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歌舞伎ハンドブック 改訂版 みんなのレビュー

  • 藤田 洋 (編)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:三省堂
  • 発行年月:2000.6
  • 発送可能日:購入できません

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紙の本

観る前に読む本、この一冊であなたを通にする歌舞伎虎の巻

2000/07/18 09:15

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投稿者:近藤富枝 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 嬉しいことに近ごろ若い人たちの間に歌舞伎ファンがふえている。伝統芸術の奥深さにしびれているひとはもちろん、ただ、ただ、ごひいきの役者にボーッとなっているだけというひとでも、歌舞伎の約束ごとを何も知らずに観るのはやはり損である。知る前と知った後とでは、面白さにぐっと開きが出ることうけあいだ。

 この本はいわば歌舞伎について間口広く、しかしときにより専門的な分野にもけっこうわけ入って親切に、饒舌に、これでもかこれでもかと初心者を啓発してくれる。

 イヤイヤ、わたしのようなこの世界に親しみ、長年見なれた者にも知らぬことが多かった。例えば「化粧声」なんて言葉ははじめて知った。あれがそうか、そういうことだったのかと呻り、ネーミングの巧さにも感心した。

 とにかく狂言の時代が奈良期だろうと平安時代だろうとお姫さまも町娘も江戸時代の扮装で登場するのだから、歌舞伎とは一体何だと開き直るひともあろう。この種の時代狂言といわれるものでも衣裳考証は一切しないおおらかさだ。そうした約束ごとの非合理がむしろ楽しくなるのが歌舞伎ファンの資格だと、本書によりいよいよ思わされた。

 これなんかどうだろう。「色彩の意味するもの」という項がある。役により衣裳の色がきまっており、それぞれ象徴的に役どころを表現するという。化粧声にしても衣裳の色にしても、歌舞伎が長年にわたり観客サービスを心がけ、わかりやすい舞台を苦心して作りあげてきたことがよくわかる。ところが現代人の我々にとっては解説されないとそんなことがむしろわからなくなってしまったのだから何とも皮肉だ。しかもわかってしまえば日本人の心のありどころまで見えてくる…。

 何しろ舞台のカラクリ、「引抜き」や「ぶっかえり」のような衣裳転換の工夫などに大へんな機智と、手先の器用さとを示しているのが歌舞伎で、日本の演劇のみごとさ特異さを改めて知った気がする。

 さて、狂言を「純歌舞伎」「義太夫狂言」「新歌舞伎」にわけてあらすじや見どころを解説したのも本書のお手柄である。近ごろは長い長い狂言の一部を一幕だけ上演したりすることが多い。初心のひとは劇場に出むく前に当日の狂言のあらすじをまず読んでおくのが便利であろう。

 「歌舞伎は『温故知新』という体質をもち、それを拡大したところで古典化と逆に進取性をあわせもっている。こんな演劇形態は世界でも珍らしい」
と本書の筆者が述べている。この一言に歌舞伎の明るい未来がある。

 また、「現代役者名鑑」のみならず「近年の物語名優たち」の頁もあり、今は故人・名舞台を偲ぶよすがとなり老ファンにも親切だ。 (bk1ブックナビゲーター:近藤富枝/作家 2000.07.17)

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