紙の本
身近な毒草たち
2002/07/13 12:41
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投稿者:ベリ太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毒草という名前には一種の不思議な魔力がある。
「きれいな花には毒がある」
という使い慣らされている言葉には、
どこか遺伝子の記憶レベルでのリアリティを感じる。
そんなぼうようとした記憶でなく、
知らぬが仏で確かに今も、いや交通交流の発達とともに、
毒草は事実は先祖達より身近なものとなっているのを、
この本は示唆してくれる。
44種類の自らは罪無き毒草たちを、
毒性、症状、歴史的受容、食べてしまった人たちの話を
取り混ぜて楽しく?読ませてくれた。
紙の本
44の、毒にまつわるエピソード
2001/06/10 02:12
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投稿者:福田 健吾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は植物から採れる毒についてのエピソード集である。誰もが知っているものとしては、例えばトリカブトのようなものもあるが、意外と身近に毒草はあるものである、と思わされた。
スイトピーやスズラン、水仙など、幾らでも傍にあるものであるが、なかなかどうして、侮れない毒を持っている。ヒガンバナも毒を持つとは知らなかった。もちろんコカやケシのように傍には無い麻薬の原料となるものも紹介されている。この本は、それら毒の特性だけではなく、それらを食べてしまった人々のエピソードが綴られる。ドクニンジンで処刑されたソクラテスをはじめ多くのケースが取り上げられている。
これだけ毒草がありふれた存在なら、何が起こっても不思議は無いな、と思わせられる。悲劇も取り上げられている。バッカクの毒は多くの人を死に追いやったし、タバコは今も多くの害を撒き散らしている。しかし、毒があるのも理由があるのも間違いが無い。末期ガンの救いとなるモルヒネはケシからしか取れない。マラリアの治療薬はキニーネから取れる。毒も、使い方を間違わなければ薬となると言うが、毒との付き合い方を学んでいくことも重要なのであろう。
紙の本
毒草にまつわる悲喜劇
2002/02/27 16:21
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おどけた題名とは違い、トリカブトやスイトピー、スズラン、マンドレーク、ポインセチアなど、毒草として有名なものから身近な花まで全44話に及ぶ毒草譚は、いくぶん叙情的な学術的エッセイとして十分な読みごたえがある。
「初めに誰かが食べてみたから、それが毒草とわかった」という単純な事実には、人間の好奇心と業の深さを思い、今さらながら嘆息させられた。著者の詩人のような語り口も妙に味わい深い。
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これ、ホンマにおもしろい!
まず、タイトルがイイ!
『ふ〜ん、”毒草を食べてみた”んや...アカンやんっ!!!』って手に取ったら最後です。
『夾竹桃』『福寿草』『彼岸花』...身近にあるたくさんの毒草、その数々を著者が食べたり、食べなかったり(!?)。
ちなみに、この本を読んで一つの歴史的な大事件を発見してしまいましたが、その話はまた今度。
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タイトルだけはよく聞いていたのですが、読む前は、ゲテモノ食いの人が次々と毒草に挑戦していくエッセイ集かと思ってました。違いましたね、図鑑的な方でしたね。いつか使うときのために、手元に1冊キープしておきたい類の本。なのに、いまは、船に置き忘れというね……(こんなんばっかりや)。
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ヒガンバナの球根には毒があることはご承知のとおり。その中毒の症状は、植松黎「毒草を食べてみた」文春新書によると、次のとおり。
ヒガンバナには、リコリンという有毒なアルカロイドが含まれている。特に球根に多く、万一、口にすると、最初は口のなかがヒリヒリ熱くなって生唾がこみあげ、おう吐がはじまる。吐いても吐いてもむかつきはおさまらず、胃のなかがかきまわされるように痛んでくる。頭がくらくらとし、上体をおこしていられず、何かにしがみついても、自分がどうなっているのかさえわからなくなる。ある植物の専門家は、しょうがのおろし汁が解毒になると教えてくれたけれど、真っ赤なウソだった。
