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人間の心の奥底に横たわる恐怖!を描かせたらクックは本当に上手い!仄暗く静かな語り口、比喩に富む台詞回し、畳み掛ける後半の記憶の真相には思わずのけぞり、身の毛がよだちます。秋の夜長を満喫するには格好のスリラー。
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よみがえる記憶を幾重にも織りなしていって、徐々に真実に近づいていく描写に、独特の繊細さがあって良いです。
中でも最初の頃に読んだこの作品が気に入っています。
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主人公の姉の惨殺シーンも辛いけど、読み進むにつれ別の意味での人間の恐ろしさがじわじわと出てきた。
真実は知らない方がいいこともあるのだろう。
本当にクックは、ただ怖いだけじゃない深みがあるなあ。
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クックの作品は、過去と現在が交錯するものが多いんだけど、
これはそれに、主人公が書く小説までもが、入り込んでいく。
その、構成は上手い。職人技ですね。
美しく平和に見えていても、その実は違う。
というのは、クックのテーマなんだろうが、今回のが
1番切なく、怖い。
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やっぱり記憶ってのは恐ろしい、の一言に尽きる。だけど50年前の事件なんてどうでもいい気が。全ては主人公のトラウマとその真相。それがもうあまりに恐ろしすぎ、哀しい。
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3.12
浮気をしながら読んだので時間がかかった
本命のなぞは、すぐにわかった(わかるようになっていた)けれど、退屈させない。
だから、うまいのだと思うけれど、少女が苦しむ場面が多くて読んでいて辛かった
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犯人や殺人の動機、主人公ピーターの過去など、あれやこれやと推測しながら、
書評等で評価されている、驚くような展開を期待して読みました。
読み始めと読み終わりではまったく正反対の位置で物語は収束を迎えますが、
どこか一箇所でくるんと裏返るというよりは、常に読者の想像した筋道から少しずつずれていくような、
ダイヤルを1メモリずつ回していくような展開でした。
私は自分の想像した通りの結末になると、興醒めしてしまう偏小なる読者なのですが、
結果的に「やっぱりな」と思う結末でも、そこへ至る過程を楽しむ事もできるんだな、と思わせられる作品でした。
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都合良く死に過ぎじゃないの。展開も語り口もメリハリがあるが。伏線は単純、急展開、何故女性の助手がいるのか疑問。
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子供がひどい目にある、陰惨な話なんだろうと、読み始めに持っていた印象とはだいぶ違うストーリーだったので、驚いた。
ありがちな内容、冗長な文章、前半はほとんど惰性で読んでいたが、後半以降はまさかのナチスドイツまで引っ張りだしてきて、意外なスケールに。
そこからは、畳み込むように物語が進んだ。
救いのなさそうなラストを予想していただけに、これまた意外と後味よく終わって良かった。
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凄惨な経験から心に傷を負った、ミステリー小説家の主人公が、50年前の殺人事件の謎を解決するよう依頼される。彼自身の経験と重なるところがあり、苦しみながら真相を探ろうとする。
自分の記憶と、実際に起こった事件と、空想および妄想が混ざり合い、物語が展開していく。
50年前の日の何時に何が起こったかなど、生きていても克明に覚えているはずがない。20年位前の事件ならもう少しリアリティがあるか。
恐怖の体験が人生や人格を全く違うものにしてしまうという切ない事実が重くのしかかる。真実が暴かれる結末はとにかく衝撃的だ。
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ミステリー作家ポールは、少年の頃、事故で両親をなくし、その直後、目の前で姉を惨殺された過去を持つ。ある日、富豪の女性から50年前の少女殺害事件の謎ときを依頼される。
初めて読んだ作家。過去と現在の事件が交互に書かれている。ゆっくり丁寧に書いているから落ち着いて読めるが、ラストに向かっての不穏な雰囲気もじんわりと感じられた。過去現在の事件ともに人の悪意が前面に出たラストだったけど、心情面を丁寧に書いているから納得できた。
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幼いころに事故で両親を亡くし、姉を殺されたミステリー作家のポール。そんな彼のもとに、50年前の少女殺害事件の調査依頼の手紙が届く。事件の捜査は、徐々にポールの恐ろしい記憶も呼び起こしていき…
少女殺害事件にまつわる動機をめぐっての人間ドラマは、思わぬところにつながっていきびっくりしました。単に個人の人間の悪意を超えた、人間全体、そして時代の悪意をも明らかにします。
ポール自身が抱える記憶の謎については、これまでのクック作品を読んでいれば、まあ、なんとなく想像がつくかな。といった感じでした。個人的には『緋色の記憶』や『夏草の記憶』のような、もうひとひねり、ひと驚きほしかったかなあ。
ただ、ポールのミステリー小説の内容が、作中で何度か紹介されるのですが、それとポールの今抱える心情とのマッチのさせ方が、うまいなあと思いました。こういう闇を抱えた小説を書かせると、クック作品は漆黒の夜のような、美しさを感じさせるところもあるのが不思議です。
2001年版このミステリーがすごい! 海外部門7位
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トマス・クックのミステリーは それだけでなく
純文学の格調高さがあって 好きなのですが
如何せん、暗いです。
これも 気が滅入りそうになる程、哀しい・・・
最後は一応ハッピーエンド??
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過ぎ去った未解決事件を、小説家に委託して紐解くミステリー。小説家自身にも凄惨な体験があり、自身の過去、小説の登場人物、未解決事件と、3つの因子が互いに関わりながら謎解きが進む。分かれば分かるほどに、読み進めば読み進む程にスッキリしてくる頭とは別に、事件に漂うグロテスクな動機の数々。イヤミスの部類とも言えるが、そこまで極端でもなく、純粋に楽しめるミステリー小説。
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いくつもの推理がでては違って
最終的には、そうなのーーー?って感じ
主人公の過去と、依頼された事件が
つながりはないものの推理の手助けにも
なっていたような
そして最終的には驚くべき真実が・・・
楽しめました!