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紙の本
女たちの蠢く葛藤に支配された歴史の舞台裏
2004/11/23 07:23
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投稿者:RinMusic - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻で表面的とはいえ辛うじて存在した姉妹の絆も、下巻ではすっかり軛(くびき)に変わってしまう—太閤亡き後もその権勢に生きるお茶々、そして秀忠の嫁として三度目の輿入れを命じられたおごう、両者の力関係を見極めながら巧みに処世せんとする京極家のお初。大阪・夏の陣に至る史実は周知の通りであるが、筆者は女の「性」を物語の中心に据えて、女の深層にある欲望や弱さといったものを見事に操作しながら、歴史を舞台裏から描いている。象徴的なのは、<いったい誰が勝ち、誰が負けたのか…>という女の葛藤に苛み続けるお茶々の土壇場に際する、「まだ勝っても負けてもいないから、おやめになることですわ」というお初の冷たくも高らかな勝利宣言。しかし、この物語は些か、おごうを奇特な人物として描きすぎている印象を拭えない。それは「ちくぜん」の出来すぎる最期からも感じられる—おちかを呼び寄せた「ちくぜん」は、自分が同郷の浅野家の人間だったことを明かして目を閉じる。これが歴史小説におけるフィクションの面白さなのは、もちろん言うまでもないが。
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