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だれでもわかる地域通貨入門 未来をひらく希望のお金 みんなのレビュー
- あべ よしひろ (共著), 泉 留維 (共著), 森野 栄一 (監修)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:北斗出版
- 発行年月:2000.5
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紙の本
もうひとつのセーフティーネット
2000/08/23 16:54
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投稿者:こばある - この投稿者のレビュー一覧を見る
少しづつではあるけれど、「地域通貨」というものへの関心が高まりつつあります。経済のグローバル化が進み、私たちが日々身近に触れたり利用したりしているモノやサービスにしても、私たちが提供する日々の労働への対価にしても、それらは世界経済との関係を抜きにしては全く考えられなくなっています。別の言い方をすれば、私たちの日常の生活は、まるごと地球規模の経済の動向に大きく影響を受けてしまうような仕組みに、否が応でも組み込まれざるを得なくなっているのが現実です。こうした、私たちひとりひとりにとっては全くコントロール不能な巨大なシステムに、私たちの生活のほとんど全てが翻弄されざるを得ないというような状況に、「何かが間違っているんじゃないか?」といった疑問が芽生え始めていることが、「地域通貨」への関心が高まっている理由であろうと思われます。
本書は、メンバー間の信頼関係や相互扶助の原理を基に、ごく身近で小さな規模のコミュニティーの中でのみ通用する「地域通貨」について、現在世界のあちらこちらで行われている実験を具体的に紹介しながら、その仕組みや考え方をわかりやすくていねいに解説した入門書です。また、自分たちで「地域通貨」を立ち上げたいという読者がいれば、その方法を記した「導入マニュアル」も採録されています。
「地域通貨」は、既存の貨幣制度に対する根源的な批判の視点をもっているのですが、現実の仕組みとしては、既存貨幣制度に真っ向から対立し、それを否定するというものではありません。また参加者の積極的な意志がありさえすれば、実際に導入することも比較的容易なものです。そうした意味では、ひとりひとりの市民のレベルでも実現可能な、軽やかでしなやかな貨幣革命の試みと言うことができようかと思います。
「地域通貨」は、限定されたコミュティー内部で、モノやサービスを循環させる仕組みをつくることによって、そのコミュニティーへの巨大な経済システムからの影響を軽減させようとするもの、言わば地域経済の<セーフティーネット>です。そして、そうした「地域通貨」のシステムを成り立たせる根底にあるのは、法的強制力でも市場のルールでもなく、参加する人々の自由な意志と能動的な実践行為に他なりません。もちろん「地域通貨」は、既存の通貨制度がもつ矛盾や課題をすべて解決する魔法の杖ではありませんし、まるごとそれにとって替わる仕組みでもありません。しかし、私たちひとりひとりが、自発的な意志によって自分の身の回りの世界を現実に変えていくための、ひとつの契機となるものには違いありません。政治や法律といった制度に依存するのではなく、私たち自身の手によって、まず身近なところから暮らしやすい世界をつくっていこうとする運動として、たいへん貴重な試みだと思われます。
本書は、現在行われているさまざまなタイプの「地域通貨」実験の事例紹介も豊富で、また基本的な考え方から導入のための指針まで包括的にやさしく解説されています。現在「地域通貨」に関心をもつ者にとっては必携の参考書であろうかと思います。
紙の本
出会いのための貨幣
2002/04/04 22:46
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投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
貨幣の歴史や利子生み資本としての貨幣がもたらす諸問題、オルタナティヴな協調的マネーシステムとしての地域通貨(補完通貨、自主通貨、自由通貨、会員制通貨、コミュニティ通貨、グリーンドル、エコマネー、オリジナルマネーとも)が地域資源循環型経済への転換や地域共同体の再構築に果たす機能、そして地域通貨の歴史や現状、その実際(レインボーリング)と導入マニュアル。
これらの広範にわたる内容をコンパクトに整理した入門書。理論的ではないけれど実践的で、とりわけ第七章「地域通貨に関するQ&A」がよくできている。──本書は『週刊プレイボーイ』[2000.5.23]で紹介されていた。記事に出てくる見出し「まずは遊び、そして出会いがある」が、事柄の本質を衝いていると思う。
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