サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

ヨーロッパのカフェ文化 みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー2件

みんなの評価3.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

カフェはもちろんコーヒーを飲むだけの場所ではなかった。快楽装置ヨーロッパのカフェのお話。

2000/07/10 20:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:牛尾篤 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 酒の飲めない大人が、町の中で落ちついた気分でくつろげる場所はどこか、それは喫茶店(カフェ)しかない。下戸の私は、カフェというタイトルが付いた本を見ると、つい手に取ってしまうようになった。

 正面きって「ヨーロッパのカフェ文化」という題がついていると、これは買わずばなるまい。「今から、500年前、エチオピアの牧人がかっていた山羊が、草むらで赤い実を食べて突然、飛び跳ねだした。そこで彼等も、そのサクランボに似た実を食べ、心躍る気分を味わった。」

 第一章は、こんな書き出しで始まる。コーヒーについては、色々な本を読んでいるつもりだったが、山羊がコーヒー豆の効用を最初に、人間に教えたとは知らなかった。第一章のサブタイトルに、「そこに足を踏み入れるのは恥ずべきことではない」とあり、これがこの本の全体のテーマともなっている。つまり、カフェでコーヒーを飲むと気分が高まる。気持ちの高まりと供に、コミュニケーションが生じ、様々な階層、職業の人間が出会うカフェは、情報交換の一大拠点となっていく。それを見た時の支配者は、カフェが反乱分子のたまり場になることを恐れた。当局の不安をよそに、カフェは魅力的な「黒い水」を提供する場所としてオリエントからヨーロッパに広まっていく。

 もちろんカフェに集う人々は、コーヒーだけが目当てだったわけではない。カフェでは「恥ずべきこと」が大目に見られていたからだ。

 ヴェニスのカフェでは、娼婦との出会いの場となり、ヴェニス政府は密告者によってこの事実を知らされるたびに、女性出入り禁止令を出すものの、それが守られたためしはなかった。当局はついに根負けして、女性も仮面さえつければカフェに立入るのを許したとか。いっそう風紀が乱れたのは言うまでもない。これは現代の風営法をめぐって、業者とお上のバトルにも似た面白いエピソードだ。

 本書では、ヴェニス、チューリヒ、ウィーン、ブタペスト、ベルリン、ロンドンのカフェが次々に語られていく。自己申告の芸術家に割引きで食事を出すカフェ。成功した者とかけ出しの文士や画家を、部屋ごとに分ける店。中立国スイスのカフェでは、ナチのシンパと反ナチスの亡命者達が、テーブルをはさんで火花をちらす。こうなるとコーヒーを飲むのも命がけになってくる。

 しめくくりは、ジョナサン・スウィフトも通いつめたロンドンのコーヒー店の話。三千もあったカフェは、十八世紀の初めにイギリスからほとんど姿を消してしまう。同業者同士で集まる会費制のクラブが発達したのが、カフェがなくなった原因だとか。 五十年間だけ、イギリスでもカフェ文化が花開いていたことも、この本で初めて知ることが出来た。

 勉強になるなーという一冊です。 (bk1ブックナビゲーター:牛尾篤/イラストレーター 2000.7.11)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2008/08/26 02:13

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2 件中 1 件~ 2 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。