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子供の頃にドラマで見て それから興味を持って
文庫を買ってみてから 何度も読み返している作品。
祇園祭の音がすごく耳に残る そして不具の「宮さん」の
先行きが 子供心に気になって いまだに気になって
仕方がなぃ1冊。
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今まで、全く考えていなかった「距離」というものを考えさせられるお話でした。
京都から江戸に来る、と言ってしまえば一言ですが、その距離を移動するというのは体力的にはもちろん、精神的にも苦痛だったろうな・・・と、今更ながら思いました。
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これが一部でも本当だとしたら、
歴史の作り変えっていうのは、
無理なことでもなんでもなくて、
何人かがちょっと口裏合わせれば
なんとでもなってしまうものなんじゃないかって思えてくる。
今、あたしたちが信じている(学校でならった)歴史のどれだけが、誰かによって創られた歴史か、
疑う余地がどんどんでてくる。
歴史を創っているひとは、もう死んでしまっていなくて、
その創った人の残した書物で歴史は「こうであったらしい」
と決められていく。
浪漫。
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嫌々ながら降嫁したけれど、将軍家茂の人柄により短い間だけれど仲睦まじかった、という和宮と家茂の話は私の中でずっと幕末ちょっといい話、だった。
この話、それとはまったく違っていてそもそも幕末ちょっといい話の前提である和宮と家茂が一回もあっていない。だから、私の中の「いい話」はおいといて、違うものとして読みました。幕末の時代背景などはあまりかかれていないので、幕府と朝廷、薩摩と長州の関係の予備知識がないと面白さは半減してしまうかも。
宮中の一騒動として読めばそれなりに楽しめる、かな。御所言葉はあまり聞いたことがなくて、語尾に「ありがとう、忝のう、存じ上げ奉ります」とかついて回りくどい。それがとても新鮮で目に心地よかった。
途中で和宮がお茶を習うシーンがあるが、お辞儀をすれば生母の観行院と、御付女官の庭田嗣子が「宮さんはは大奥に入れば一番えらいはずだからお辞儀などする必要なし」と横槍をいれて、宮さんはたったままで御付きの女官が代わりに挨拶するとか、なんていうか、笑っちゃいました。当人は笑い事ではないだろうけど、茶道なんて様式美の極みみたいなものなのに、それもまったく無視。なによりも御所風を大切にする。茶道の様式美は無視するのに、御所の様式美は絶対。
御所言葉ももうある意味様式美の世界。うわっつらだけみているとのんきで、風雅な感じですけど、いってることは皮肉たっぷりで剣呑。私は方言で書いてある話が好きなんだけど、これもその一つかも。
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瓦解寸前の徳川将軍家に降嫁を命ぜられた和宮の身代わりとなった少女フキと、その周りで姦計を巡らす人々を描いた作品。
さすがの有吉佐和子で、和宮身代わり説に基づいて組まれた筋立ては見事だ。
冒頭にフキのお下としての姿が描かれ、その後の和宮としての生活とのあまりの差異に戸惑い、壊れてゆく様に怖さと悲しさを引き立てている。
和宮の身代わりになることに一切の説明も説得もなく、ただそれが当たり前のように進んでいく。
そしてその過程で周りにいる人々は己の保身、欲望のみに囚われ、誰一人フキのことを顧みるものはいない。唯一心を許せるはずだった少進も、結局のところはフキではなく和宮という立場にいる者に尽くしているだけだと分かる後半は切な過ぎる。
一人の無垢な少女が周囲の思惑によってその人生を狂わされていく。しかしその周囲の者さえも時代という大きな波の中でそれぞれの人生を翻弄されていかざるを得ない。
御東下道中散々反目しあった公家側の女たちがフキの発狂により、江戸に対して一致団結して新たな和宮の身代わりを立てていく様は滑稽で悲しい。
この本は一貫して悲しい作品だ。
それとは別に宮中言葉や所作、様々な決まりごとなど非常に興味深かった。こちらの面からも十分堪能できる1冊。
