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紙の本
さすが中島梓のルポルタージュ
2007/01/04 00:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
1980年に『文藝春秋』に連載されたルポルタージュを1冊にまとめたものだ。1980年の日本のいくつかの側面を見せてくれる。例えば、占い師、インベーダー・ゲーム(古い!)に関わる人たち、ダイエットやグルメの関係者といったところだ。
しかし、本当に80年の日本の様子を見せてくれるのは前半だけのようにも思える。途中から、中島自身の体験記といった感じになっている。自ら結成したバンドのコンサートの顛末であり、自らが芸能ジャーナリズムのネタになってしまったことであり、自分の出身大学学科の話であったり、日米の流行作家へのインタビューであったり。
そして最後の「体験的スキャンダル・ジャーナリズム論」と「いったい現実を把握しているものはいるだろうか」に至り、ルポルタージュでも体験記でもなくなり、中島のマスコミ論、マスコミを踏まえた個と社会を論じる話となってしまう。「文庫版のためのあとがき」等を読むと、この2編は『文藝春秋』には掲載されておらず、単行本になる時に加筆されたものなので、余計異なった印象を持つのかもしれない。
しかし、この本の一番面白いのはこの加筆された2編である。私たちが手に入れたマスコミュニケーションを通して成り立っている生活と、それに代表されている現代文明とでも言うべきものと私たち個人とのかかわりなどについて、中島は非常な危機感を持って論じている。すでに21世紀を迎えてしまった私たちが読んでも尚、ここで中島が論じている危機感は続いているように思えるのだが、いかがだろうか。
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