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「ガストン・ルルー」の短編集『ガストン・ルルーの恐怖夜話』を読みました。
『オペラ座の怪人』や『黄色い部屋の謎』の作者として有名な「ガストン・ルルー」ですが、、、
実際に読むのは本作品が初めて。
「東野圭吾」の『名探偵の呪縛』を読んだ影響で、古典的なミステリー作家の作品を読みたくなったんですよねぇ。
本作品は1920年代に発表された、以下の八編から構成されています。
■金の斧
■胸像たちの晩餐
■ビロード首飾りの女
■ヴァンサン=ヴァンサンぼうやのクリスマス
■ノトランプ
■恐怖の館
■火の文字
■蝋人形館
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フランス・ミステリ界を代表する巨匠が贈る世にも怪奇な物語集。
片腕の老船長が語る奇怪な話「銅像たちの晩餐」、コルシカの復讐譚に材をとった「ビロードの首飾りの女」、結婚相手が次々と怪死を遂げる娘の物語「ノトランプ」をはじめとして、いずれ劣らずなまなましく人間心理の闇を描いて、読む者を戦慄の世界へと誘う。
恐怖ファン必読!
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約80年前の作品なので、やや古臭い感じもしますが、それも雰囲気ですかね。
恐怖夜話と銘打っているだけあり、怪奇サスペンス… という趣の作品の連続で、、、
映像化すると観るに耐えないような残酷なシーンが多いですが、必ずオチ(人間の犯した罪)があるので、謎解きを楽しみながら(=残酷なシーンを想像しないようにしながら)読みました。
≪ちょっとネタバレ≫
意外なオチに驚かされた『金の斧』。
殺人犯だと思い込んでいた亭主の本当の職業を知ったときの衝撃が印象的ですね。
当時の欧州(ドイツ?)にはこんな職業もあったんだよなぁ… と感心させられました。
イチオシです。
食人を題材にした『胸像たちの晩餐』は不気味さではイチバンですね。
共食いは怖い。想像しただけでも怖ろしいですね。
『恐怖の館』の宿屋や『火の文字』の邸には、絶対に泊まりたくない。
特に『恐怖の館』は、読みながら背筋がゾクゾクっとしましたね。
宿屋の主が殺人鬼なのか、それとも演出なのか… 怖いけど、二重三重構造の物語が楽しました。