紙の本
小説!?
2005/09/12 17:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うさしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
またもやってくれました。
文庫本なのにBOX。しかも二冊組。
最初に読むのは青い冊子の「追悼集」
北アルプスの白馬岳から唐松岳への縦走途中、不帰の嶮で滑落死した笹村雪彦。
彼の存在と彼への思いをまとめたのがこの冊子だ。
追悼集というものに書式というものがあるのかどうかは知らないが、良くまとめられた冊子だと思う。
収録されている山岳地図等を見ながら、岳友会の報告書や雪彦の母、妹の手記を読むと滑落事故までの様子がよくわかる。それと同時に雪彦を取り巻く謎が浮かびあがる。そして母の死・・・
そして二冊目の冊子、橙色の「別冊・追悼集」
こちらは追悼集が完成し、また家族を失い、一人ぼっちになってしまった妹・千春が真実を見つけるまでをまとめた冊子だ。
クイズに例えるならば一冊目は出題編。二冊目は回答編、といったところでしょうか。
いずれにしても追悼集という形をとっているので、あまり小説を読んでいるような気はしない。
結末については差し控えますが、八方スキー場や白馬岳、または唐松岳に行ったことのある人は、写真や地図が収録されているので、また別の楽しみ方ができるかもしれません。
それにしても折原さんって、本そのものを遊んじゃうのが得意なのかなあ・・・
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追悼集2冊という変わった趣きのまま物語は進みます。登山記録だの死体検案書だの凝ってます。肝心のオチは…今ひとつでした。
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北アルプスにある不帰ノ嶮から滑落した笹村雪彦の追悼集を纏めることになった。
幼少の頃から事故直前までの出来事を綴られるその企画に携わるうちに息子の事故死に疑問を感じ始める母親・時子。息子の荷物の中から出てきたラブレターの中にしたためてあるイニシャルNとS。この二人が誰かを時子は独自で探りを入れるが――。
この小説は2冊の分冊形式になっていて、その形態は本当の追悼集にように作られている。が、ちゃんとした小説で、犯人もしっかり登場する。
間違っても「遭難者2(別冊)」から読まないこと。
とまぁ、かなり異色な小説だが、内容はあっさり系。ちゃんと読むと犯人も判る。つーか別冊に来て初めて話が展開する感じだし(笑)
物語の面白さより、この奇抜な製作の方に妙な関心をしてしまった。追悼集に徹してるのが凄い。地図も写真も死亡届まであるんだもんなぁ。すげー。
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叙述ミステリーだと思っていましたが、ストーリーは普通の推理小説でした。強いて言えば2冊で1作品としたところが、らしさなのでしょうかね?
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これ、すっごく装丁凝ってます。二冊組みの箱入り。持ってるだけでも楽しいかも。
手記だとか、いろいろな体裁の文章を交互に配したりしてるところはやっぱり折原一なんだけど、今回あまりトリックらしきものはなかった気が……。装丁に凝りすぎて手が回らなかったのか? まさかね。
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アイデア一発勝負。
追悼集という形をとっっているのは面白い。
造りも凝ってるし、中身も、写真が入っていたり(誰の写真なんだ?)死亡届の写しが入っていたりと、より本物に見せようという工夫がされている。
ただなあ、肝心の中身がいまいち盛り上がりにかけるんだよなあ。ありがちな話だし。
しかも、追悼集という形をとったが為に、表現に制約が出てしまい、登場人物の内面などが十分に描ききれていない感じがする。
話の内容だけなら★2つ。でも追悼集の形をとったアイデアに★プラス1、といったところかな。
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二冊からなる追悼集という面白いスタイル。一日で読める。昔読んだが忘れたので再読。二回目だけど楽しめた。
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山での遭難者に対する追悼集の形式で書かれた山岳ミステリ。
父を山で失い、長男、母と続く遭難。
単なる事故なのか、自殺なのか、真相に近づけるのか。
前半、後半に別れているが、後半はテンポ良く一気に読めます。
角川文庫版は追悼集が二分冊された装丁になってます。