャンル幅広くもっともっと本を読み勉強し、自己研鑽に励み、自身に適した自己を創り上げろというメッセージを感じた。第2巻に続くとあったが、どうやらそれは未だに発売されていないようで非常に残念。
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人間史 知の歴史
・人間が今どういうような位置にあるか、人間とはなにかを
追い求めるフィロソファー(フィロ愛する、ソフィア智)であろうとする著者が人間の哲学的な歴史、科学的な歴史を解説し著作。
・インタビュー形式の本よりも、凝縮されまとまっていて読みやすい。
・文系と理系の知の統合を説いていることもあり、バランスのとれた知的刺激がえられる。
いずれにしても、理系の真理も文系の真理も、問い続けることによって定説をくつがえされる、そういう歴史のうえに、考え続ける重要性を説いている。
・原文を読むという時間を費やすことなく、さまざまな人間の知の歴史の思考のエッセンスに触れられる良い作品であると思う。
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知の巨人立花隆による東大講義録。人間とは何か、この世界はどのように成り立っているのかということを考えるために諸学問は必須であるが、その際に理系と文系を専攻する者の間に横たわる埋めがたい溝の深さに著者は警鐘を鳴らす。教養など犬の糞以下だと思っていた大学1年のころの自分に読ませてあげたい貴重な一冊。
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「まだまだ知らないことも知りたいこともたくさんあるな」「自分はまだまだ馬鹿だな」と思わせてくれる一冊。