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既視感とも訳される「デジャヴュ」といふやつ。丹波哲郎さんはあれを前世の記憶と関係あるんぢやないかと考へたのであります。
で、この本を書くにあたつて、インド・ネパールを取材してゐるやうですが、純然たるノンフィクションにはしませんでした。
著者本人も「はじめに」でことはつてゐますが、事実の部分とフィクションの部分が混在してゐるといふことです。
別段、自分の主張にとつて都合の悪い部分をフィクションにしたといふことではなく、著者が考へる生まれ変はり(輪廻転生)を読者に理解して貰ふための工夫のやうです。
どこが事実でどの部分がフィクションであるかの区別は分かりませんが、それは余り重要ではないでせう。
ドラマの撮影のため、三浦半島のとある旅館に投宿してゐた丹波氏の元へ、カメラマンと称する男が訪ね「自分の前世の故郷へ行つて来た」と突拍子もない事をいふ。
詳しく話を聞く丹波氏。それが元で、自らインド・ネパールへ前世・転生の秘密を探る旅にでるのですが、その旅程は驚愕の連続であつた...
小説と思へば中中面白いものです。デジャヴュは転生を証明する現象である、との主張は本当かどうか分かりませんが、どうせ本当の事は誰にも分からない。
読み物の一種として愉しむべき書物と申せませう。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11391868203.html