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イサム・ノグチ 宿命の越境者 上 みんなのレビュー

第22回講談社ノンフィクション賞 受賞作品

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みんなのレビュー4件

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紙の本

年をとってからのイサムは、カバーの写真をはるかに超える美男子だった。頁をめくって見てご覧

2003/01/27 20:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

伝記というのは調査がおもしろいのだろうなあ、と思う。しかし、ある意味、想像で埋めても文句が来そうに無い昔の人ならともかく、その作品が現に私たちの目に触れ、数少ないながらも自伝もある人となると、かえって難しい気がする。ともかく自分を語ることが少なかった現代彫刻家イサム・ノグチ。その人生を丹念に調べ上げていく著者の努力には頭が下がる。

それにしてもここで読むイサムの父 野口米次郎の品の無さは何だろう。無責任、我侭、国粋主義、自己保身といった愚かな男の身勝手さの全てを体現する。渡米して知り合った女性レオニーを騙し利用し、イサムを産ませる一方で、さっさと一人日本に帰国し、重婚してしまう。人種差別が当然とされ、性的な放縦が非難されるアメリカで私生児を抱えるレオニー。来日した彼女たちを迎える、冷たい日本人。

これで日本や父親を恨まなかったら嘘。日本の学校でのいじめに耐えられなくなって、先ずイサムが、続いてレオニーと妹がアメリカに帰る。そしてイサムはアメリカで母親の希望する芸術家の道を歩み始める。フランスでのシュルレアリストたちや同国人のカルダーとの交友、華麗な女性遍歴。恐慌や世界大戦に翻弄されされる日々。

戦時中のアメリカでの日系人への差別は、戦後の日本への心の回帰となる。山口淑子との出会いと結婚。魯山人のもとでの新婚生活。そして破局。ネルーの姪との熱愛をはじめ、彼と女性との話は84歳で亡くなるまで続く。芸術家としての軌跡は、建築家フラーやスキッドモア、レイモンドはもとより、戦後日本を負って立つ丹下、谷口、磯崎との出会いを通じ、彫刻家から環境デザイン家へと向きを変えていく。それが、逆にアメリカでの評価を落とすことにはなるが、挑戦的な姿は女性を捉えて放さない。

数多くは無い写真からでも、イサムが俗に言う美男子だったことが良く分る。それにしても何と彫刻家の肉体と言うのは美しいのだろう。重い道具を扱うからだろうか。もしそうならば彫刻家というのは肉体労働者でもあるのかもしれない。恋多き人生の秘密は、美しい容姿とそこに秘められた不幸の影。それにしても、写真をもっと多くして印刷の質を上げることは出来ないのだろうか。たぶん、彼の名前を知る日本人は、今では殆どいないのだから、その足跡を知らせるという意味でも、工夫が欲しい。

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紙の本

2000/5/29

2000/10/26 00:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1988年に他界した20世紀を代表する彫刻家の1人、イサム・ノグチの劇的な生涯を描く。東洋と西洋のみならず、美術界のあらゆる境界線を超越した独特の作風の根底には、イサム自身が抱えていた「帰属の不確かさ」がある。
 1904年、イサムは米ロサンゼルスで生まれた。父は著名な英語詩人、野口米次郎。母は米国人レオニー・ギルモア。だが、父はイサムが生まれる直前に母子を捨て日本に帰国。戦争で排日機運の高まる中、母と日本に渡ったが、父は別の日本人女性と結婚していた。イサムは日本でも屈辱的な差別を受ける。米国で排除され、日本にも居場所がない。「愛情や憎悪はどこに向ければよいのか」「安住の地はどこなのか」——。イサムは終生、「帰属する場」を求め続け、その思いを作品にぶつけた。
 現代の日本人は、地域共同体はもちろんのこと、終身雇用の崩壊によって企業に対しても帰属意識を持ちにくくなっている。イサムの作品が心を打つのは、彼の人生がそんな日本人とどこか重なるからかもしれない。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本

美しいスタンドに魅せられて

2000/10/23 14:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ss58 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 初めての一人暮らしの時、初めて買った和紙の照明ペンダント、それがイサムノグチとの出会いでした。以来、彼の作った空間の不思議な魅力にとりつかれてしまいました。
 さすがに彼の作品のなかで買えるのは、スタンド、それもレプリカしかありませんが。
 彼の作品の「潔さ」や一貫した「美学」、それは壮絶な人生の中から生まれたものだったのでしょう。この本を読むと、殊更に超越した人生観を感じずにはいられません。そうして、彼自身が憎んだ、父、米次郎の国、日本の血が色濃く表れているように感じるのは私だけでしょうか。

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2020/01/02 18:34

投稿元:ブクログ

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