紙の本
平成最後の年に
2019/01/12 18:02
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投稿者:やすし - この投稿者のレビュー一覧を見る
皇太子として描かれる陛下が退位される今年、著者が問うた日本を考えるために読み継ぎたい一冊。1959年に書かれた本質は今も変わっていない。
紙の本
第二次世界大戦前後、特に戦争の中で青壮年期を過ごした人々にとっては、真剣に考えるべき重要問題だったと思う。
2016/12/11 00:14
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦前後、特に戦争の中で青壮年期を過ごした人々にとっては、真剣に考えるべき重要問題だったと思う。しかし、社会一般の常として、真剣に思い悩む人間は時代に取り残され、変わり身の早い人間が時代の波に乗れというものである。本書では、「天皇制」という題材を取り上げつつ、あの大戦において各人がどのように関わったか、大戦後の正反対方向ともいえる急激な意識変革にどう対処したかを鋭く描いている。極めて貴重な記録的小説として読み継がれてほしいとは思うのだが、戦後派であり様々なことに一応の収束点を見出して表面的安定状態を保っている時代に生きる私には、今一ピンと来ないというか緊急性を感じれない作品でした。ムーーー、昨今の安倍晋三内閣の動きには大きな不安を感じはするけど・・・・・・・・・・・・・・。まあ、読んでいて余り面白くないのもちょっと残念でした。
もう一作の『軍艦期はためく丘に』という短編はどうにもピンと来ない作品でした。
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昭和・平成の天皇はこの一冊を読んだろうか。皇太子はどうだろう?
天ちゃん、お袋、セガレはどう感じたろうか。座右の銘を「寄らば大樹の陰」と言ってはばからない団塊世代の私でさえチクリと刺さるものがあった。しかし、これからも「長いものには巻かれろ」で余命を生きるしかない。企業戦士と言われた私らは今更ルート変更儘ならず
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読むのがとても辛いというかきついというか
たぶん今もタブー視され続けている天皇の存在。
今でこそ天皇陛下、皇太子さまと呼ばれているけど
終戦直後のそんな存在って一般市民からしたら
ずーっと神聖なものだったのに
日本が負けたと同時に白い目で見てたんじゃないかなと。
美談とかお涙頂戴は一切なし!
たぶんこれが1番リアルな世の中の動きだったんじゃないのか、と私は思う。
終戦までの大ベストセラーになった
陸軍中佐、杉本五郎著者の「大義」
その大義を読み感動し
なんて素晴らしい!これこそ生き様だ!
と胸に秘めて
終戦末期の戦場へ向かう主人公の少年、柿見。
友人種村の死、上官というか学校の先生達の無駄な暴力
そして各自それぞれに渡された
天皇の菊の紋がついた銃。
大義こそ全て!と思っていたのに、いざ終戦。
今までの大義って一体なんだったのか!っていうのと
天皇って自分にとってどんな存在なのか?というのを
ずーっと考えては苦しんで最後には精神的な玉砕。
もう一個の短編「軍艦旗はためく丘」には
もっと年齢が若くみんなほぼ14歳。
これもまた読むのが辛かった。
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戦中のベストセラー大義という書を受けて、軍の予科練に入ったのち、軍隊経験と終戦でその理想が壊れた戦中派の若者たちの行く末を描いた本とのこと。
城山三郎自身の経験をもとに描いた本で、これを描くために作家になったとのこと。
2024年新春スペシャルの100で名著で紹介。
城山はこの経験により認知的不協和に立ち、それを克服するために、戦時中に大義的生き方をした人々を描いたのではないかというコメントがあり、興味を覚える。
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天皇制を批判した小説は極めて少ない。
昭和2年生まれの著者、城山氏のほぼ実体験に基づくもの。
戦争体験を持つ語り部が段々と少なくなりつつあるが、そういった意味でも、読まれ継がれたい一冊。
天皇制。
・主権としての天皇制、終戦前の絶対的な政治権力としての天皇制。
・国民の象徴としての天皇制。
・天皇ヒロヒト個人を「天皇制」と取り違える考え方。
これを十把一絡げに語ると、出口は見えなくなる。
国の為と散って逝った青年達を忘れてはならない。
作品中にも出てくる『大義』は読んだことがないので、読んでみよう。かつての、青年達を聖戦に向わせた一冊を。