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タイトルに惹かれて買ってみた。
でも、実際に著者が食べてみたのはごく一部。主な内容は、さまざまな毒をもつ植物の歴史と効用といった感じです。世にも奇妙な毒草エッセイ。
アサ・コカ・ケシといった、麻薬にもなってしまう植物が興味深かったです。
毒草と薬草は紙一重。
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食べると中毒する草を44種類叙述したエッセイ。
著者は生活文化の視点からの興味が強いようで、コカ、タバコ、ケシのような馴染みの毒草を挙げるにも、著者が実地で観察した民俗的な、かつ歴史的な視点が主眼にある。
福寿草、樒、鈴蘭のような身近なものから、マチン、ペヨーテ、ベラドンナのような日本であまり目にかからない(が、なんとも魅惑的な)ものまで、かなり広範な世界中の毒草をピックアップしており、同系統の書籍の中でも頭一つ抜けて深い内容だ。
一本あたり4〜8ページの叙述で、単に薬効+事件一つの紹介に終わる毒草もあり、種類ごとの内容の質の差は感じるが、総じて読み応えのある紹介である。
最後の1話で挙げられているゲルセミウム・エレガンス(冶葛)は、毒物モノの本では王者の座を確固たるものにしている。
著者の語る通り、最もロマンと想像力を掻き立てる毒草だからだろうか。
なお、タイトルでびっくりするが、ほとんどは著者が食べたわけではない。
奥付を見ると版数をずいぶん重ねており、内容負けしているわけでもないが、これはタイトルの勝利だなと感じた。
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友人に5年くらい借りたまま。一つ一つの毒草についてのエッセー。絶妙な文章。こんな身近なところに毒草が、という驚き。
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古今東西、いろいろなエピソードを交えて、44種もの毒草を紹介。
個人的には最終章の「ゲルセミウム・エレガンス」が好きかな。
奈良の正倉院に14kg納められてから100年の間に、16分の1にまで消費されたこの毒草は、わずか3gにも満たない量で人を死に至らしめる。
さて、100年の間、何に使われたのか?著者もまたそのことにロマンをかき立てられるらしい。
ちなみにその後も減り続けて、今では390gしかないそうだ。
そして、1,200年経った今でも、その毒性は変わらず保たれているらしい。
こういった毒草の使い道は1つしかないけれど、それを使わずにはいられないほど、何かを求めた人は一体、何を手に入れたんだろうね。
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身近にある毒草のエピソードを知ることが出来て面白かったんだけど、
食べてしまった人の体験談を読んでるだけで怖くなった。
“植物は人間の友達”なんて人間の愚かさを端々で批判していて、
納得しつつあっという間に読み終わっちゃいました。
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身近に存在する毒草について解説している本。
文体が読みやすく、興味深く読めました。
毒と薬は表裏一体。使い方次第なんですよね。
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面白かった。
一部の人間のせいで、マイナスイメージがついてしまった
「ケシ」かわいそす(´・ω・`)
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あまりにおバカなタイトルに魅せられて衝動買い。
内容は、まぁまぁ面白かった。
意外な(スイートピーなど)植物に毒があることに驚いた。
面白かったのは、
・コカ
・彼岸花
・弟切草
・イヌサフラン(漢字で『犬シ自夫藍』)
・ケシ
・水仙
・マンドレーク
・イチイ
・ゲルセミウム・エレガンス
まぁ、立ち読みでもいいかなっつう本ではあった。線引いちゃったから、もうブックオフにも持って行けないけど・・・
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授業で薬毒をやっていたのですが、その時に薬物や毒キノコなどの事件例を勉強しました。
最後にテストやレポートがあって、毒物などを調べないといけなかったのですが、その時に調べた毒草が意外に面白かったので興味の延長でこの本を購入。
実際三大毒草であるトリカブトやドクゼリは食べるとヤバいのですが、嘔吐やその類の毒草を作者は食べてます(笑えない)
身近なあの植物が毒を!という発見もできると思うので面白いですよ。