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いやー、こわい話だった。楳図かずおの漫画に似たような話があった気がするけど、こっちのほうがずーっとこわい。周りの女たちはともかく、フキに対してやさしいまなざしを向け、ひとつの輿の中でフキの手をぎゅっと握りさえした和宮の心中はいったい。
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公武合体を図るため、崩落寸前の徳川幕府へ降嫁した皇女和宮は、「実は替え玉だった」という仮説をもとに書かれた小説。
替え玉にされたフキやその周辺の人々に寄り添う著者の筆は常に冷静で、異常な状況に置かれた人々の人間的な感情や非情な運命を書ききっている。
事態を飲み込めないまま、時代の波に翻弄された、無力な無名の人々。
人間の歴史が続く限り、こういうことは繰り返されるのだろう。
自分で選びとった生き方を生きる喜びは何物にも代えがたい、と改めて噛みしめる。
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これを読むと中学の歴史の先生を必ず思い出します。
和宮は替え玉だったという説がありますが、このお話は替え玉説が基になってます。
読み進めている間はこの替え玉の女の子が一体どうやって幕末を乗り切ったのか?とずーっと考えてしまいますが、最後の最後でびっくりな展開…
お話は降嫁の途中で終わってしまいますが、その後の続編もあれば是非読んでみたいとこです。結末は分かっているので、読者の想像してもらいたいという著者の意図なのかな。
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公武合体によって有栖川宮に嫁ぐ筈だった和宮は、政治の道具として幕府に嫁ぎます。それだけでも充分に「歴史に翻弄された女の…」とドラマチックに語れますが、その和宮の替え玉となった「歴史に飼い殺しにされていった」少女の話。
なんだか昨今の皇室問題にも繋がっているように感じ、単なる大河ドラマとしてだけで読めません…。
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フィクションだろうけど、すごい話だ。何の説明もないまま宮様の替え玉にさせられるなんて、そりゃ気も狂うだろう。この時代、身分の低い人の人権なんてなかったんだなと。御所言葉(女房言葉?)と候文が、読みにくい。
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幕末の混沌とした世を平らげる「公武御一和」のため、時の将軍家茂のもとへの降嫁を迫られる先帝の姫君和宮。娘の嘆きを思った生母観行院は、乳母の藤とその妹少進とともに和宮のすり替えを画策する。
和宮の身代わりに選ばれたのはなんと公家屋敷に奉公に出たばかりのフキ。一切について無知のまま和宮に仕立てられるフキを待っているのは宮様としての幸せな生活なのか、それとも・・・?その結末がなかなか見えず、夢中になった。
当時の“御所風”文化が詳細に描かれているのも、姫君、宮廷マニアとしては見逃せない。
☆毎日芸術賞
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えぇえー!!!
この本に書かれている事が本当なら、かなりの驚きです!!
篤姫と同じく、瓦解寸前の徳川家に嫁いだ女の人達の話です。
何よりフキが哀れで仕方ない…。。
嫌ぁ、本当なのでしょうか!!!
歴史には隠された秘密が沢山あるのでしょうねぇ…。
説明書きが読みにくい所もありましたが、
“これ本当の事なの!??”と言う気持ちの方が強くて、どんどん読み進めてしまいました!
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和宮御降下が進み出してからストーリーがテンポアップして読み進められたものの、前半はなかなか厳しかった。
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すこし前に読んだ本。「和宮」についた最後の随身・少進の怖さ無気味さったらない。ドラマとしては「和宮」発狂の場面がハイライトなんだろうけど、それでも少進こそが作者が示したかった普通の人々の怖さなんじゃないかという気がしてならない。
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和宮降嫁については、替え玉説が昔からあるところ。この説もとても面白く、当時の公家の過ごし方もさもありなんという感じ。