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ルネサンスを彩った人びと ある書籍商の残した『列伝』 みんなのレビュー
- ヴェスパシアーノ・ダ・ビスティッチ (原著), 岩倉 具忠 (共訳), 岩倉 翔子 (共訳), 天野 恵 (共訳)
- 税込価格:5,170円(47pt)
- 出版社:臨川書店
- 発行年月:2000.5
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紙の本
ブルクハルトの元ネタ?
2024/03/11 12:57
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何でもブルクハルトの「イタリア・ルネサンスの文化」の元ネタだそうだ。百有余人取り上げた中からの抄訳が18人なので全訳するとA5判で5冊か6冊になりそうだ。
「読むことの歴史」の人文主義者の章はブルクハルトみたいに?この本が元ネタのようで訳された個所と対比出来るのが面白い。「読むことの歴史」には「ヴェスパシアーノ当人は書籍の歴史の中では、頑迷固陋な反動派と通常見なされている」、「けれども、このようなヴェスパシアーノ像は、書籍の世界に関する彼の発言のごく一部を取り出して描かれたものに過ぎない」とある。ヴェスパシアーノ・ダ・ビスティッチは写本を注文主に届ける写本商なので活版印刷で本を販売する出版業者に移行する端境期に活躍したように見える。アルド・マヌーティオやエラスムスは少し後の人なので、そう思える。
ただし日本語ではカトリックは司教、正教会は主教と訳語が違うのに同じ文脈で入り混じった個所がある。こんな本を読む人には自明にしても、もう少しフィレンツェ公会議には説明をつけるべきだ。マネッティの章に「詩篇はユダヤ人たちが七十二人の注解者の翻訳と称しているもので」とあるのでヴェスパシアーノはユダヤ教徒向けに写本を販売していないのか?詩篇を七十人訳か聖ヒエロニュムスが七十人訳を元にしてラテン語に訳したガリア詩篇しか知らないらしいが、ここには注釈を入れるべきだ。ここは「ナザレのイエスをメシアと認めない不信心」のユダヤ教徒に向かってキリスト教へ「回心」させるという文脈なので必要ではないか。
マネッティがラテン語に訳した新約聖書は印刷博物館で展示された時に見た事があるが目録によると現存の写本は3冊しか残っていないとの事。エラスムスのラテン語訳のように活版印刷で刊行されなかったので?流通しなかったのか、それともウルガタの権威には勝てなかったのか。
奥付に「岩倉使節団とイタリア」という編著者になっている人がいるが岩倉家の当時の当主と夫人だった。浅見雅男の「公爵家の娘」で著者に「何度も貴重なお時間を頂戴した」というのは、この当主。
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